白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
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ダイゴの話は次は最終回を書く、と言った矢先にいきなり違う話書いていてすみません(汗)。
ちょっと番外編っぽい話です。






死んだ者の霊を自分に乗り移らせ、生きている者と既に死んでいる者との対話を可能にさせる、霊媒師。
その霊媒師として有名なアリシア=リブル。
霊媒師として強い力を持つだけでなく、霊媒師としては比較的若く、美しい女性であるアリシアは、最近人気が出てきて、世界的にも有名になってきた。

そのアリシアが、期間限定で日本で店を構え、霊媒師の仕事をすることになった。
幼い頃に母を亡くしたメイリンは、アリシアに頼めば母とまた会えるかも、と思ったが、アリシアの店は連日大盛況。
滞在期間中は、予約だけでいっぱいの状態で、飛び込みのメイリンが入れる余地はなかった。
しかしなんと、アリシアはダイゴの料理のファンだった。
ダイゴの料理を食べに灼熱飯店まで来たアリシアに、ダメ元でお願いしてみるメイリン。
アリシアは、ダイゴのパートナーであるメイリンの頼みなら喜んで、ということで、滞在期間中に1日だけある、店が定休日のとき、メイリンと、メイリンの亡き母を会わせてくれることになった。







灼熱の料理人
クッキングファイター・ダイゴ

第30話「再会!メイリンの母」








メイリン「お母さん・・・ほんとうにお母さんなの?」
アリシア「そうよ、少しの間、この人の身体を貸してもらっているの」
メイリン「お母さん・・・会いたかった!」
アリシア「ふふっ、メイリンったら、身体は大きくなってもまだ子供みたいね」

アリシア「びっくりしたわ、メイリンったら、私の若い頃にそっくりになっているんですもの」
メイリン「うん、お母さんほど美人じゃないと思うけど・・・お母さんに近づけているみたいで、あたし、嬉しいんだ」
アリシア「私が着ていたそのチャイナドレス、着てくれているのね」
メイリン「うん、これもね、少しでもお母さんみたいになりたいって思って。それに、これを着ていたら、いつでもお母さんの温もりが感じられて、心があったかくなれるんだ。あはは、あたしって、ホントにまだ子供だね」
アリシア「ふふ、ほんとね。でも、大事にしてくれてて、私も嬉しいわ。あの人も喜んでいるんじゃないかしら」
メイリン「あの人って、お父さんのこと?なんでそこでお父さんが出てくるの?」
アリシア「そのチャイナね、あの人からのプレゼントなのよ」
メイリン「え!?これってそうだったの!?は、初めて知った・・・」
アリシア「私の19の誕生日にね、ちょうど今の貴女と同い年ね、あの人が誕生日プレゼントだって言って、くれたのよ。着てみたら、胸のサイズまでぴったりでびっくりしたわ。3サイズなんて、1回も言ったことないのにね。どうして分かったのってあの人に聞いてみたら、私を抱き締めたときに分かった、なんて言うのよ」
メイリン「うわあ・・・あたしのお父さんって、そんなキザな人だったんだ・・・意外というか、そんなナンパなお父さん、ちょっとヤだな・・・」
アリシア「ふふっ、この話には、まだ続きがあるのよ。私があの人にそのチャイナをプレゼントしてもらったその日の晩、初めてあの人とひとつになった・・・もっとはっきりいえば、抱いてもらったのよ、そのチャイナをあの人に脱がされて、ね」
メイリン「え!?その日の晩に!?しかもお父さん、自分で服をプレゼントしておいて自分で脱がしたの!?なにその鬼畜みたいなプレイ!」
アリシア「鬼畜って、ひどいわね。あの人はちゃんと私を愛してくれていたから、そうしてくれたのよ。後で知ったんだけど、男が女に服をプレゼントするのは、その服を自分で脱がしたいっていうメッセージが込められているらしいわね」
メイリン「へー・・・お父さんがお母さんを愛していたのは分かったとして・・・でも結局お父さんは、お母さんとやりたかっただけじゃない!はは・・・なんかあたしの中のお父さんのイメージが崩れちゃったな・・・」
アリシア「ふふ、結局はそうだったのかもね。でも私はあの人に感謝してもしきれないぐらいなのよ、その後もずっと私を大事に想ってくれていたし、メイリンっていう、大切な我が子を授けてくれたしね」
メイリン「お母さん・・・」

メイリン「あっそうだお母さん!」
アリシア「どうしたの?」
メイリン「アリシアさんの身体から出て、今度はあたしの身体に乗り移ってよ!あたし、お母さんの若い頃にそっくりだし、ちょうどこのチャイナ着てるし、お母さんも若い頃をもっと実感できていいんじゃないかな?あたしも、お母さんにならいくらでも乗り移られてもいいし!」
アリシア「メイリン・・・」
メイリン「ね、ね、そうしようよ!あれ、お母さん、どうしたの?」
アリシア「メイリン、私はやっぱりいいわ」
メイリン「えー、ど、どうして?」
アリシア「貴女の身体を乗っ取ってまで、生を感じていたいと思わないわ」
メイリン「の、乗っ取るなんて、お母さん、そんな大げさな」
アリシア「メイリン、私はね、やっぱりもう死んでいる身なのよ」
メイリン「お母さん・・・そんな悲しいこと言わないでよ・・・せっかくこうしてまたお母さんに会えたのに・・・一時的じゃなくて、あたしの身体にずっと乗り移ってくれててもいい!あたしはどうなってもいいから、お母さんに生きててほしいよ・・・」
アリシア「メイリン、その気持ちは、お母さんとても嬉しいわ。でもね、貴女はどうなってもいい存在じゃないはずよ。誰かが貴女を必要としているでしょうし、貴女も、誰かの力になりたいって思っているんじゃなくて?たとえば・・・この店の入り口で、今の貴女を待ってくれているダイゴっていう男の人のために」
メイリン「うっ・・・ひっく・・・お、お母さん、ダイゴのことも・・・知ってるんだ」
アリシア「うん、貴女の気持ちも含めて、全部ね。貴女になにもしてあげられなかった私が偉そうに言えたことじゃないけど・・・やっぱり母親としては、自分の娘には幸せになってほしいのよ」
メイリン「お母さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あたし、今日ここでまたお母さんに会えて・・・ほんとうに嬉しかったよ」
アリシア「私も嬉しいわ、この身体を貸してくれた、アリシアさんにも感謝しなきゃね。それと、メイリンに1つお願いがあるの」
メイリン「な、なに?お母さん」
アリシア「私に孫ができて、その子も女の子だったら、その子にもそのチャイナ着せてあげてね」
メイリン「ぶっ!孫って、そそそそそそそそれってつまり・・・・・・・あ、あたしとダイゴはまだそんなんじゃないってば!!それに、このチャイナを着るってことは、胸がおっきい子が三世代も続くわけじゃない。近所の人に、巨乳一家なんて呼ばれちゃうわ」
アリシア「ふふっ、それはそれで楽しそうね」
メイリン「はぁ、お母さんには敵わないわ、あははっ」
アリシア「・・・・それじゃ、お母さん、そろそろ行くわね。帰ったら、あの人にもメイリンは元気だったって伝えるわ」
メイリン「うん・・・・・さようならじゃなくて・・・また、また・・・・・今度ね」
アリシア「ふふ、また・・・今度ね、愛してるわ、メイリン」








メイリン「それじゃ・・・失礼します。ほんとうにありがとうございました」





ダイゴ「よっ。お袋さんとは無事会えたか?」
メイリン「うん、さすがは霊媒師として有名なアリシア先生ね。お母さんとまた話しができて・・・あたし、ほんとうによかった」
ダイゴ「そっか、よかったな。んじゃ、行くか」
メイリン「ねえダイゴも、ダイゴのお父さんかお母さんに会いたいと思わないの?今なら・・・アリシア先生に頼めば、会えるかもしれないよ?両親に会ったことなくて・・・寂しいとか、思わない?」
ダイゴ「ん、思わないな!俺には料理があるからな!!」
メイリン「もう、二言目には料理なんだから。あはは、でも、ダイゴらしいわ」
ダイゴ「それと、俺には料理と、お前がいるからな」
メイリン「え、ダイゴ、今なにか言った?」
ダイゴ「なんでもない!よしメイリン、今日は明石のタコを釣りにいくぞ!今晩の料理に使おうと思ってるんだ!」
メイリン「あ、明石!?それって兵庫県でしょ!?日帰りで帰ってこれる距離じゃないわよ!?」
ダイゴ「俺はできる限り食材は自分で調達したいんだ!ちょっと待ってろ、自転車取ってくるからな!」
メイリン「しかも自転車で行く気!?そりゃ無理でしょって、もう行っちゃったし。仕方ないわね・・・このあたしが、また付き合ってあげますか!」




灼熱の料理人
クッキングファイター・ダイゴ
第30話・完
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by irekawari | 2007-04-30 00:44 | 女同士の憑依・乗っ取り

WEB拍手お返事とお知らせ

4月23日のWEB拍手コメントレスです~

>ダイゴの続きを読ませてもらいました。いったいこの後どうなるのかとても楽しみです。
お返事遅くなってすみません!
読んでくださってありがとうございます~。楽しみと言っていただけるのも、とても嬉しいです。
次は間を飛ばして最終回を書く予定です、その間の部分を補うような話は書かないと思いますが、それでもよければまた読んでやってください~








ダイゴの話に関するお知らせです。
今まで47話と48話を書いてきましたが、次は最終回だけを書いて、それでダイゴの話は完結、ということにする予定です。


第47話「最終章・プロローグ 御門グループの邪悪な罠!狙われたメイリン」
第48話「最終章・其の一 ダイゴよ気付け!!罠に堕ちたメイリン」



最終回(完)




こういう流れにする予定です。
元々、ダイゴの話は47話と48話、そして49話予告編まで頭に浮かんでいて、そこまで書いて、物語りは終わってないけど続きは皆さんで想像してください、という実に投げやりなラストにする予定でした。
でも書いていて、せめて最後どうなったか書きたいな~と思い、「最終回の内容だけ」頭に浮かんだので、せめてあともう1回、最終回だけ書こうと思っています。
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by irekawari | 2007-04-30 00:19 | web拍手お返事
ミカエラ「うふふ、今からこの人格交換マシーンで、貴女と私の身体を入れ替えさせてもらうわ」
エステル「や、やめて!」

