白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

妖精と入れ替わり

妖精入れ替わり





屈強の男剣士シドウ
村娘ルシア
妖精サニー




シドウの幼馴染みルシアは魔王復活のための生け贄の一人として選ばれ、魔王の部下達にさらわれてしまった。
シドウはルシアの母親から娘を助けてほしいと頼まれ、ルシアを取り戻す旅に出た。
元々屈強の戦士だったシドウは途中遭遇するような魔物には苦戦することもなく、順調に旅を進めていた。
そんなあるとき、シドウは魔物に食べられそうになっている、身長20センチほどの小さな妖精を助ける。
妖精の名はサニー。女性。
サニーはシドウのことを気に入り、シドウの旅に無理矢理同行した。シドウはよくしゃべってやかましい妖精を最初はうっとおしがっていたが、どんなに無視してもサニーは後をついてきたので、今は彼女が同行することはあきらめてしまっている。
妖精のサニーは非力ながらも簡単な幻惑や回復の魔法を使えるので、戦闘面でもサニーの存在は、多少なりとも役に立っていた。


シドウがサニーと二人?旅をするようになって一月が過ぎた頃。
シドウはついに魔王の城への入る方法をみつけていた。魔王の城は通常の移動方法では入ることが出来ず、空間移動の術を使って入らなければいけない。
しかし各地にある移動ポイントは魔族の厳重な警備がしかれており、いかにシドウといえど楽には突破できない。
そこで、人間でも空間移動の研究をしているというスクエア氏に会い、話を聞くと、既に空間移動の理論は完成しているらしい。あとは移動のためのエネルギー源だけだ。それには強大な魔力を秘めたルーンストーンが最適だという。
スクエア氏にルーンストーンを持ってくることを約束し、シドウとサニーはルーンストーン探しの旅に出た。

そしてさらに数日。
ついにルーンストーンの在処をつきとめたシドウだったが、それは少しばかりやっかいなところにあった。




サニー「シドウ、ホントにこんな細い穴の中にあるの?」
シドウの肩に腰かけている妖精のサニーが、すぐ横のシドウの顔に向かって話かける。
シドウ「そうだ。この装置も、この先にあると告げている」
シドウは特にサニーのほうを見ようともせず、口だけで返事をした。シドウの手にはなにやら機械のようなものが握られており、その機械の中央付近が、チカチカと点滅を繰り返している。これは、スクエア氏が貸してくれた、ルーンストーン発見器だ。ルーンストーンが近くにあると、点滅をしてその存在を知らせてくれる。

サニー「って、こんな細い穴じゃ、シドウが入れないじゃない」
シドウ「そうだな。今対処法を考えてる」
シドウとサニーの目の前には大きな岩盤があって、その岩の隙間に、シドウの拳より少し大きいぐらいの穴がぽっかり開いている。
サニー「シドウのその剣で、いつものようにグワシャーーーン!と壊しちゃえば?」
シドウ「この一帯は岩とはいってもほとんど金属に近い特殊な物質でできている。俺の剣はおろか、大賢者クラスの魔法でも受け付けないだろう」
サニー「だろうって、なに冷静に言ってるのよ!ルシアっていう幼なじみの人助けるためにここまで来たんでしょ!もうちょっと焦るとかしたら?」
サニーはシドウの肩から飛び立ち、背中の羽を羽ばたかせてシドウの顔の真正面あたりにふわふわ浮いたまま、手足をぶんぶん振って大声と身振りで懸命に抗議する。
シドウ「だから、今対処法を考えている」
しかし、小うるさい妖精に目の前で騒がれても、シドウは顔色ひとつ変えず、実に素っ気なく返事を返した。
サニー「はぁーあ、まあ、シドウが熱くなったりしない性格だってのは知ってるから、いまさらどうこう言わないけど」
サニーは両腕を広げて、「あきらめた」というジェスチャーをする。その後、なにかひらめいたのか、サニーは左の手のひらに右の拳をポンと当てて、身を乗り出すようにシドウの顔のほうへ体を接近させる。
サニー「あっそうだ、ねえねえ、ルシアのことはあきらめて、あたしと一緒になろ!そんで、あたしの里に来てよ!パパやママにシドウこと紹介したいし!あたしの里は異種族もけっこういるから、人間のシドウが来てもきっと大丈夫だって!」
シドウ「さて、どうしたものか・・・」
シドウは、サニーの熱っぽい愛の告白?もまるで聞こえていなかったかのように、ひとり考えにふけっている。
サニー「無視しないでよも~、シドウったら冷たいんだから~!」
サニーはまたシドウに怒りの抗議をした・・・が、どうせ通用しないとあきらめ、ため息を吐いた。
サニー「仕方ないわね、たまにはあたしも役に立つってところを見せてあげるわ!」
シドウ「・・・なにか考えがあるのか?」
サニー「あたしがルーンストーンを取ってきてあげる!あたしの小さい身体なら、この岩を壊したりしなくても中に入れるでしょ?」
シドウ「しかし・・・大丈夫か?見たところ、穴も深そうだ。中に何も居ないとも限らないぞ」
サニー「だーいじょーぶだって!あたしだって妖精のはしくれなんだから、なにが居てもあたしの魔法でチャッチャとやっつけてやるわよ!」
サニーは右拳で自分の胸をドンとたたき、自信満々そうに胸を張って身体を反らせた。

