白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
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王国の秘宝

王国の秘宝




エリーシア=アイギアス 姫
アルフレッド=アイギアス 王子

カトゥーシャ 魔族の女

ラクノ 妹
アスカ 兄
マーチン 父
リサ 母




アルフレッドとエリーシアの兄妹は、王城の真下、遥か地下深くにある、王族の中でも直系の者しか入ることを許されない「聖域」と呼ばれる部屋の前まで来ていた。
「聖域」は頑丈な扉で塞がれていて、中をうかがい知ることはできない。
幼い兄妹をここまで連れてきた、彼らの両親・現国王と現王妃が二人に話しかける。
王「この中には、このアイギアス王国が危機に陥ったときに我らを助けてくれるものとして、代々王家の者に受け継がれてきた。しかし、この力は強力で、絶対に使ってはならないとも言われてきておる。ワシもその力が具体的に何なのかは知らないし、滅多なことでは使うものではないと思っている。しかし、この国が本当の危機に瀕したときは、お前たち兄妹が力を合わせてこの「聖域」の中の力を使い、この国を救うのだ」
アルフレッド「はい、父上」
エリーシア「私達に任せて!」




それから十数余年の月日が経ち、アルフレッドとエリーシアは立派な若者に成長していた。
アルフレッドとエリーシアは自国の騎士団に入り、騎士としての才能を開花させていった。
二人は世界から争いをなくすため、大陸のあちこちに遠征し、無法者の取り締まりを行ったり、ときには小規模な争いに介入してその争いをやめさせたりして、平和のために尽力していた。

アルフレッド王子とエリーシア王女の活躍によって、世界に真の平和が訪れる日も近いかと思われたが。
その平和は、ある日突然破られた。

アイギアス王国は一匹の魔族の襲撃を受け、壊滅的な被害を受けていた。
伝説上の存在だと思われていた魔物が実際に存在し、しかも自分たちを攻撃してくる姿を見て、アイギアス王国の人間たちは恐怖した。
魔物の名はカトゥーシャ。性別は雌(めす)。大きな漆黒の翼を持ち、大空を自由に駆けるその魔物は圧倒的強さを誇り、人間の戦士や魔法使いをものともせず、王国中の人間に対して殺戮を開始した。
魔物が現れてから1日も経たないうちに、アイギアス王国の人口は十分の一にまで減っていた。

エリーシア「魔物が・・・私の国を襲っている!?よりによって私と兄上が遠征しているこのときに現れるなんて・・・!」
エリーシアは遠征のため、アイギアス王国から遠く離れた地にいたところ、魔物によるアイギアス王国襲撃の報を聞き、愛馬を駆って自国への帰途の道を急いでいた。





魔物・カトゥーシャはアイギアス王国の王城の城下町を襲撃していた。
カトゥーシャ「あー、つまんないなー、人間界にくればもっと面白いことあるかと思ったのに」
片手で、固い鉄でさえ簡単に切り裂く強度の爪を振るいながらカトゥーシャがつまらなさそうにつぶやく。
彼女は体の構成こそ人間に近いが、青黒い肌、黄金の瞳、背中まである長い紫の髪、衣服なのか皮膚が変化したものなのか判別がつかない黒い衣服のようなもので鎧のように体を覆い、腰の後ろ・お尻の上あたりからは自在に動くトカゲの尻尾のようなものを生やしていて、手の先の爪は刃物のような鋭い光を放っている。時々口から見える歯は、爪と同じくナイフのように切れ味鋭そうな尖ったものばかりだ。頭部には一対の角が生えており、根本から捻るように曲がりながら天に向かって伸びている。象徴的なのは背中の翼だ。コウモリの翼のような真っ黒な翼で、翼の先端にも爪がついており、彼女の禍々しい印象をさらに強めている。