エステルとミカエラの身体が固定されたベッドが、ウィーンと音を立てながら同時に横にスライドし、謎のマシーンの中に入る。
エステルとミカエラの身体はほとんどがマシーンの中に入っていて、今は足の膝から下しか外に出ていない。
エステル「やあぁぁぁぁ!やめて!」
エステルは足をばたばたさせている。必死で抵抗しているつもりだ。
カイン「人格交換を開始します」
カインがマシーンのスイッチを入れる。
エステル「いやああああ!」
エステルの身体が入った穴から、エステルの悲鳴が聞こえてくる。
エステルはしばらく足をばたばたさせていたが、やがておとなしくなった。
そして、エステルの代わりにミカエラが足をばたばたさせ始めた。

カイン「人格交換、完了しました」
カインが言うと、ベッドがまたウィーンと音を立てながら横にスライドして、マシーンの中からエステルとミカエラが出てきた。
カイン「気分はいかがですか、奥様」
エステル「うふふ、最高よ。まさに生まれ変わった気分だわ」
エステルはカインに身体を固定していたベルトを外してもらい、ベッドから降りた。
その身体はまだ裸のままだ。胸はふくらんでおり、乳首はツンと上を向き、肉は引き締まっていて肌には張りがある。

ミカエラ「わ、私の身体、どうなったの?」
エステル「うふふ、エステル、私の身体になった感想はいかが?」
ミカエラ「きゃあっ、私がいるわ!じゃあ、私は本当にミカエラ夫人になってしまったの?」
エステル「その通りよ。うふふ、安心して、その身体にもすぐ慣れるわ」
エステルはミカエラの身体を固定しているベルトを外してやった。
ベッドから降り、自分の身体を確認するミカエラ夫人。その身体は、エステルと同じく裸だ。
乳房は垂れており、肌は張りを失っていて、手足はガリガリで、女性らしい丸みを失っている。鏡を見ると、髪は白髪が混じっていて、目尻や口元にはしわが見える。
ミカエラ「いやぁっ、こんな身体!返して、私の身体を返して!」
ミカエラがエステルにつかみかかろうとした。
ミカエラ「きゃっ」
カイン「奥様に手を出すことは許さん」
そこへカインが割って入り、ミカエラの手首をつかんで後ろ手に締め上げた。
ミカエラ「い、痛い。も、もうしないから、手を離して」
ミカエラが懇願すると、カインはミカエラの手首を掴んでいた手を離した。
エステル「うふふ、そうよ、大人しくしていれば悪いようにはしないわ。なんといっても、私にこんな素晴らしい身体をくれたんだから、貴女には感謝しているわ。残りの老後の人生も、不自由ないようにはしてあげるわ」
ミカエラ「いやぁっ、そんなのいらないから、私の身体を返して!」
エステル「それだけはできないわ。貴女はこれから一生、ミカエラ夫人として生きるのよ」
ミカエラ「うっ・・・うううっ・・・・」
とうとう、ミカエラ夫人は泣き出してしまった。

エステル「うふふ、いつまでも裸じゃ風邪ひくわね。後で服は用意してあげるけど、とりあえずは元の自分の服を着ていてね。サイズが合わないかもしれないけど」
カイン「奥様。お召し物はこちらです」
エステル「ありがとう、カイン」
エステルはカインからまず下着を受け取った。おばさんがよく着るような、ベージュの体型補正パンツを履き、同じくベージュの寄せて上げるブラを身につけた。
カイン「奥様。ドレスはこちらです」
次にエステルはカインからドレスを受け取った。さっきまでミカエラ夫人が着ていたせいか、まだ生暖かい。まずは背中のファスナーを下げ、ドレスに身体を入れ、袖に腕を通しながらドレス全体を上に引っ張る。そして最後に、背中のファスナーを上げた。
エステル「んっ、胸がちょっとキツイわね」
エステルはミカエラ夫人より胸が大きいため、ドレスの胸の部分がキツキツだった。
ドレスの胸の部分は編み上げになっているので、エステルは編み上げの紐を解き、ちょうどいいサイズに調整してから、また編み上げの紐を結び直した。
エステル「うふふっ、このドレスはお気に入りで長いこと着ているけど、この編み上げを調節したのなんて初めてだわ」
エステルは自分の豊かな胸を掴みながら、口の端を吊り上げて、いやらしい笑みを浮かべている。
ドレスは薄いピンク生地に、薔薇の花柄模様がついている。襟や袖、スカートの裾には青と紫の2色のフリルがあしらわれている。フリルはサテン生地になっていて、光沢があるのでドレスの派手さをアップさせている。さらに、ツルツルの素材なので首や手首、足首が当たると気持ちがいい。
肩の部分はふくらんでいて、パフスリーブと呼ばれる形状になっている。
袖も、手首から先が大きくふくらんでいて、こちらは姫袖と呼ばれる形状になっている。
胸の部分は前が開いていて、前述のとおり編み上げになっている。
花柄模様に青&紫のフリルがついていて、非常にケバケバしく、派手な印象で、いかにも金持ちで趣味が悪い夫人が着るドレス、といった感じだ。
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by irekawari | 2007-04-29 23:45 | 女同士入れ替わり
灼熱の料理人
クッキングファイター・ダイゴ
CM

メイリン「灼熱の料理人クッキングファイター・ダイゴのDVDも6巻目!今回は21話から24話を収録!
21話はダイゴの家賃未払いのため、なんと灼熱飯店が営業停止!?家賃を稼ぐため、あたしが夜のアルバイトをする羽目に!?
22話は恒例の御門との料理対決!今回の舞台はなんと嵐の海の上!足場の不安定な場所で、ダイゴはうまく料理できるのか?玲子さんの意外な趣味も明らかに!あたしの水着姿も必見♪
23話は、ダイゴに憧れる子供が、押しかけ弟子としてやってきた!ダイゴが語る、本当の料理人とは!?
24話はアキハバラのメイド喫茶で料理対決!!灼熱の料理は、萌えに打ち勝つことができるのか!?
料理の力で人々に笑顔を!ダイゴの戦いはまだまだ続く!」
ダイゴ「DVD6巻、2月3日に発売開始(バトルスタート)!!」







灼熱の料理人
クッキングファイター・ダイゴ
第49話予告編

ダイゴ「いや~、驚いた驚いた、まさかメイリンと玲子さんの身体が入れ替わっていたなんてな」
玲子「そうそう、あたしも大変な目に・・・って、ちょっと待った!なんでダイゴがそのこと知ってんの!?ダイゴ、本編じゃまだ知らないはずでしょ!?」
ダイゴ「いや、今回の話の台本に書いてあるし」
玲子「台本とか言わない!!」
ダイゴ「ん?まずかったのか?今回の次回予告は持ち込み自由だって聞いたから、とりあえずそこらにあるもの全部持ってきたぞ?ほら、調理道具もこんなに!」
玲子「次回予告に調理道具なんか持ってきてどうすんのよ!」
ダイゴ「いつでもどこでも最高の味を追求する!それが俺の灼熱流だ!!」
玲子「それは知ってるけど!時と場所を考えなさい!」