サニー「じゃあ行ってくるね!」
シドウ「・・・無理はするなよ」
サニーはシドウに背をみせて飛びつつ、手だけを振り返して、ルーンストーンがあると思われる穴に飛び込んでいった。

サニー「ふふん、ここはあたしのいいところを見せておいて、恩を売っておくのもいいわね。今はまだルシアって人が大切みたいだけど、いつかあたしのほうを振り向かせてみせるんだから・・・」
サニーは胸に明るい希望を描きつつ、ほとんど明かりのない穴の中を奥へ奥へと進んでいった。



サニーが穴に入って30秒ほど経った頃・・・
サニー「いやあああああああああああああ!!!!」
絶叫をあげながらサニーが穴から飛び出してきた。

シドウ「早かったな」
サニー「早かったな、じゃないわよぅ!居た、居たのよアイツが!!」
サニーはシドウの防具の胸のあたりにしがみついて、体をガクガク震わせ、なにやらおびえている。
シドウ「居たって何だ?ルーンストーンがあったということか?」
サニー「ルーンストーンもあったけど・・・その前に、居たのよアイツが!でっかいヘビが!!」


シドウ「・・・なにかと思ったらヘビか」
なにか凶悪な魔物でもいたのかと思ったシドウは、やや落胆した表情で、自分の胸にしがみついている妖精を見た。
サニー「ヘビか、じゃないわよぅ!!あたしはヘビが大っきらいなのよーーーっ!!ヌルヌルしてるわ、ウネウネ動くわ、気持ち悪いの固まりじゃない!それに小さい頃、あたしヘビに頭から食べられそうになったことがあって・・・もう、とにかく全部がダメなのよーーーっっっ!!」
シドウ「・・・ダメと言われても、今穴に入れるのはサニーだけだからな、入ってもらわないと困る」
サニー「ひっどーーーい!シドウったら、あたしに死ねって言うなんて!」
シドウ「・・・そんなこと言ってないだろう」
サニー「同じことよーーーーーっっ!!ヘビに立ち向かえってぐらいなら、あたし死んだほうがまし!」
シドウ「・・・ふう」
ただでさえ甲高い声のサニーに、こんな至近距離で喚かれて、シドウはかなり辟易としていた。
サニー「そんなにヘビが平気なのなら、シドウが行ってくればいいじゃない!」
シドウ「俺はあの穴には入れない」
サニー「もーーーーーっ、人間って不便ね、シドウがあたしぐらい小さければいいのに・・・って」
さっきまできゃんきゃん喚いていたサニーが、急におとなしくなり、なにやらはっとした表情を浮かべている。


サニー「あそっか、その方法があったわね」

またもやサニーが、左の手のひらに右の拳をポンと音が鳴るほどにたたいてみせた。
シドウ「ヘビを退治するいい方法がうかんだのか?」
サニー「へへーん、違いまーす。シドウはヘビが平気なんだから、やっぱりシドウに行ってもらうことにしたの!」
シドウ「俺はあの穴に入れないぞ」
シドウはちらりと、岩盤の隙間に出来た細い穴を見る。あの小ささでは、シドウの頭さえ通すことはできないだろう。
サニー「だから、シドウにはあたしになってもらうの」
シドウ「・・・?」
シドウはサニーの言っていることの意味が分からず、少しだけ首をかしげてみせた。

