白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
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結婚式当日、新妻と鬼姑の身体が入れ替わった!!

結婚式当日、新妻と鬼姑の身体が入れ替わった!!









北岡緋沙貴(きたおか ひさき)20歳 紀之の妻。
北岡紀之(きたおか のりゆき)25歳 北岡家の長男。

北岡富江(きたおか とみえ)55歳 紀之の母。





杉本緋沙貴は同じ会社の同僚の北岡紀之と知り合い、恋に落ち、お互いに愛し合うようになった。
緋沙貴は紀之からプロポーズを受け、二人は結婚することになった。
まず二人は先に籍を入れ、それから結婚式を挙げることにした。杉本緋沙貴は北岡緋沙貴になった。
結婚式を間近に控え、緋沙貴の人生は今まさにバラ色であるかのように思われた。

しかし、緋沙貴は唯一心に病んでいることがあった。
紀之の母・富江の存在である。
現在、紀之と結婚している緋沙貴にとって、富江は義理の母であり、いわゆる姑ということになる。
富江は息子の紀之を溺愛しており、嫁の立場である緋沙貴のことを毛嫌いしている。
というより、むしろ憎んでいる、といったほうが正しい。
富江は緋沙貴に対して優しい言葉をかけたりしたことがない。
掃除・洗濯・炊事と、富江はあらゆる家事に口を出しては、緋沙貴に対してネチネチといびっている。

富江は紀之と緋沙貴の結婚に最後まで反対していたが、紀之があきらめずに説得し、ようやく、了承にまでこぎつけた。
富江は結婚を認める代わりに、結婚後も一緒に住むことを条件として提示してきた。
もちろん緋沙貴はその条件を呑むしかなかった。

これからの、姑との同居生活を思うと、緋沙貴は気が重かったが、紀之は母である富江よりは妻の緋沙貴のほうを大切にしてくれていることが、唯一の心の拠り所だった。
紀之は富江が緋沙貴のことで愚痴を言ってきても、無条件で緋沙貴のことを守ってくれている。
緋沙貴は好きになった人が紀之でよかったと思い、紀之と一緒なら、富江との同居生活もなんとかやっていけそうだと思っていた。




そして、今日は緋沙貴と紀之の結婚式当日である。
二人の結婚式は、教会で行われる。
緋沙貴・紀之・富江は一緒のタクシーに乗り、現地に到着した。
緋沙貴はゆったりしたワンピースを着ており、富江は黒の着物を着ている。
緋沙貴はこれからウェディングドレスに着替えるため、教会の横にある建物の中の控え室に向かった。
緋沙貴は富江と縦に並んで、控え室に向かう上り階段を上っていた。

緋沙貴はワンピースのスカートの裾が長いため、やや上るスピードが遅い。
後ろに並んで階段を上がっている富江はそんな緋沙貴に少しイラついていた。
富江「なにモタモタしてんの、早くお上がりなさい」
富江はドンッと、少し強めに緋沙貴の背中を押した。
緋沙貴「え?あ・・・きゃっ」
背中を押され、前のめりになってしまった緋沙貴は姿勢を直そうとして背中を反らし、重心を後ろへもっていこうとした。
しかし、とっさのことであり、さらに足場の不安定な階段ということもあり、緋沙貴はバランスを崩し、後ろへ、階段の低いほうへ倒れてしまう。
富江「ああっ!」
後ろに倒れた緋沙貴は、背後にいた富江を巻き込み、そのまま二人はもつれるようにして、階段を一番下まで転げ落ちてしまった。
紀之「緋沙貴!緋沙貴!!」
緋沙貴は薄れゆく意識の中で、愛する紀之の声が聞こえた気がした。