玲子(はっ!台本読んだってことは、あたしがダイゴのこと好きだってことも、ダイゴに全部知られちゃったんじゃ・・・ひゃあああああっっ!!ど、どうしよう、ダイゴに、あたしの気持ち知られちゃった・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、は、は、恥ずかしくてダイゴの顔、まともに見られないよ・・・でも、もしダイゴもあ・・・あたしのことす、好き・・・でいてくれ・・・たら嬉しいし・・・だ、ダイゴはあ、あたしのこと・・・どう思ってるのかな・・・あ、あたしの気持ちを知ってるんなら、好きとか嫌いとか、あたしになにか言うことあるんじゃないの!?まったく、この料理バカの朴念仁は・・・)
ダイゴ「メイリン、顔赤いぞ?熱でもあるのか?今ちょうど材料あるから、熱さましなら1分で作れるぞ?」
玲子「ね、熱なんかないわよこのバカ!それよりあ、あたしになにか言うことあるんじゃないの!?」
ダイゴ「俺がメイリンに?今は特にないな。それより、俺の灼熱炒飯がそろそろ完成なんだ、今回は焼き方をちょっと変えてみたからさらに飯のフワフワ感がアップしてて美味いぞ!食べてみてくれ!」
玲子「いらない!後で食べるけど!!とりあえず料理はストーーーップ!!!」
ダイゴ「そうか、じゃ皿に盛りつけて置いておくぞ。俺の料理は冷めても美味いからな!」
玲子(ううっ、相変わらずいい匂いしてるわ・・・今食べればよかったかな・・・って、なにあたしまで料理に引っ張られてんの!?もうっ、ダイゴったら料理のことしか頭にないんだから。それにしても・・・あ、あたしの気持ちを知っていて、特になにもないなんて・・・もしかして、あたしって本当にどうでもいい存在だと思われてるんじゃ・・・。ん?そういえばダイゴが料理と武術以外に関する本なんて滅多に読まないはず・・・ひょっとして台本も・・・)
玲子「ねえダイゴ、台本は全部読んだ?」
ダイゴ「ん、いや、俺の台詞んとこと、入れ替わりのシーンあたりだけだな」
玲子「全部読まなかったの!?」
ダイゴ「俺は料理と武術に関する本以外は読みたくない!」
玲子「威張るな!!本ぐらい読みなさい!」
玲子(はぁ、結局あたし一人で舞い上がっていただけか。ダイゴにあたしの気持ち知られなくてよかったけど、それはそれで寂しい気もするし・・・)
ダイゴ「よし、調理道具の片付け完了!あ、そうだ、メイリン」
玲子「ん?なに、ダイゴ」
ダイゴ「さっきの話だけどさ。そういえば1つ、メイリンに伝えたいことがあったのを思い出した」
玲子「ふーん、なに?」
ダイゴ「えー、あー、その、なんだ」
玲子「???」
ダイゴ「メイリン」
玲子「きゃっ、急に肩掴まないでよ。ってなに急に真剣な顔してんの・・・よ」
ダイゴ「メイリン、ずっと前から思っていたことがあるんだ・・・その、俺の気持ちというか・・・」
玲子「え・・・・?」
玲子(なになに、ま、まさか・・・これって・・・)
ダイゴ「メイリン、お、俺は・・・」
玲子「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
玲子(ちょっ、顔近い・・・・じゃなかった、きゃあああああああああああ!まさかこれって、ほんとに、だ、ダイゴが・・・あ、あたしの・・・こと・・・)
ダイゴ「俺は・・・」
メイリン「させるかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっっ!!!」
ズドゲシッッッッ!!!
玲子「ごぶぅぅっっっーーーーーーーーーーーー!!??」
ヒュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
ドスン!
ダイゴ「な、なんだ!?」
メイリン「愛の告白なんかさせるかぁ!!ダイゴくんは私のものよ!!」
ダイゴ「め、メイリン・・・じゃなくて今は玲子さんか」
メイリン「ああぁ~ん、ダイゴくんったら、今は私がメイリンなんだから、『メイリン(はあと)』って呼んで♪」
ダイゴ「ちょっ、玲子さん!?」
メイリン「本編じゃキス1回だけだったからぁ、キスの続き、ここでしよっ♪」
ダイゴ「続きって、目を閉じて唇を近づけないでくださいよっ!」
ドドドドドドドドドドド。
玲子「ちょっと待てぇーーーーーーーーーーーーーい!!」
ブン
ひょい
ガスッ
ダイゴ「ごふっ!?」
玲子「きゃあっ!?だ、ダイゴごめん!!」
メイリン「もう、ほんとに暴力女なんだから。ダイゴくん、こんな女と付き合っていないで、私にしましょう?私なら、ダイゴくんの身も心も癒してあげられるから・・・♪」
玲子「玲子さんがあたしの蹴りを避けるからでしょ!だ、ダイゴ大丈夫!?」
ダイゴ「ごほごほ、ん、だ、大丈夫、大丈夫」
メイリン「へへーん、暴力女~」
玲子「いきなり跳び蹴りかましてくるほうがよっぽど暴力的だと思いますけど!?」
メイリン「なによ、私のいないところでダイゴくんから愛の告白されようなんて!この泥棒猫!」
ダイゴ「ん?愛の・・・?」
玲子「わーーー待った待った!!玲子さん、それ以上はなし!!」
メイリン「ふふーん、まあいいけど。それよりダイゴくん、私、急に胸が苦しくなって・・・診てくれないかしら?」
ダイゴ「ぶわっ、れ、玲子さん!?」
玲子「また服はだけて胸出してるーーーーーー!!あたしの身体でそんなことしないでくださいってばーーーーっっ!!」
メイリン「ダイゴくん、私、ダイゴくんに抱き締められていたら、この胸の疼きが収まると思うの」
ダイゴ「って、玲子さんのほうから抱きついてきているじゃないですかっ!」
メイリン「私、ダイゴくんなら全てを捧げてもいいよ・・・」
玲子「それはあたしの身体ですって!!そ、そんなことするんだったら、あ、あたしも玲子さんの身体で脱ぎますよ!?胸出しますよ!?」
ダイゴ「め、メイリンお前まで!?」
メイリン「ふふん、誰が三十路前の行き遅れ女の胸なんか見たがるもんですか!」
玲子「玲子さん、それ、自分で言ってて後で虚しくなりますよ・・・?」
メイリン「うん今もちょっと虚しい・・・」
ダイゴ「・・・・・・・・・・・」
玲子「・・・・・・・・・・・」
メイリン「ほーーーーーーーほっほっほ!!でも今はあたしが19!ピチピチギャルなのよ!そしてあんたが行き遅れ!!さあ女として不幸なのはどっちかしら~?」
玲子「玲子さん、あたしの身体に入っているのを差し引いても、ずいぶんキャラ変わりましたね・・・」
メイリン「うっうっ、ひっく、いいでしょ少しくらいはっちゃけても!!久々の登場だったんだから!!」
ダイゴ「そういえば玲子さんに会うの久しぶりだな。えっと、どのぐらい会ってなかったんだっけ?」
玲子「うーんと、ちょうど12話振りになるわね。あたしも、本編で玲子さんに会ったときは久しぶりすぎて、かえって新鮮だったわ~」
メイリン「そうよ12話ぶりよ!!ちょうど3ヶ月よ、季節が1つ変わるぐらいの長さよ!?」
玲子「そうですね、2話前までの『全国放浪編』がずいぶん長かったですからねぇ。その間、御門との料理対決は全然無かったし。あたしはダイゴと一緒に日本全国の旅ができたから楽しかったけど」
メイリン「私は楽しくないわよ!私だって準レギュラーのはずなのに、すっかり忘れ去られた存在になっていた私の気持ちが分かる!?」
玲子「それはあたしからはなんとも・・・っていうか正直、玲子さんもう降板してたかと思ってたし・・・」
メイリン「むかついた!めっちゃむかついた!もう最終回になってもこの身体返してあげないんだから!!」
玲子「わーーーー!玲子さん落ち着いて!!」

玲子「それにしても玲子さん、あたしの身体に馴染むの早いですね。あたし、未だに玲子さんの声でしゃべってるのって違和感あるんですけど」
ダイゴ「そうか?俺は玲子さんの姿のメイリンを見ても、普通にメイリンだと思えるぞ」
玲子「ダイゴは気にし無さ過ぎ!なにげにあたしだと分かってもらえるのは嬉しいけど!」
メイリン「ふふん、こういうのは気持ちの問題よ。ダイゴくんへの想いの強さがあれば、メイリン=シャミーになりきることだって問題じゃないのよ!というわけでダイゴくん、私の気持ち、受けとめてくれる・・・?」
ダイゴ「玲子さん、ま、また胸が!!」
玲子「お色気攻撃は禁止ーーーーーーーっっ!!」

音響監督「あと15秒です~」

玲子「わーーーーー!!ダイゴ、あと15秒だって!!」
ダイゴ「うお!?もうそんな時間か!?」
メイリン「ったく、ちゃんと次回予告してないからこうなるのよ」
玲子「玲子さんが乱入してこなきゃもっと短くまとまっていたんです!ダイゴ!あと10秒で、とりあえず締めて!」
ダイゴ「よし、いくぜ!次回、灼熱の料理人クッキングファイター・ダイゴ!!
第49話『最終章・其の二 決勝直前!ついに完成!!これが究極の灼熱の料理だ!!』
に、調理開始(バトルスタート)!!」
玲子「ひょっとしてあたし、次回放置っぽい!?」
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by irekawari | 2007-04-28 23:54 | 女同士入れ替わり
男女入れ替わりを扱った洋画「キスへのプレリュード」の紹介。




主演はアレック・ボールドウィンとメグ・ライアン。
私は俳優の名前、特に外国の俳優の名前はあまり覚えないのですが、この作品はかなり気に入っているので、主演の二人の名前はパッと頭に浮かびます。



映画公開前に、「余命幾ばくもない老人と花嫁が入れ替わる」内容だと知って、公開前から楽しみにしていて、そして自分でわざわざ映画館まで行って観た作品、ということでかなり思い入れのある作品です。
映画館でパンフレットまで買ったのですが、だいぶ前に入れ替わりものに関する本とかを一斉に処分したときに、キスへのプレリュードのパンフも捨ててしまいました、うーんもったいないことをした。

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by irekawari | 2007-04-27 07:50 | 入れ替わり作品の紹介・レビュー
女同士入れ替わりを扱った小説
「13月と13週と13日と満月の夜」の紹介。



作者は「アレックス・シアラー」、外国の方です。

感想の続きを読む(ネタバレあり!)
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by irekawari | 2007-04-26 23:50 | 入れ替わり作品の紹介・レビュー

ソウルチェンジ!(完)

魔女カルラ、いやリンとクロードがベッドの上で結ばれている頃。
ここは宿屋の地下室。

トリス「うー、冷えるな。は、腹痛くなってきた・・・」
そこへ、見回りに来ていた宿屋の主がやってきた。
スミス「おや、こんな時間まで見張りですか。ご苦労様です」
トリス「おっ、ちょうどいいところに来た。俺、腹が痛くなってきて・・・ちょっとトイレに行ってくるから、見張り代わっててくんねぇ?」
スミス「はい、いいですよ」



スミスは窓の覗き穴から、中にハンターの制服を着た一人の少女が、手首に鎖を巻かれて壁につながれているのが見える。
リン「すみません、そこの御方」
スミス「ん?わ、ワシのこと?」
急にその女から声をかけられて、スミスは焦った。
リン「助けてください。私、このままでは身売りされてしまうんです」
スミス「ええっ!?」
リン「やつらは人身売買の手の者です。このままでは私、一生奴隷として生きていくしか・・・」
スミス「え、でも、皆さん普通の冒険者のように見えますが・・・」
リン「そこがやつらの巧妙なところです。普通の冒険者を装っていれば、疑われることはありませんから」
スミス「で、でもワシはここの見張りを頼まれたし・・・」
リン「助けていただければ、お礼しますから・・・どうか、私を助けてください」
リンは腰をくねって、できる限り、自分のプロポーションをアピールした。
なぜか、ハンターの制服の前の部分がおおきくはだけていて、そこにはほどよい大きさの、たわわに実った胸が見える。
スミス「!!」
スミスは『お礼』の言葉とリンのセクシーな肢体を見て、見張りを頼まれたことなど、すっかり頭から消えていた。
宿の全ての扉が開くマスターキーで、地下の扉を開け、鎖を解こうとリンへ近づくスミス。



数分後。
うつぶせに倒れているスミスの傍に、自分の腕を縛っていた鎖を自分で外しているリンが立っていた。
ジャラン、と音をたて、鎖が床に落ちる。
リン「ちょっとは疑いなさいよ」
リンは宿屋の主に向かって呆れた声を出した。
リン「ま、おかげで助かったけどね。さて・・・」
リンは最初、ソウルチェンジの魔法を使ったあの魔法使いでも脅して、また自分にソウルチェンジをかけさせようと思ったが。
今の自分の身体を見ているうちに、考えが変わった。
この子はハンターやってるだけあって、本当に魔力が欠片ほどしかない。これでは、以前のような大魔法を使うには、かなりの時間を要するだろう。
しかし、この子はなんといっても若い。元の身体より、20ぐらいは若いだろう。長い時間をかけてまた大魔法を習得するもよし、このまま普通の冒険者として生きていくのもまたいいような気がしてきた。
なにより、この身体だと、もう賞金首として狙われることもない。
リン「悪いけど、この身体、もらうわね」