マーチン「アスカ、ラクノを連れて早く逃げろ!」
リサ「お願いします、子供達だけは助けてください」
カトゥーシャ「そんなちっちゃいのどうでもいいからさ、あんたら、あたしを楽しませてよ。あんたらどうせ戦いなんて出来なさそうだし、せめてなんか面白い話してあたしを楽しませてよ。なんか面白いことしてくれたら、見逃してやってもいいからさ」
ラクノ「やだぁーーーっっ、パパ、ママーーーーっっ!!」
アスカ「バカ、ラクノ、早く逃げるぞ!父ちゃん、母ちゃん・・・ごめん!」
アスカと呼ばれた少年は妹のラクノを抱きかかえてこの場から走り去ろうとする。
カトゥーシャ「あれ?逃げる気?逃げると、あたし、かえって追いかけたくなるなぁ」
カトゥーシャは翼をはためかせて、逃げ出している二人の子供を飛んでおいかけようとしたが、何者かに組み付かれ、一瞬、身動きがとれなくなった。
カトゥーシャ「およ?」
マーチン「これ以上はいかせん・・・」
リサ「アスカ、ラクノ、早く逃げてぇ・・・」
カトゥーシャ「うーん」
カトゥーシャは指でポリポリとあごのあたりをかきながらつぶやいた。
カトゥーシャ「あんたら、面白くないよ。そんなことしてきた人間、百人ぐらい見てきた」
カトゥーシャが爪を最大限に伸ばした手を横になぎ払うと、自分の体にしがみついていたマーチンとリサの首から上が吹き飛んでなくなった。
悲鳴をあげる暇もなかった。
マーチンとリサの体はカトゥーシャの体から離れ、盛大に血を吹きだしながら地面に横たわった。

アスカ「と、父ちゃん!!!母ちゃん!!!」
ラクノ「パパ!?ママ!?お兄ちゃん、パパとママは!?」
アスカ「ラクノ!見るな!」
アスカに抱きかかえられていたラクノは自分の両親のほうを振り向こうとしたが、両親だったものが視界に入る寸前で、兄に手で目を覆われた。

ラクノ「パパとママ、死んじゃったの?」
アスカ「・・・・・・・・・ああ、そうだ!もたもたしていたら俺達もやられる、とにかく逃げるぞ!泣くんなら後で思いっきり泣け!今は、俺が絶対にお前を守ってやるからな!」
カトゥーシャ「ふーん、それが兄弟愛ってやつ?」
アスカ「う、うわあああ!!??」
アスカが走り出そうとしていた方向に、既にカトゥーシャは待ちかまえていて、アスカに話しかけてきた。いつの間にか空を飛んで、アスカを追い越していたらしい。
カトゥーシャ「そっちのちっちゃいのを殺っちゃったら、あんたはあたしに面白い反応見せてくれる?」
アスカ「や、やめろ、妹に手を出すな!」
ラクノ「お兄ちゃん!」
カトゥーシャ「うん決めた、そっちのちっちゃいの殺るわ。せいぜい、あたしに面白い反応見せてね」
アスカがまばたきひとつする間に、アスカの背後に回り込んだカトゥーシャは、鋼鉄をも紙のように切り裂く必殺の爪をラクノの脳天めがけて振り下ろした。

ガキィィィィィィィン!!

突然、金属がはじけるような音がして、真下に振り下ろしていたカトゥーシャの腕がなにかに当たり、はじかれた。
カトゥーシャ「!?」
予測していなかった事態に、カトゥーシャは一旦後方に向けて軽く飛び、着地して姿勢を立て直した。
カトゥーシャ「今の、あんたがやったの?全然気配感じなかったわ、人間にしては、凄いじゃない」
アスカとラクノの兄妹のすぐ近くに、大剣を構えてカトゥーシャに対して牽制をしている、重厚な鎧を着た女騎士が立っていた。
この国の王女にして、騎士でもあるエリーシア=アイギアスその人であった。
エリーシア「これ以上の暴虐は許しません・・・神の名の下に、あなたを成敗します」
エリーシアは牽制ではなく、相手に斬りかかる姿勢に構えを直しながら、静かに、それでいて凛とした迫力のある声音で目の前の魔物に向かって宣言をした。
カトゥーシャ「これはこれは・・・ずいぶん楽しめそうなのがやってきてくれたじゃない。こういうのを待ってたのよねー、さて、あんたはどのぐらいあたしを楽しませてくれるのかしら?」
カトゥーシャは片手の爪をわきわきと昆虫の足のようにうごめかせながら、口の端を吊り上げ、鋭い歯を何本も見せながら、ニヤリと、余裕の笑みを浮かべてみせた。
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by irekawari | 2007-09-22 23:53 | 女同士入れ替わり