富江「う・・・ん」
紀之「よかった、母さん、目を覚ましたんだね」
富江「紀之さん・・・?お義母さまは無事なのね、よかった・・・」
紀之「?なにを言ってるんだい、母さん。緋沙貴みたいなこと言って」
富江「え・・・?わたしは緋沙貴よ」
紀之「な、なんだって?頭を強く打ったせいかな・・・やっぱり救急車を呼んだようがいいかも」
富江「お義母さまは・・・怪我をしていないかしら」
富江はベッドから起きあがり、あたりをきょろきょろと見渡した。
紀之「母さん、まだ安静にしていたほうがいいよ」
富江「えっ」
富江は自分の隣のベッドで眠っている女性を見て、目を見開いて驚いた。
富江「わ、わたしがいるわ!!」
紀之「なにを言っているんだ、母さん。母さんは北岡富江で、僕の母さんじゃないか」
富江「紀之さん、ち、ちがうの、わたしは緋沙貴よ、あなたの妻、北岡緋沙貴よ」
紀之「な、なんだって!?」
富江「わ、わたしは一体どうなって・・・きゃあっ!!」
富江は自分の身体を見て軽く悲鳴をあげた。
富江「お、お義母さまの身体になってる・・・あああああっっ」
富江は自分の着物のあちこちを触ったり、自分の顔や腕を触ったりしている。
富江「いや、いやぁ、どうしてわたしがお義母さまに!?」
紀之「母さん、落ち着いて・・・」
富江「違う、違うの、わたしは緋沙貴よ、紀之さん、お願い、分かって・・・」
紀之「そんな・・・まさか、本当に緋沙貴・・・なのか?でも、それじゃここにいる緋沙貴は・・・」
紀之と富江は同時に、隣のベッドで眠ってる緋沙貴を見た。
緋沙貴「う・・・」
緋沙貴は少しだけ苦しそうに呻くと、ゆっくりと目を開けた。
緋沙貴「ここは・・・」
緋沙貴はゆっくりと上半身を起こした。
緋沙貴「ああ、身体が痛い。緋沙貴さん、あなたのせいですよ」
緋沙貴は顔を富江と紀之のほうへ向け、富江の姿を見て、驚いた。
緋沙貴「わ、私がいる!?」
紀之「ま、まさか・・・母さん・・・なのか?」
緋沙貴「そ、そうですよ、私は紀之の母・富江・・・でも、どうして私がそこに!?」




緋沙貴「どうやら、私達の身体が入れ替わってしまったようですね」
紀之「こんなことが・・・現実に起こるのか・・・」
緋沙貴「仕方ないですね、入れ替わってしまったからには、私が緋沙貴さんとして式に出ます」
富江「いやぁっ!!やめてください!!お義母さまがわたしになって紀之さんとの結婚式に出るなんて・・・わたし、わたし・・・そんなのいや!」
緋沙貴「あら、緋沙貴さんにしてはずいぶんはっきりものを言うのですね。そんなに私になったことが嫌なのですか?嫁をいびる鬼姑の身体なんて、まっぴらごめんとか思っているのでしょうね」
富江「い、いえ、お義母さま、そんなことは・・・で、でも、こんなの普通じゃないわ!お願いします、結婚式は中止してください」
緋沙貴「そんなことできるわけないでしょう。もうすでにお客様もたくさん集まってきているみたいですし、今さら中止になどできるはずがありません。それにもし中止するとして、皆さんにどんな説明をするおつもりなの?まさか、花嫁と姑の身体が入れ替わった、なんて皆さんに説明するのかしら?」
富江「い、いえ、そ、それは・・・の、紀之さん」
紀之「緋沙貴・・・君には本当にすまないと思うが・・・このまま結婚式は行うしかない」
富江「そ、そんな・・・紀之さん。これじゃ、今日の結婚式はお義母さまと紀之さんが結婚するみたいじゃない!今日の式は私と紀之さんとの結婚式のはずよ!せめて・・・せめて私とお義母さまの身体が元に戻ってからもう一度するとか・・・」

緋沙貴「ずっと元に戻らないままかもね」
緋沙貴は頬にかかった自分のサラサラの長い髪を片手でかきあげながら、淡々と言ってのけた。

富江「!!」
その言葉を聞いて、富江は身体をビクッと震わせた。
紀之「母さん!なんてこと言うんだ!」
紀之は相手を安心させるように、富江の肩に両手を置いて話した。
紀之「大丈夫、きっと元の身体に戻れるよ。一緒にその方法を探していこう。でも、今日の式だけは・・・我慢してくれないか」
富江「紀之さん・・・でも、でも私は・・・」
緋沙貴「緋沙貴さん、今日の式の準備だけにいったいどのぐらいお金がかかっていると思っているのですか。うちの家は、結婚式を二度も行うほど余裕はありませんよ。あなたもそんな蓄えはないでしょう。それに、式に集まってくれた関係者の皆さんに、今から帰れと言って回るのですか?そんなことしたら、今後誰からも相手にしてもらえなくなりますよ。紀之だって、会社を辞めないといけなくなるかもしれません」
緋沙貴はもっともらしい正論を並べ立てた。
富江「そんな・・・それは・・・それは分かりますけど・・・私は・・・私は・・・」
紀之「緋沙貴・・・絶対僕がなんとかしてみせる。だけど、今だけは辛抱してくれ」
富江の肩に手を置いていた紀之は、そのままさらに体を寄せ、富江の身体をぎゅっと優しく抱き締めた。
富江「紀之さん・・・うっ、うわぁぁぁぁぁぁん!!」
富江は目から涙をぼろぼろと流し、泣きじゃくりながら紀之の身体を抱き締め返した。
緋沙貴「ふん」
緋沙貴は、少し離れたところで富江と紀之の抱擁を冷めた目で見ていた。