そしてさらに10分ほど経って。
宿屋内を、トリスの大きな声が包んだ。
トリス「ま、魔女が逃げたぞーーーーーーーーっっっ!!」

その叫び声で、クロード達一行は全員宿屋の1階のフロアに降りてくる。
キルシュ「おい、お前達裸かよ!」
一緒に階段を下りてきたクロードとカルラは共に裸だった。
どうやら情事の最中だったようである。
カルラ「そんなことどうでもいいわよ!わ、わ、私の身体ーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!」
トリス「すまない、俺が宿の人と見張りを代わってもらったときに、宿の人が勝手に魔女を解放しちまったみたいだ」
カルラ「わ、私の身体・・・・」
カルラは自分が裸なのも気にせず、へなへなと、床に座り込んでしまった。








夜が明けて、ここは町の外れ、人気のない倉庫の中。

今度は魔女カルラが、両手を鎖で縛られて、天井から鎖でぶら下げられている。
そしてカルラの前方2メートルの床には、クロードが、頭から血を流して倒れていた。
カルラ「クロード!クロードったら!返事してよ!!」
キルシュ「無駄無駄。あんだけ頭から血を流して、返事できるやついるかよ」
ユウキ「そうそう、魔女さんよ」
カルラ「あ、あんた達・・・なにするつもりなの!?」
キルシュ「決まってるだろ、お前を魔女として、王宮警護団へ連れて行く。要は魔女を連れていきゃ、賞金はくれんだから、中身は別に誰だって構わないよな、なあ、魔女カルラ」
カルラ「あ、あんた達・・・仲間を殺しといて、さらに仲間のあたしまで売る気!?」
キルシュ「賞金1000万ゼニーだぜ。もう冒険者やらなくても遊んで生きていけるんだ。魅力的だろ?」
ユウキ「仲間ったって、なあ。彼女もいない俺達の前でイチャイチャしているお前らは、前から気に入らなかったんだよ」
かつての仲間達の、信じられない言葉が続く。
ユウキ「トリスとスティンもついでに殺っといたよ。人数は少ないほうが、分け前も増えるしな」

こんなやつらのために。
わたしの、わたしのクロードが殺された。
カルラの目から熱いものがこぼれ落ちる。ただし、今度は悲しみの涙だ。

キルシュ「んじゃあな、魔女カルラ。せいぜい、処刑方法が苦しまないですむようなものであることを祈っているよ」








そして、魔女の公開処刑の日。

公開処刑場の観客席は、多くの群衆で埋まっていた。
皆、口々に魔女への呪いの言葉を吐いている。

その、魔女カルラ当人は。
処刑場の中央、高くそびえたった十字架に磔になっていた。
執行人「今から魔女の処刑を始める!!皆の者、矢をつがえーー!」
矢を持った兵隊が10人、魔女に向かって弓を構える。
魔女の足元には枯れ枝がたくさん積まれている。
矢で射殺した後、火をつけて完全に燃やしてしまうのだろう。ずいぶんと徹底したことだ。



魔女カルラは命乞いをするでもなく、静かだった。
カルラ(天国へ行ったら・・・またクロードに会えるよね)
そんなことを考えていた。



執行人「よし、処刑開始!皆の者、打・・・・・・」

ズドォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!


突然、処刑場が巨大な爆発に包まれた。
吹き飛ぶ執行人や兵隊達。
慌てて逃げまどう観客。
続けて二度、三度と小爆発が起こる。


カルラ「な、なに?どうしたの?」

すっかり死を覚悟していたカルラは、呆然としていた。
そしてカルラの目の前の爆煙が晴れると。
そこには、キルシュが立っていた。
カルラ「え?キル・・・」

キルシュ「よう、『リン』、待たせたな」

カルラ「く、クロード!?」

カルラに近づき、手足の紐を解いてやるキルシュ。

キルシュ「ここに来る途中、ユウキは・・・俺が片づけた。リンをこんな目に遭わせたんだから・・・ま、いいよな」

キルシュ「俺もすっかり別人になっちまったな、前の俺よりおちんちんちっちゃくなっちまったが・・・また胸コキしてくれるか?」
カルラ「うん・・・うん・・・・するよ、何度でも・・・クロード、会いたかった!!」

阿鼻叫喚の騒ぎの中、一人の魔法使いと一人の魔女が、お互いをしっかり抱き締めていた。


この日以降、魔女カルラの行方を知る者はいない。







完。
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by irekawari | 2007-04-25 08:18 | 女同士入れ替わり
魔女カルラとハンター・リン




カルラ「フフフ、その程度の力で我に挑むとは、命知らずな冒険者達だな。では、そろそろとどめをさしてやろう」
魔女カルラが禍々しい装飾の施された、大振りな魔法の杖を構える。
リン「キルシュ!今よ!」
キルシュ「よし・・・ソウルチェンジ!!」
カルラ「な、なに?」
虫の息だったはずの魔法使いがいままさに、なにかの魔法を発動しようとしている。
まだ回復する手段があったのか。
魔女は油断していて、その魔法をかわすことができなかった。
キルシュの杖から放たれた光が、魔女とリンを包む。

そしてその光が消え去ったとき。

リン「な、なんだ?何が起こったのだ?」
カルラ「ふっふっふ、目の前のあたしの顔をよーくご覧なさい!」
リン「何っ、わ、我がいる!?どうして・・・ま、まさか」
リンは自分の身体を見た。
リン「我の身体ではない・・・あの小娘の身体だ。そうか、さっきの魔法はソウルチェンジの魔法だったのか」
カルラ「その通り!悪いけどしばらくこの身体、預からせてもらうわ!王宮直属の警護団の元へつれてってたら、元に戻してあげるから!」
リンの身体はいつの間にか既に革のベルトで体中を拘束され、身動きがとれない。
リン「お、おのれ、この魔女カルラを罠にはめるとは・・・覚えておれ!」




その日の夜、王都より少し離れた中規模の町・ザウートの、とある宿屋の中。
男達が皆食事している中、女が一人、食事の手を止め、さっきから手鏡の中をみつめては溜息をついている。
カルラ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
キルシュ「なあ、リンのあの溜息、今日何回目だ?」
クロード「んー、140回目だったと思う」
トリス「げ、お前数えてたのかよ!暇人というか、さすがリンの恋人というか、よく見てるよな」
ユウキ「いーよな、恋人いるやつは。俺も早く賞金の分け前もらって、装備をレアモノで固めて、きれーなお姉様方をナンパしに行きたいぜ」
トリス「そういえばスティンのやつは?どこいったんだ?」
キルシュ「あ、あいつは今魔女の見張り」
カルラ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
キルシュ「おーいリン、いや今は魔女カルラって呼ぶべきかな?メシ食わないと、冷めちまうぞ?」
リン「キルシュ!冗談でもそんなこと言わないでよ!私は仕方なくこの作戦にのってあげたんだからね!それともっかい聞いとくけど、私たちの身体、ちゃんと元に戻るんでしょうね?」
キルシュ「だーいじょーぶだって。魔女にソウルチェンジかけたときも、むちゃくちゃ上手くいっただろ?俺を信頼しろよ。明日になって王宮警護団のところにお前と魔女を連れて行って、そこでもっかいソウルチェンジかければ、めでたくミッション・コンプリートだ。魔女にかけられた賞金1000万ゼニー山分けはもう目の前なんだぜ?」
カルラ「そりゃ私も賞金に目がくらんだけど・・・たった1日でも、こんなオバサン顔になるのが私は我慢できないのよ」
クロード「オバサンって、ひでえ言い方だな。噂では、魔女の年齢は37だそうじゃないか。リンの親御さんもそれくらいの年じゃないか、お前、自分の母親をオバサンって言ってるようなもんだぞ」
カルラ「母さんは関係ないじゃない、例えがヘンよ。なによ、クロードったら、自分のかわいー彼女が急に年をとっても、なんとも思わないの?」
クロード「別に。俺はリンが好きだから、リンがどんな姿してようが、俺のリンを好きな気持ちに変わりはないし」
カルラ「ぶっ!!」
キルシュ「ひゅーひゅー♪」
トリス「またノロケか」
ユウキ「うおおおお!俺だって、いつか彼女を・・・!」
カルラ「ばっ、ばか、クロードったら。こんなとこで言わないでよ」
キルシュ「よかったじゃん、リン。もし元に戻れなくても、クロードは嫁にもらってくれるってさ」
カルラ「だから、冗談でも元に戻れないとか言わないでったら!」





そして、皆の食事も終わり、すっかり夜も更け、魔女の見張り当番がスティンからトリスに変わった頃。
見張りのトリス以外は皆、それぞれの個室で眠りについていた。

そして、ここはクロードの個室。
クロードはベッドの上にシーツをかぶって寝ている。

コンコン。
カルラ「クロード。私」
クロード「ん?リンか?」
聞き慣れた声とは少し違うが、そういえばあいつは今魔女と入れ替わっているんだっけ、と思い出し、クロードはベッドから降りて扉のところまで行き、カギを開けた。
カルラ「ねえ、入ってもいい?」
クロード「ああ、いいぜ。なんだよ、眠れないのか?」


クロード「今のリンはその身体だからな。今晩は来ないと思ってたぜ」

カルラ「ねえ、胸コキしたげよっか?」
クロード「ぶはっ!!!」


クロード「い、い、いきなり何言い出すんだお前は!」
カルラ「胸コキ好きでしょクロード?」
クロード「うん胸コキはいいな俺はむしろフェラより胸コキのほうが興奮するというかって何言わせるんだ!そういう問題じゃないだろーが!」
カルラ「どんな問題なのよ?」
クロード「今のリンは魔女カルラの身体だろーが!今のお前にそんなことしてもらったら、要は俺が他の女を抱いたことに、つまり浮気したってことになるだろ!」
カルラ「いいよ、べつに、私は納得してるし」
クロード「俺が納得してない!明日になりゃ、リンは元の身体に戻れるんだから、元に戻ってからいっぱいすりゃいいじゃねーか!」
カルラ「だってクロード、胸おっきい子好きでしょ?」
クロード「・・・・・・・・・・・」
カルラ「今の私、胸おっきいよ?」
カルラがバスローブをはだけると、カルラの超巨乳が露わになる。
ビクン!
それだけで、クロードのアソコが天を突いた。
カルラ「ほら、勃った」
クロード「・・・・・・・・・・・」
クロードは顔を真っ赤にしてアソコを必死に押さえている。