サニーは羽を羽ばたかせ、再びシドウの顔の真正面あたりまで飛び上がり、その場でふわふわと滞空している。


サニー「これ使うのは初めてだけど、まあ大丈夫よね。シドウ、あたしの目を見てて」
シドウ「・・・」
よく分からないが、シドウはとりあえず言われたまま、自分の十分の一ほどの大きさしかない体躯のサニーの、その髪の色と同じ薄い茶色の瞳をのぞき込むようにして見た。


サニー「いくわよー、チェーーーーーーーーーーーーーーーンジ!!!!」


シドウ「・・・は」
シドウはなにかを言いかけたが、それを言い終わる前に、シドウの体全体が光に覆われ、一瞬、なにも身動きすることができなくなった。
見ると、シドウの目の前に浮かんでいるサニーもまた、シドウが包まれているのと同じ色の光に、全身を包まれていた。
シドウとサニー、2人を包んでいる光は大きくなり、やがて2つの光は合わさって大きな一つの光となり、一瞬、光が爆発したようにまばゆい光を放つと、次の瞬間にはもう、シドウとサニーを包んでいた光は消えてなくなっていた。



サニー「・・・お」
宙を飛んでいたサニーは急に背中の羽を羽ばたかせているのを止めた。当然、重力に従い、体は真下に落下する。
サニー「おおおおおおおおおおお!?」
サニーは大声をあげながら、ただただ、地面に向かって落下している。あと50センチほどで地面に激突する、そのとき。
シドウ「おっと」
ぱしっ
シドウは腰をかがめ、両手を差し出して、手のひらでサニーの20センチほどしかない小さな身体を受け止めた。
シドウ「あぶないわね、羽を羽ばたかせるのをやめたら、そりゃ落ちるに決まってるでしょ」
どちらかというと強面、な顔つきのシドウが、急に女性のようななよなよした口調でしゃべった。
サニー「・・・え、お、俺がいる・・・!?」
シドウの手のひらの中のサニーは茶色の長い髪をなびかせながら身を起こし、自分の遙か上方にある(サニーから見れば)巨大なシドウの顔を見て、目を見開いて驚いてみせた。
シドウ「あそっか、あたしが飛んでいるときに入れ替わったら、今度はシドウが浮いたままになっちゃうわね。あはは、ごめんねー、地面に降りているときに入れ替わるべきだったかな」
サニー「・・・おい、俺の目の前にいる俺は、ひょっとしてサニーなのか?」
シドウ「お、さっすがシドウ、理解が早いなぁ」
サニー「・・・この状況と、お前のその口調でだいたい分かる。・・・いったい俺になにをした?」

シドウ「あたしとシドウの身体を入れ替えたの!あたしになったシドウはちっちゃいんだから、穴に入ってルーンストーンを取ってこれるでしょ?シドウなら、ヘビも平気だし」
サニー「・・・その考えはよく分かった。ならせめて、事をする前に言ってくれ」
シドウ「だって前もって言ってたら、シドウ、絶対いやだって言うのでしょ?」
サニー「いやだと言うな」
シドウ「ほらほら!まあ無理矢理だったけど、結果オーライじゃない?いやー、この入れ替わりの魔法使うの初めてだったけど、成功してよかったなー」
サニー「おい、さっきもそんなこと言ってたが・・・使ったこともない魔法を俺にかけたのか?」
シドウ「人間に使うのは初めてなの!仲間うちでなら何度かやったことあるし。それにしても、シドウったらあたしの身体になったってのに反応薄くてつまんないよー。ちっちゃくなって驚いたーとか、うお!こんなに胸があるとか言って、胸揉むとかしてくれてもいいのにー」
サニー「・・・と言われてもな・・・」





後書き。

妖精の名前は「東方三月精」という漫画作品に出てくる妖精「サニーミルク」から拝借しています。
[PR]
by irekawari | 2008-01-23 23:54 | 男と女の入れ替わり小説