式は予定通り行われることになった。
緋沙貴はさっそくウェディングドレスに着替え始めた。

緋沙貴と富江の身体が入れ替わったことは、とりあえず近しい親族の者にだけ伝えられた。
緋沙貴の両親は、変わり果てた姿になった自分の娘の姿を見て、涙を流し、娘と悲しみを共有した。

両親へ報告をした後、富江は涙で崩れた化粧を直すため、化粧室に向かった。
富江は、鏡に映る自分の姿を見て、改めて愕然とした。
55歳の富江は、年齢より老けてみえるため、もうほとんど老人といっていい。
富江はガリガリのやせ型で、着物の袖から出ている腕や手の甲は骨が見えそうなぐらいガリガリで、肉がない。
顔や手にはシワがきざまれており、見る者全てに中年、おばちゃん、あるいは老人、おばあちゃんという印象を与える。
さらに、その顔は自分をいじめ続けてきたあの鬼姑の顔なのだ。
その鬼姑の顔が自分の顔になっている。
自分が口を開けば、富江の口が開き、自分が目を動かせば、富江の目が動き、声を出せば、口から富江のややかすれたしわがれたような声が出る。
富江「いや・・・いや・・・これが私の顔・・・私の身体なの!?」
富江は自分の顔をごしごしと触ってみた。カサカサ、ゴツゴツとした、いやな感触が手のひらに伝わってくる。
富江は改めて自分が55歳の老女の身体になったことを実感し、絶望感を味わった。
富江(紀之さんはああ言ってくれたけど・・・もし、もし本当に元に戻れなかったら・・・一生私はお義母さまのこの身体のままなの?死ぬときも、お義母さまのこの身体のままなんて・・・)
富江はこれから先のことを考えると、絶望で頭がいっぱいになり、目の前が真っ暗になってしまうような気がした。


富江が化粧室から戻ると、控え室では既に緋沙貴がウェディングドレスを着終えて、ヴェールをつけたりメイクを整えたり、最後の仕上げをしていた。
純白のウェディングドレスを着た緋沙貴は、溜息が出るほど美しかった。
富江は自分の姿のはずなのに、ドレス姿の緋沙貴を見て、思わず数秒間見とれてしまっていた。
そしてすぐに、黒い感情が湧いてくる。
富江(どうして・・・わたしじゃないの。あのドレスを着て、今日結婚式を挙げるのは、わたしのはずだったのに。お義母さまが、わたしになってしまうなんて・・・)
ウェディングドレスを着た緋沙貴はとても美しい。しかし、中身はあの陰険で意地の悪い鬼姑だと思うと、やるせない思いが次から次へと沸いてくる。こんなことを思ってはいけないはずなのだが、憎しみの感情さえ浮かんでくる気がする。

最後の仕上げを終え、式の準備が出来上がった緋沙貴は座っていた椅子から立ち上がり、ドレスの裾をつかんで歩きながら富江のほうへやってきた。
緋沙貴「お義母さま」
富江「え・・・?」
緋沙貴「もう貴女は北岡緋沙貴ではなくて北岡富江でしょう。これから私は北岡緋沙貴として結婚式に出るんだから、もうこれからはお互いになりきらないといけないでしょう?もう、貴女のことはお義母さまと呼ぶわよ。貴女も、私を緋沙貴さんと呼びなさい」
富江「え、あ、そ、そうですね・・・ひ、ひ・・・」
富江その理屈は分かっていても、言葉に出すことができなかった。目の前の自分を緋沙貴と呼んだら、この入れ替わっている状態を、目の前の、鬼姑が入っている自分を、北岡緋沙貴だと認めてしまうことになる気がして、ためらわれた。
緋沙貴「どうしたの?早く言いなさい」
富江「ひ・・・緋沙貴さん」
でも、いつまでも身体ではないほうの名前で呼ぶわけにもいかない。富江は仕方なく折れて、目の前の自分を自分の名前で呼んだ。
のどの奥になにか熱いものがこみ上げてくる気がして、少し気分が悪くなった。
緋沙貴「そう、それでいいのよ。うっかり、事情を知らない人達の前で私をお義母さまなんて呼ばないようにね、『お義母さま』」
富江「は、は・・・い」
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by irekawari | 2007-09-16 23:37 | 女同士入れ替わり