カルラ「今日昼間、今の私の身体・・・魔女カルラとみんなで戦っていたとき、クロード、チラチラ魔女の胸見てたでしょ?おっきいもんね、この胸」
カルラが自分の胸をむにゅむにゅと揉む。
カルラ「町の中を私と歩いていても、クロード、ときたま胸のおっきい子を視線で追いかけたりしているよね?」
クロード「・・・・・・・・・・・」
カルラ「私は、胸ここまでおっきくないけど、まあ、普通かな。クロードも私の胸、優しく揉んでくれるし、乳首攻めてくれるし。胸コキしようもんなら、気持ちよくイッてくれるし。でもさ、私よりもっとずっと、おっきい胸の子のほうが、クロードをもっと気持ちよくさせれあげられるんなら・・・私は、私はそうしたいんだ。だから・・・ほら、おちんちん出してよ。このぐらいおっきかったら、1回ゆすっただけで、クロード、気持ちよすぎてイッちゃうと思うんだ」
クロード「・・・・・・・・・・・」
クロードのいるベッドに上がってきて、クロードのパンパンにふくれあがったズボンをおろそうとしているカルラを、クロードはぎゅっと抱き締めた。
カルラ「クロード?」
クロード「リン、ごめんな。俺の変な趣味のせいで、お前を悲しませちまっていたな」
カルラ「わ、私は・・・別にそんな・・・クロードが胸おっきい子のほうがいいなら、私は・・・」
クロード「リン、ごめん。もう、町で胸おっきい子みつけても無視する。魔女の色気にも惑わされない。俺は、胸コキが上手だからとか、そんな理由でお前が好きになったんじゃない。お前が、お前だったから、俺はお前を好きになったんだ」
カルラ「私の胸じゃ、クロードのおっきなおちんちん、ちゃんと挟めないよ?」
クロード「かまわねーよ、それがリンの胸だったら、それが俺にとっての一番だ。もっと気持ちよくなりたかったら、中に突っ込ませてもらうよ」
カルラ「あはは、クロードったら、わけわかんないよ」
カルラの目から、一筋の熱い涙がこぼれ落ちる。

カルラは、いやリンは、この日初めてクロードと心から一緒になれた気がした。
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by irekawari | 2007-04-24 23:55 | 女同士入れ替わり
灼熱の料理人
クッキングファイター・ダイゴ

第48話「最終章・其の一 ダイゴよ気付け!!罠に堕ちたメイリン」
(全4回のうち4回目)





メイリン「はぁぁぁぁぁぁぁ」
とっさに思いついた作戦が成功したのは良かったが、ダイゴのあまりの変わりっぷりに、ちょっと気圧されてしまい、精神的に少し疲れ、思わず気の抜けたような声を出してしまった。
ダイゴは料理が生き甲斐だから、料理に関することを言えば、気をひくことができると思って言ってみたのだが、あまりにあっさりと、あまりにもうまくいったので、かえって拍子抜けしてしまった。
しかし、これでダイゴの興味は完全に料理に移った。もう、完全に壁の向こうの宮内玲子を、本物のメイリンのことを気にしていない。
メイリンの目の前でダイゴに告白し、ダイゴを自分のものとすることで、メイリンに絶望を味あわせてやる計画は失敗したが、まあ、これはこれでいいだろう。
どうせあの女は、これから死ぬまで永遠に地下暮らしが続くのだ。
もう会うこともない。
これからは、この私がメイリン=シャミーなのだ。
メイリン「ふふふっ、じゃあね」
メイリンは壁の向こうの宮内玲子に向かって、最後の挨拶をし、ダイゴを追ってトレーラーの入り口に向かった。




メイリンがトレーラーの荷台から出て、地面に下りると、もうかなり日は傾いていた。
辺りの景色が、夕日を浴びてオレンジ色に染まっている。

ダイゴ「メイリン、早く乗れ!店まで、全開スピードで帰るぞ!」
トレーラーから降りたすぐのところで、ダイゴが自転車にまたがり、メイリンに向かって後ろの荷台をむけ、自分は顔だけ振り返った状態で待っていた。
メイリンは自転車の二人乗りなんてしたことないのでちょっと戸惑ったが、やがて自転車の荷台に横座りの姿勢で腰掛け、上半身だけ90度捻ってダイゴのほうを向き、そのまま自分の上半身とダイゴの背中を密着させ、最後に両腕で、ダイゴの筋肉質だが引き締まっている胴をぎゅっと抱きしめた。
ダイゴ「よし、とばすぞ!メイリン、しっかり掴まってろよ!!」
メイリン「え!?きゃ・・・」
ゴッ!
という、高速で自転車のペダルをこぐ音がしたかと思うと。
まるでスタントをするバイクのように、自転車の前輪が浮いた。
メイリン「きゃああああああああ!」
ダイゴ「りゃあああああああ!!」
メイリンはそのまま後ろに転倒するかと思って叫び、思わずダイゴに掴まる腕の力を強くした。が、自転車の前輪はそれ以上浮かず、ふわりと地面に着地したかと思うと、今度は後輪から白煙を巻き上げて、まるでロケットか!?と思えるほどの加速力で、前方に向かって走り出した。
もはや自転車を超越したその超スピードに、メイリンは悲鳴をあげたくなってしまったが。
腕に伝わる固くがっしりした感触と、あたたかい体温を感じていると。
ダイゴを信じていれば怖いことはなにもない。
そして、この腕をずっと放したくない、そう心の中で思った。



一方、トレーラーの荷台の中に一人取り残された宮内玲子は。

玲子「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
さっきのメイリンのごとく、玲子もまた、疲れ切った様子で、半開きになった口から気の抜けたような声を出していた。
体は椅子の背もたれに完全にもたれかかり、頭も後ろにだらんと下げ、顔は真上の、天井・・・というか頭上の巨大ヘルメットに向けられている。
玲子「あのバカ・・・あそこまで料理バカだとは思わなかったわ」
口ではダイゴをけなす言葉を言いつつも、本心ではそうは思っていなかった。単に軽口を叩いているだけである。
最後の最後で、またメイリンの策略にひっかかってしまったようなものであるのに、玲子の心はなぜか晴れやかであった。
残念ながら自分を助けるまでには至らなかったが、ダイゴはあたしに気づいてくれた。あたしがここに居るって、分かってくれた。正確には、本物のメイリン=シャミーがここにいると知っての行動ではなかったのだが、玲子にとってはそれで十分だった。
少なくとも、今は絶望は感じない。
ダイゴ当人は・・・料理に吊られて行ってしまったが、ダイゴの心は、すぐそばに感じられる。
自分はひとりじゃない。
いつだって、ダイゴと一緒なんだ。
そう思うと、希望が感じられる。
状況は決して良くなっていないが、どんな困難も障害も、乗り越えようと思える。

キスしたり、抱き合ったりするだけが人のつながりではない。
宮内玲子は、いやメイリンの心は、ダイゴとの心のつながりを今しっかりと実感していた。


コツコツ。
トレーラー内に、複数の人物による靴音がする。
そして、玲子の目の前にあった壁が、プシュッと音を立てて上昇し、天井に収納された。
さっきまで壁があったところには、5~6人ほどの黒服が立っていた。
黒服達は皆サングラスに黒いスーツ、黒い革靴といった服装で、全員が同じような見た目だ。せいぜい、背の高さが違うことぐらいしか分からない。
黒服「宮内玲子。メイリン様の命令により、お前を地下の工場に連れて行く」
黒服の集団のうちの一人が、玲子に向かって告げた。
どうやら、黒服達は玲子とメイリンを、身体のほうの名前で呼ぶように統一されているようだ。
玲子「あたしはメイリン=シャミーよ。人の名前で呼ばれたくないわね」
玲子は目の前の黒服の目を見据え、強い口調で返した。
ガッ。
次の瞬間、黒服は玲子の左頬を固く握った拳で殴っていた。
黒服「生意気な口を聞くなよ。もうお前は御門にとって単なる労働力なんだ。せいぜい、後何年生きていられるかの心配でもしていろ」
玲子は殴られた衝撃で、顔が右を向いたままでいたがすぐに正面に向き直った。その左頬には、今できたばかりの痛々しいアザがある。
玲子「痛い(いったい)わね」
玲子は目の前の、自分を殴った黒服を、上目遣いで睨みながら、吐き捨てるように言った。
黒服「生意気な口を聞くなと言ってるんだ!」
ガコッ。
今度は黒服は玲子の右頬に肘打ちを見舞った。さっきの拳のときより力を込めて。
肘打ちを食らった衝撃で、玲子の顔が大きく左を向く。玲子の右頬には、左頬と同じようなアザがついていた。
玲子はそのままの姿勢でプッと口から何かを吐いた。血だ。口の端から、血がツツーと滴り落ちる。
玲子は顔は左を向いているが、視線は目の前の黒服を見据えたままだった。
黒服「フン、地下へ連れて行く前に、御門の恐ろしさをその身に教えこんでやったほうがいいな」
あくまで反抗的な態度を崩さない玲子を見て、黒服は脅しの言葉を口にする。
玲子は身動きがとれない。
黒服は5~6人いる。
この状態でボコられたら、玲子には為す術がない。
目の前の黒服以外の黒服も、じりじりと玲子への距離を詰めてくる。
玲子「はン、御門御門言うけど、あんたらもちっぽけな下っ端のくせに。御門の名前を借りないとなにもできない腰抜け連中が、あんたらこそ偉そうな口聞いてんじゃないわよ」
黒服「なんだと・・・?」
玲子「それに御門だって、この程度の組織、あたしらの国(中国)じゃ、腐るほどあったわよ。設立して3年程度の組織じゃ、まだまだガキんちょの組織じゃない」
黒服「この女・・・」
黒服「言わせておけば!」
黒服「宮内玲子、我々は、お前を生きて地下へ連れて行け、と命令された。つまり、殺してはいけないが、死なない程度なら何をやってもいいということだ」
玲子「身動きとれないか弱い女に、大の男が寄ってたかって・・・情けない」

玲子「ねえあんた、あんた何番なのよ?」
黒服「なんだ?いきなり」
御門グループの下級構成員である黒服連中は、それぞれナンバーがつけられ、普通は名前ではなくそのナンバーで呼ばれることになる。御門と何度もやり合っている玲子は、黒服のナンバー制のことも知っていた。
玲子「何番かって聞いてんの」
黒服「そんな質問に答える必要はない!」
玲子「あっそ。別にいいけど。もう覚えたから」
黒服「なんだ、何を覚えたんだ」
玲子は左に向いていた顔をゆっくり正面に戻しながら、睨め付けるような視線のまま、口元に酷薄な笑みを浮かべてこう言った。


玲子「あんたの声」


その声はたしかに玲子の声なのだが、とても同一人物が発したとは思えないほど、重く、暗く、凄みを伴ったものだった。そこには、脅しや暴力目的ではない、ある感情が込められていた。
黒服はまるで背中にツララを入れられたかのように、全身をビクリと震わせた。
そして激しい悪寒が全身を包む。まるで体中の生気を抜かれたかのような、異様な感覚。全身の穴という穴からは、冷や汗が出ていた。

黒服(な、何だ・・・!?中身はただの19歳の小娘だと聞いている。な、なんで俺はそんな小娘の言葉ひとつでここまで震え上がっているんだ・・・!?)

玲子「たとえ黒服が千人同時にしゃべってたって聞き分けてあげるわよ。ここ(御門)をブッ潰すときに、ちゃんと『お礼』しなきゃね・・・あたしの頬を二度も殴ってくれたあんたに、ね」

玲子「ねえねえあんたら、『漆黒の凶星』って名前、知らないでしょ?」
黒服「・・・・・・・・」
黒服達は本当にその名を知らないため、正直に、無言で首を左右に振った。

玲子「でしょうね。知らなくて当然よ、知ってたら・・・」



玲子「あんたら、今ごろここにいないから」


玲子「それとあんた、今から首の骨、鍛えていたほうがいいわよ?」
玲子は目の前の、自分を殴った黒服に向かってなおも続けた。
首を少し傾け、さらに首を少し捻って首にかかる髪を後方に流し、「首」をさらけ出して強調して相手に見せながら。
玲子「あたしが『お返し』するとき、一撃で逝きたくはないでしょ?」



その後、黒服達は無言でトレーラーの荷台から出て行った。
玲子に暴力をふるう者や、言葉を発する者すらいなかった。
黒服達が出て行った直後ぐらいに、ドルンとエンジン音がした後、ガタガタと車内が揺れ始めた。
どうやら、トレーラーが発進したらしい。
この車内の揺れがおさまったら、そこが奴らの言う御門の地下工場なのだろう。

敵の中に飛び込めるのなら願ってもない。
いい加減イライラもたまっているので、ちょっと発散してもいいだろう。
この際だから、徹底的に叩いておこう。

玲子「・・・・はっ!」
玲子は頭をぶんぶんと左右に振った。危ない考えを頭から追い出そうとするかのように。
玲子「いけないいけない、すっかり昔のあたしに戻ってたわ。日本に来てからは大人しくしようと思ってたのに」


玲子がさっき言っていた「漆黒の凶星」、それは玲子、いやメイリン=シャミーが中国に居た頃の、彼女の通り名である。
ただし、彼女自身が名乗っていたわけではなく、裏世界の住人がメイリンに対して勝手につけた名前である。
3年前に日本に来るまで、ダイゴとメイリンは生まれ故郷でもある中国に居た。
ダイゴは熱血直情行動派なので、とにかく後先を考えず行動する。特に、料理が絡むとそこにどんな障害があろうと、お構いなしに突き進んだ。時には、中国の裏社会の住人の反感を買うこともあった。そんなとき、ダイゴは得意の武術で、自分の行動を邪魔する者を叩き潰していた。ほとんどの場合、ダイゴの考え無しの行動が原因なのだが、別に彼は暴力を振るいたいわけではない。ただただ、美味い料理、美味い食材を追い求めているだけなのだ。ただ、そのダイゴの暴走が、裏社会の住人にとっては「喧嘩を売っている」ととられてしまうわけで、中国全土の行く先々で、命を狙われることは日常と化していた。当然、ダイゴのパートナーとしてずっと一緒にいるメイリンも、その戦いに巻き込まれる。『気』こそ使えないものの、武術の腕前はダイゴにひけをとらないメイリンのは、数え切れない実践の中で、さらに実力を増していた。ダイゴと共に、死にかけたことも一度や二度ではない。生きるか死ぬかの死線を乗り越えていく中、メイリンはその道のプロをも上回る力を身につけていた。
こうして、裏社会のいくつもの組織が、ダイゴとメイリンによって潰されていった。2人の驚異の力に、裏社会の住人達は戦慄し、いつしか、誰からともなくダイゴとメイリンを、ある通り名で呼ぶようになった。
ダイゴは、表社会でも使われている、「灼熱の料理人」がそのまま使われた。
メイリンは、ほとんど常に黒色のチャイナドレスを着て行動していた(このチャイナドレスは、メイリンの母親の形見である)。
そのため、裏社会の住人はメイリンのその服の色と、彼女が自分たちの組織に凶事をもたらすことから、『漆黒の凶星』と呼ぶようになった。

「灼熱の料理人」と「漆黒の凶星」のペアは中国の裏社会で恐れられていたが、一方で、裏社会の住人の中にもダイゴの料理の腕に惚れ込んで、ダイゴとメイリンに味方して、危ないところを匿ったりする者もいた。彼ら協力者のおかげでダイゴ達が命を狙われる機会も少しは減ったが、それでもやはり限界はあった。
そこでダイゴは中国を出ることにした。理由は2つ。一つは中国の裏社会で自分たちが危険な存在になっているため、そのほとぼりをさますため。もう1つは、まだ見ぬ世界の未知の料理を体験するため、であった。
そして3年前、中国を出たダイゴ達が新たな新天地として選んだのが、ここ日本だった。ダイゴはメイリンと共に灼熱飯店という店を構え、現在に至る。

ちなみに「漆黒の凶星」という通り名、メイリン本人はもちろん気に入っていない。
年頃の女の子がそんな不吉そうな名前をつけられても嬉しいはずがない。
なので、これまでメイリンがその通り名を自ら口にしたことはなかったので、さっき黒服に向かって言った言葉が初ということになる。
玲子「あーあ、自分であの名前言うようになっちゃおしまいね。でもまあちょっとビビらせとかないと、あいつら調子に乗りそうだったし。いいわよね、別に」

玲子「決勝大会まであと一週間・・・ダイゴも、決勝で出す料理のために頑張っているんだから、あたしはあたしで、自分のできることをしなきゃね。それで・・・」
必ず、ダイゴの元へ帰ってみせる。玲子は、メイリン=シャミーは、心の中で誓っていた。







続く




後書き。

「漆黒の凶星」は、「機動戦士ガンダムSEED ASTRAY」に登場する「ジャン・キャリー」の通り名「煌めく凶星『J』」が元ネタです。
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by irekawari | 2007-04-23 00:05 | 女同士入れ替わり
灼熱の料理人
クッキングファイター・ダイゴ

第48話「最終章・其の一 ダイゴよ気付け!!罠に堕ちたメイリン」
(全4回のうち3回目)






メイリン「な、な、なに言ってるのダイゴ!?」
入れ替わりの事実に気付いたかのようなダイゴの発言を聞き、どんな男も魅了するような蠱惑的な笑みをうかべていたメイリンの表情が、引きつったようなぎこちない笑顔に変わる。
メイリン「あ、あたしがメイリンじゃなかったら、誰がメイリンだっていうのよ!?」
メイリンは平静を装い、極めて当たり前の返答をしたつもりだが、言葉がどもっているところからも、心の動揺が見てとれる。メイリンの額から冷や汗が一筋、頬を伝って流れ落ちた。

まずい。
ばれた?

メイリンは心の中でつぶやいた。
もちろんメイリンと玲子が入れ替わっていることに、である。
ここまで全て自分の思惑通りに事を進めてきたメイリン。メイリン=シャミーを拉致・拘束し、ボディチェンジで身体を入れ替え、そのまま玲子の身体のメイリンを拘束し続け、自分はメイリンになりすましてダイゴに接触、女の武器を最大限駆使してダイゴを攻め、玲子の身体のメイリンに絶望を与えつつ、自分はダイゴに告白。メイリンの若く美しい身体も、御門での地位も、そしてなにより、愛しい人の、ダイゴの愛を。全てを手に入れるはずだった。
告白の前にいきなりキスという、過剰なお色気攻撃が、さすがに不自然すぎたか。
ダイゴは恋愛面には疎い傾向があるので、いきなり言葉による告白よりは、身体のスキンシップから攻めたほうがいい、とメイリンは思い、上半身裸で胸を押しつけつつ抱きついたり、そのままキスをしたり。ここまでして、目の前の自分を「女」として意識しないわけにはいかないだろう。実際、ダイゴは相当動揺していた。自分の女としての性を十分アピールした上で、告白につなげた。流れは完璧だったはずだ。じゃあ、なぜ気付かれたのか?

いや、待て。
ダイゴはメイリンか?と疑問形で聞いている。
まだ私が宮内玲子であると、まさかそこまでは分かっていないはずだ。
なぜダイゴがこんなことを言い出したかは分からないが、入れ替わりには絶対に気付かれていないはず。
落ち着け、私。
今まで通り、メイリン=シャミーを演じていれば、問題はない。

メイリンは自分に言い聞かせた。





一方、壁の向こうの、宮内玲子は。
大切な人を、ダイゴを奪われるかもしれないという絶望を味わい、悲しみによる大粒の涙を流していた。
が、その涙も今は止まっている。
玲子「え・・・・・・なんで・・・」
玲子は眼鏡の奥の瞳を大きくまばたきさせ、少し呆けた状態で小さくつぶやく。



自惚れるわけではないが、ダイゴは、ダイゴはたぶん、私のことをす・・・す・・・好き・・・で、いてくれると思う。・・・こうして心の中で思うだけで、胸の奥が熱くなり、自分の頬がかぁっと赤くなるのが分かる。
ダイゴがあたしのことを好きかどうかについては、根拠はない。
なにをおいても料理のことが第一!で、恋愛に関することには疎いあの男のことだから、そもそも自分を「女」として見ているかどうかも怪しい。が、19年間ずっと一緒に生きてきて、その長い時間の中で、ダイゴの考えていることは、言葉ではっきり言わなくても、なんとなく肌で感じて分かるようになっていた。
料理を覚える過程で武術も習い、体つきも随分たくましくなったダイゴだが、未だに心の中は子供みたいなところがある。共に19歳となった今でも、たまに口喧嘩することもある。けど、それは表面的なことだ。子犬同士の喧嘩が単なるじゃれ合いであるように、それもコミュニケーションの一部である。
あたしも、ダイゴのことが好きだ。いつからダイゴを「男」として意識するようになったかは、もう覚えていないが、はっきりダイゴに自分の気持ちを伝えなくても、これから先も、ずっとダイゴと一緒にいられれば、それでいいと思っていた。
だがしかし。
そんなのんびりしたことは言えなくなってしまった。
あたし達が日本に来て、ダイゴが御門と料理勝負するようになってから知り合った、御門の社員の宮内玲子さん。その玲子さんが、なんとダイゴのことを好きだという。
そのことを玲子さんの口から・・・正確には「あたしの口」からなのだが、まあそれはおいといて・・・聞かされたのが、ついさっきのことだ。
あたしは驚いた。あんな料理バカのどこがいいのかと思ったが、それを言えばあたしも同じだ。人のことはいえない。
それと、もう1つ驚いたことがある。玲子さんとダイゴは、これまでにも何度も会っている。あたしも、恋愛に敏感なわけではないが、恋する女同士として、しかも、好きな人が同じであれば尚更、玲子さんのその気持ちに気付くはずである。でも、それまでの玲子さんからは、ダイゴのことが好きだという気持ちは感じられなかった。ということは、今までは他人に悟られぬよう、自分の気持ちをひたすら抑えていたことになる。ダイゴと会うときも、極力「仕事」と割り切って接触していたのだろう。好きな人を目の前にして、自分の気持ちを隠さなければいけなかった理由についてはよく分からないが、同じ女として、その辛さは十分に分かる。だが、玲子さんはその隠してきた気持ちを、意外な方法で披露してきた。
それが、この変な機械であたしと身体を入れ替えること、である。
中国にいたときも、いいかげんいろんな大変な目に遭ってきたが、さすがに身体をそっくりそのまま入れ替えられる、なんて体験は初めてだ。今、自分が玲子さんの身体になっていることも、現実に自分の手足が、顔が、身体が、玲子さんのものになっていることを目の当たりにしても、まだ少し実感がないぐらいだ。
しかし、ほとんど間をおかずに、身体が入れ替わっていることをイヤでも実感せざるを得なくなった。
あたしは玲子さんの身体のまま、この密室に閉じこめられ、あたしの身体になった玲子さんはあたしになりすまして、あたしを助けに来てくれたダイゴに、抱きついた。
そして、キスをした。
本当のことをいえば、玲子さんに少し、いやかなり黒い感情を持った。
自分のファーストキスをとられたこと・・・というよりは、あんなにあっさりと、ダイゴにキスしたこと。自分の気持ちをダイゴにストレートにぶつけているという、同じ女として羨む気持ちや、反発心。そして、身体を入れ替えてまで、「あたし」になりすましてそれらのことをしているという、明らかに「悪意」を持ってのそれらの行為に。
胸の奥にどす黒い感情が沸き起こる。
その瞬間、たしかにあたしは玲子さんを憎んだ。
しかしすぐに、憎しみとは別の感情が、あたしの心の中を覆った。
胸が張り裂けそうな思い。自分が自分でなくなりそうな、そんな果てしない絶望感。
ダイゴが誰かのものになってしまうなんて、考えたこともなかった。壁一枚隔てた向こうで、ダイゴは、玲子さんのものになろうとしていた。あたしの姿をした、今やあたし本人となった玲子さんによって。
いやだ。
いやだ。
聞きたくない。
あたしは、あたしはダイゴの気持ちが、分かる、分かるつもりだ。
ダイゴもきっと、少なからず、あたしのことを思ってくれているはず。
あたしが、自分の秘めた想いをダイゴに伝えたら。
その手の話題に慣れていないダイゴのことだ、顔を真っ赤にして、あたふたするに違いない。
もしくはそっぽを向いて、照れ隠しのために適当な軽口を叩くかもしれない。
しかし、ダイゴなら、きっとあたしの思いを受けとめてくれるだろう。
何度もいうが、それはあたしの自惚れかもしれない。
根拠もない。
確信もない。
言葉で確かめたわけでもない。
けど、あたしには分かる。言葉では上手く説明できないが、あたしはダイゴのことがすべて分かっているつもりだし、これからも、ダイゴのことを一番分かってあげられる存在でいたい。
そんなあたしだから、もしあたしがダイゴに告白すれば、ダイゴがどんな返事を返してくれるかも分かる。
それは、あたしにとってこの上ない喜びを感じる言葉であるはずなのに。
今この状況で聞かされたら。
もちろん、その言葉を向けられているのはあたしではない。あたしの身体の、あたしの姿をした玲子さんに向けられている。
ダイゴが、あたしではない他の女に、あたしではないはずのあたしに。

「好きだ」と言ってしまったら。

待ち望んでいたはずのその言葉は、もはや死刑宣告でしかない。
考えたただけでで目の前が真っ暗になる。心を闇が覆い尽くす。
大げさなようだが、今の自分が在るのは、ダイゴがいるからだ。ダイゴが傍にいること、それが自分にとっての普通である。ダイゴのいない生活など考えたこともない。ましてや、他の女のものになることなど。
ダイゴのいなくなった世界で、あたしは生きていけるのか。他に好きになれる人を探すとか、生きる方法はいくらでもあるだろう。が、今はそんな心の余裕がない。

そして目の前では、今まさに、あたしではないあたしが、ダイゴにその想いを伝えようとしていた。
何も考えられなかった。
叫ぶしかなかった。
苦しくて苦しくて、やがてあたしは現実から目を逸らした。

自分のすぐ近く、壁の向こうで起こっている最悪な出来事を認めたくなくて。子供が駄々をこねるように、何も見ない、何も聞かないことにして、現実を拒否しようとした。
しかし、あたしにとって最悪なその言葉は、最後まであたしの耳に届くことはなかった。
ダイゴが止めたのだ。
令子さんの、好きという告白を。



ダイゴが、目の前のあたしがあたしじゃないって、気づいてくれた?
宮内玲子の心の中に、かすかな希望の灯がともる。
だがしかし、同時にまだ半信半疑でもあった。
入れ替わりの事実を知らないはずのダイゴが、なぜそんな質問をするのか?
まだ分からないことだらけだ。
玲子は目の前のモニターに映るダイゴの姿と、スピーカーから聞こえてくる音声に神経を集中した。




ダイゴ「あ、いや、うん・・・そうだよな、メイリンがメイリンじゃないはずないよな」
逆にメイリンから問い返されたダイゴは、メイリン以上にしどろもどろになっていた。
メイリン「あ、当たり前よ・・・そ、それより、さっきの続きなんだけど・・・」
メイリンは少し怒ったふりをしながら、告白の続きをしようとする・・・が、ダイゴが腕を伸ばしたまま自分の肩をがっちり掴んでいるものだから、再び抱きつこうとしても身動きがとれない。
メイリン「ちょっとダイゴ、痛いから・・・腕、離して」
別にダイゴは力を込めているわけではないので本当に痛いわけではないのだが、こうしてくれないといつまでも離してくれなさそうなので、あえて口にしてみた。
ダイゴ「あ。悪い悪い」
ダイゴはようやくメイリンの肩をつかんでいた手を離した。
身体が自由になったので、メイリンはまたダイゴに抱きつこうとしたが、当のダイゴが、さっきから目が泳いでいるし、なにやらあたりをきょろきょろ見回していて、心ここにあらず、といった感じで、完全にそんな雰囲気ではなくなってしまった。
メイリン「ねえダイゴ、いったいどうしたの?今のダイゴ、ちょっと変よ?」
せっかくの告白のチャンスがフイになってしまい、メイリンはちょっとふてくされながらダイゴに聞いた。

ダイゴ「あ、いや。なんかこの中にさ、メイリンがもう一人いるような気がしてならないんだ」
ダイゴはトレーラーの中をぐるりと手で指し示すような仕草をしながら答えた。

メイリン「えっ、も、もう一人!?」
メイリンは、さっきのダイゴの質問のときと同じぐらい、ドキリとした。
ダイゴがものすごく核心をついたことを言ったからだ。
もう一人のメイリン。
それはすなわち、この壁1枚隔てた向こうにいる、宮内玲子の身体をした、本物のメイリン=シャミーのことだ。


玲子「も、もう一人のあたしって、ダイゴ、まさか本当に・・・あたしに気づいている!?」
ダイゴの声をスピーカー越しに聞いていた玲子もまた驚いていた。
まだ半信半疑だった気持ちが、だんだんと確信に変わっていく。



ダイゴ「自分でも変なこと言ってると思う。でも誰かが居るのを感じるんだ。メイリンはここにいるから、それはメイリンじゃない他の誰かなんだろうけど・・・すごくメイリンに似た、もう一人のメイリンのような『気』を感じる。その『気』の持ち主は、俺にとってすごく大切な存在のような気がするんだ・・・」
ダイゴは、言っている内容はすごく不確かな内容だったが、その口調は力強く、はっきりしたものであった。

メイリンはようやく理解した。
武術の達人でもあるダイゴは、人が誰でも持っている潜在エネルギー、『気』を扱うことができる。そして、『気』を扱う者であれば他人の『気』をも感じることができる。
メイリン自身は、体術に関しては護身術を習得している程度で、自身は『気』を使うことはできないが、一応知識として『気』のことは知っている。そして実際、ダイゴが『気』を使って戦っている場面を何度か見たことがある。
間違いない、ダイゴは、『気』を感知する能力を持って、壁の向こうに閉じこめられている宮内玲子の身体の中の、メイリンの存在を察知したのだ。
まずい。
事態は、メイリンにとって、不利な状況になりつつあった。


壁の向こうの玲子も、ダイゴの発言から、ダイゴが自身の『気』を感じ取って、自分の存在に気づいてくれたことを理解した。
しかし、どうやって自分をみつけたか、という理由よりも、自分に気づいてくれた、ただそのことがなによりも嬉しかった。
世界が暗闇に覆われるような圧倒的な絶望の中で、ダイゴが、ダイゴだけが、あたしに気づいてくれた、分かってくれた。
もうそれだけで胸がいっぱいだった。
玲子「ダイゴ・・・」
一言、大切な人の名前を呼ぶだけでせいいっぱいだった。
目が熱い。
涙腺がゆるむ。
ついさっきまで悲しみの涙を流していた目からは、また新たに涙があふれ出していた。
しかしそれは悲しみによるものではなく、世界で唯一、ダイゴだけが自分のことを分かってくれたことに対する、嬉しさからだった。


メイリン「ちょ、ちょっと待ってよダイゴ。黒服はあらかたやっつけちゃったんでしょ?このトレーラーの中に、「誰か」なんているわけないじゃない!」
メイリンが必死に抗議する。
ダイゴ「悪いメイリン、ちょっとの間、静かにしていてくれ」
ダイゴは目を閉じ、呼吸を整え、足を少し開け、右の手のひらを前方に突き出すような姿勢をとった。
意識を集中し始めているダイゴ。どうやら、さっきのメイリンの抗議も、ほとんど聞いていなかったようである。
ダイゴは、これと決めたら少し頑固なところもある。
そんなダイゴの性格をよく知っているメイリンは、これ以上ダイゴに何を言っても聞かないだろうことを悟った。
ダイゴは右手をかざしたままトレーラー内を少し歩き回った後、トレーラーの一番奥の壁の前で足を止めた。
ダイゴ「こっちだな・・・ここ・・・この壁の向こうに、誰かの『気』を感じる・・・すごく懐かしいような、落ち着くような・・・そんな波動を感じる」
そこまで言って、ダイゴはかざしていた右手を下ろし、目を開けた。
メイリン「くっ・・・」
メイリンは歯噛みした。
ここまでうまくいっていた計画が、すべて台無しになろうとしている。
ダイゴはもう、壁の向こうに誰かが居ることを確信している。
厚さ50センチのこの壁は簡単には破られないはずだが、ダイゴなら、どうにかしてぶち破ってしまうだろう。
壁の向こうにいる私、宮内玲子の身体をしたメイリンを発見したら、もう騙すことは出来ないだろう。
ダイゴに救出されたあの女が、これまでの経緯を全部ダイゴに話したら、それで終わりだ。
そんなことになったら、いくら私でも、これ以上誤魔化すことはできない。
メイリン「ちっ・・・」
メイリンは今度は舌打ちをした。
こんなことなら、変にあの女への復讐を考えずに、さっさとあの女を地下にブチ込んでやればよかった。
もしくは、せめてあの女を眠らせるとかしていれば、仮に私の身体が発見されても、なんとでも言い訳はできたのに。
メイリンは激しく後悔したが、それこそ後の祭りである。


玲子が見ている壁のモニターの画面いっぱいに、ダイゴの姿が映る。
どうやら、このモニターに映像を送っているカメラは、壁をはさんで、ちょうど向こう側、つまりダイゴにとっての目の前の壁についているらしい。そのカメラはよほど小さくて、外からはわかりにくいのだろう。
玲子「そうよ、ダイゴ、あたしはここよ!」
声は向こうには届かないと分かっていても、呼びかけてしまう。大切な人が、そこにいるから。
さっきまで感じていた絶望は、もう玲子の心の中にはなかった。

ダイゴ「よし、今からこの壁をぶち破る」
ダイゴがとんでもないことを言っている。
どうやら本気でこの壁をぶち破る気だ。
メイリン「ねえダイゴ、もうやめてよ!あたしはこうして無事だったんだから、もういいじゃない!そんなことしたって、なんになるの!?」
メイリンは両腕と両手を開きながら、無駄と知りつつも、それでも抗議の言葉を続ける。
ダイゴ「俺が納得できないんだ。大丈夫、すぐ終わるって。危ないから、ちょっとどいてろよ」
ダイゴはメイリンに向かって少しだけ振り向き、左手の手のひらで「下がってろ」の合図をした。
メイリン「ちょっ・・・」
メイリンがなおも抗議しようとしたとき。
ダイゴは正面の壁に向き直り、腰を少し落とし、腰のところで両手の拳を握り、構えをとった。
ゴオッ!!
その瞬間、ダイゴを中心に、目に見えない「力」の波動が放出され、トレーラー内の大気が震えた。
その目に見えない「力」を感じたメイリンは、思わず数歩後ずさってしまう。
ダイゴ「はあああああああああああああああああ!!」
ダイゴは瞬間的に自分の中の『気』を高めた。そしてそれをさらに増幅していく。
ダイゴ「おーい、そこに誰がいるか知らないが、できるだけ上のほうをぶち抜くから、ちょっとしゃがんでろよ!」
ダイゴは『気』を高めながら、壁の向こうにいる誰かに向かって、できるだけ大きい声で呼びかけた。


玲子「しゃがめったって!身動きとれないのよ!!」
壁の向こうで玲子が反論した。
玲子は未だに、椅子に金属ベルトで手足を固定されていて、身動きできない状態である。
椅子に座っているので、姿勢は低いといえば低いほうなのだが。下手をすれば、ダイゴが壁をぶち破ったときの衝撃に巻き込まれるかもしれない。
しかし、ダイゴほどの力量なら、『気』を探る力で、相手のだいたいの位置はつかめているだろうから、壁の向こうの相手に、衝撃が行くようなことはしないだろう。
玲子はダイゴを信じて待った。ダイゴなら、きっとあたしを助けてくれる、そう信じて。



メイリンは考えた。
あともう少しでこの壁は破られる。私の考えた計画も、全て水の泡になる。
入れ替わったこの身体も、元に戻ってしまうだろう。
そうなったら、私とダイゴの関係はまた逆戻りだ。私が御門に属している以上、ダイゴとは仕事の中の、ごく限られた時間しか会えない。私がダイゴへの恋で苦しんでいるときに、あの女はダイゴにべったりとまとわりついているのだ。そしていずれ、ダイゴはあの女のものになってしまうだろう。
そんなのは耐えられない。
またあの苦しい思いを味わうのか。
ダイゴにまとわりつく、害虫のようなあの女を、幸せにさせていいのか。
だめだ。
こんなところでは終われない。
もう時間もない。
ダイゴが、あともう少しでこの壁を破ってしまう。
考えろ。
考えるんだ。
なにか、なにか邪魔ができればいい・・・



ダイゴ「っはああああああああああああああああ!!よっしゃ!!」
『気』が完全にたまったダイゴは、その『気』を右の手のひらに集め、今まさに、目の前の壁に向かって一撃を放とうとしていた。
ダイゴ「いっくぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
ゴォォォォン!!
ダイゴが左の足でトレーラーの固い床に力強く踏み込み、壁に向かってその『気』を一気に全放出しようとした、
そのとき。



メイリン「ダイゴ、決勝大会で使う料理のアイデア、今浮かんだの!!」



ダイゴ「!!!!」



玲子「へ?」



メイリンが、今まさに壁に向かって渾身の一撃を放とうとしていたダイゴに向かって叫んだ次の瞬間。
ボシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
という、蒸気が抜けるような音がして、さっきまでダイゴが極限まで高めていた『気』が、一気に拡散、消滅した。

メイリンは、自分の胸に両手を当てた状態で動きをとめている。
叫んでみたものの、この後自分でもどうしていいか分からない状態のようだ。

ダイゴは、腰を落としたまま、壁に向かって手を伸ばし、一撃を放とうとしていた姿勢のままで固まっている。

玲子は、目を大きく見開き、口をぽかんと開けている。
なにか信じられないことを聞いたような、放心状態のような表情である。


ダイゴ「ほ、本当かメイリン!!??」
メイリン「ひぁっっ!!!!」
メイリンは、突然自分の前にダイゴの顔が現れ、しかも大声で叫ばれて、素でびっくりし、素っ頓狂な声をあげてしまった。

ダイゴは構えを解き、メイリンのほうを振り向いたかと思うと、神速の速さでメイリンに近づき、彼女の肩をがっしりつかんで、さっきの言葉をかけたのだ。その移動スピードがあまりにも速かったため、メイリンにはまるで突然目の前にダイゴがワープしてきたように思えたのだ。

ダイゴ「どんなのを思いついたんだ、メイリン!?俺が三番目に考えていたアレか?それとも先週旅に出ていたときに教えてもらったアレか?ひょっとして、メイリンが考えてくれていたアレとかコレとかソレで、別の方法のがあったのか!?」
メイリンは、目の前の、ものすごい勢いの早口でしゃべるダイゴの、その目に、
まるで灼熱の炎のように燃えている。
気がした。
メイリン「えっと、あの、その・・・ね」
メイリンはダイゴの燃えさかる炎のような気迫に圧倒され、すぐには何を言っていいか分からなかったが、すぐに冷静さを取り戻し、次の言葉につなげた。
メイリン「ま・・・前の御門との試合で使った、鴨の料理!あれの、別の料理方法を思いついたの!!」
メイリンは、いや宮内玲子は、料理人ではない。が、御門グループの料理部門の広報係として、並みの料理人と同じ、あるいはそれ以上の料理知識を持っていた。そして、今まで御門が関わってきた料理大会で使用された料理は、御門が直接作った料理以外の、敵の料理人が作った料理の内容も、レシピに至るまで完璧に記憶していた。
メイリンはそれらの膨大な料理知識の中から、ダイゴが知らなさそうで、かつ決勝大会でも通用しそうな料理をひとつ選び、口にして言ってみた。
口から出まかせを言ったのでは、料理人であるダイゴにはすぐにバレてしまう。
メイリンの、料理に関する知識が、ここで役に立った。
ダイゴ「おおっ、アレか!?アレは、俺もあれ以上の方法はみつからなかったんだが・・・どんな方法だ!?焼くのか?煮るのか?蒸すのか?それとも他の材料と合わすのか?」
勢いを止めず、まるでマシンガンのように、またも早口でまくしたてるダイゴ。
ダイゴはしゃべると同時に、顔と上半身もメイリンのほうに近づけているから、メイリンはその気迫と勢いに押され、ダイゴとは逆に上半身が反り返ってしまう。
メイリン「あ、あの・・・口では伝えづらいから!!み・・・店に帰ってから、実際にやって教えるわ!」
ダイゴ「ん、そうか。実際にやりながらのほうが、俺もすぐに体で覚えられるからな。よし、じゃ店に帰るぞ!」
ダイゴはメイリンに近づけていた顔と上半身を戻し、メイリンの肩を掴んでいた手を離したかと思うと、トレーラーの入り口に向かってダッシュ、その勢いのまま、「とおっ!」とかいいながら、トレーラーの荷台から地面に飛び降りた。
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by irekawari | 2007-04-22 23:55 | 女同士入れ替わり