白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
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『AKUMAで少女』 「わかつきひかる」先生

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『AKUMAで少女』
著者「わかつきひかる」先生
イラスト「高階@聖人」先生
HJ文庫
株式会社ホビージャパン





この作品には「男女入れ替わり」があります!!




この作品が男女入れ替わりであることは、
みのむーさんのブログ「みのむーのTSFな日記」を見て知りました。






あらすじ

滝沢僚(たきざわ りょう)は高校二年生で17歳。
背が低く、顔も勉強もスポーツも全てが普通という凡庸な男。
一方、僚の家の隣に住む如月ゆり絵(きさらぎ ゆりえ)は僚と同じ学校に通う、同じく高校二年生の17歳。
ゆり絵は顔は美人でスタイルもいいが、生まれつき心臓が悪く、たまに発作を起こす。ゆり絵は周囲の同情を買いたくないため、わざと強がって他者と交流しないで生きてきたため、友達がほとんどいなかった。見た目は美人だがワガママで気が強く、性格が悪い、それがゆり絵だった。
ゆり絵は幼馴染みの僚のことが好きだった。しかしゆり絵はツンデレ気質なので、はっきり好きだと僚に伝えてはいない。

ある日の夜、ゆり絵が髪を見るため鏡の前で手鏡を持って後頭部を見るという、合わせ鏡をしていた。
時間はちょうど午前二時。そのとき、なんと鏡の中からクマのぬいぐるみの姿をした悪魔・デビルベアが出てきた。ゆり絵がちょうど午前二時に合わせ鏡をしたため、たまたま魔界との通路がつながってしまい、デビルベアが人間界に来てしまった。
デビルベアが魔界に帰るには、一週間後の同じ時間にまた合わせ鏡をすればいい。
デビルベアはゆり絵にまた合わせ鏡をしてもらうようお願いするが、ゆり絵はこれ幸いにと、デビルベアに合わせ鏡をする代わりに3つの願いをかなえてほしいと伝える。
願いは「健康な身体にしてほしい」「僚は自分のことを黒い女と思っているだろうから、その誤解を解きたい」「僚のカラダをいっぱいさわりたい。僚には、自分の身体をいっぱい触られたい」の3つ。
強引なゆり絵に押し切られ、デビルベアは魔界に帰るため、ゆり絵の3つの願いをかなえてやることにした。
デビルベアが言うには、一旦寝て目が覚めると願いが叶っているという。
ゆり絵が眠り、次の日の朝に目覚めると、ゆり絵と僚のカラダが入れ替わっていた。

デビルベアは二人のカラダが入れ替われば、願いを全て叶えたことになると思ったが、そううまくはいかなかった。
僚とゆり絵が入れ替わったため、とりあえず「健康な身体になりたい」という願いはかなった。あとの2つの願いは、総合すると「二人がラブラブになれば願いが叶ったことになる」とデビルベアは考えた。

僚とゆり絵は仕方なく、入れ替わったまま生活する羽目になった。

僚とゆり絵は入れ替わったまま学校へ行った。ゆり絵は普段、クラスメイトにもキツイ態度で接していたので男子にも女子にも嫌われていた。
ゆり絵の身体になった僚は、そんな誤解を解きたくて、キツイ態度をとらず、素直にクラスのみんなに謝ってみせた。素直に謝ったことが功を奏して、ゆり絵はクラスメイトと仲良くなることができた。その中でもゆり絵は、学園のアイドル的存在である藤宮沙希(ふじみや さき)と仲良くなり、お互いに親友と呼べる仲になった。
一方、僚の身体になったゆり絵は、健康な身体になったことを喜び、校庭で運動するなどして、楽しんでいた。小さい身体で元気に動き回る僚を見て、クラスメイトたちも、僚にそれなりに好意を持つようになる。

学校から帰ってきて、ゆり絵は風呂に入ることになった。僚も一緒に風呂に入り、身体を洗う手伝いをしている。
そのとき、ちょうど僚の母親が帰ってきた。
ゆり絵はなんとかうまく隠れ、母親にみつかることはなかった。母親はまた外出していったので、僚とゆり絵は安心して風呂から出た。そこへ、忘れ物をした母親がまた帰ってきた。家に女の子を連れ込んでいるところを、母親に見られてしまう僚。僚は既成事実を作り、両親を味方にしようとして、母親に大して「将来、ゆり絵と結婚したい」と告げる。
僚の両親は普段からゆり絵を気に入っていたため、母親も父親も、僚の結婚発言を聞き、涙を流して喜んだ。

しばらく、僚とゆり絵の、入れ替わったままの学生生活が続いた。
ゆり絵は常に僚に監視されているため、一人で自分の身体を触って楽しむこともできず、不満を感じていた。

そしてある昼休み、ゆり絵は親友となった沙希と一緒に昼食を食べていた。
そのとき、たまたまゆり絵と沙希は岡下瑠香(おかした るか)が僚に告白しているシーンを目撃する。僚は、瑠香の告白をはっきりと断った。
岡下瑠香は三年生で、僚達の先輩である。女子生徒だが背が高くショートカットの髪で美形という、宝塚の男役のような女性だった。後輩からは「オスカル様」と呼ばれ慕われている。この学校は元女子校なので、こういう、女子が女子に憧れるというノリも普通に存在する。
告白シーンをたまたま目撃した僚と沙希だったが、沙希はなぜか、動揺したような様子を見せていた。

その後、ゆり絵はいつもの心臓の発作を起こし、気を失い、保健室に運ばれた。
発作が収まり、ゆり絵が目を覚ますと、ベッドの傍に沙希がいた。二人きりで会話するうちに、沙希はゆり絵に、自分はレズであり、ゆり絵が好きだということを告白する。ゆり絵を抱き締め、キスをする沙希。女の子同士のキスの快感の凄さに、思わずゆり絵が禁断の道に堕ちてしまいそうになったとき、保健室に突然デビルベアが現れた。
デビルベアは沙希の心を操作し、強制的に保健室から退室させた。ゆり絵と沙希が恋仲になってしまえば、自分が魔界に帰ることがますます難しくなってしまうため、デビルベアは二人の行為を阻止したのだ。

次の日、ゆり絵は、発作のことを調べるため、ゆり絵がいつも行っている病院で検査をしてもらった。
ゆり絵は、医者から心臓の手術の成功率は95%だと聞かされる。ゆり絵はまず確実に成功すると思い、僚に相談せず、医者に手術の了承を伝えてしまう。

ゆり絵は僚に会い、手術を受けることになったことを説明した。しかし、僚はそれを聞いて怒り出した。たとえ95%の確率で成功しても、残り5%の確率で失敗し、最悪、死んでしまうのだ。
ゆり絵は死んでしまってもう僚と会えなくなることを嫌がり、それで今まで心臓の手術を受けないでいたのだ。

僚はついに怒り心頭になり、「もう僚の身体のままで生きる!」と宣言してしまう。

それを見たデビルベアはいよいよ魔界に帰れなくなると思い、ある作戦を思いつく。
デビルベアは沙希の元へ飛んだ。沙希は、あの保健室の件以来、ゆり絵から連絡をもらえないでいた。沙希はレズであることがバレて、それが原因でゆり絵に避けられていると思い、悲しんでいた。
そんな沙希の前に、デビルベアが現れた。デビルベアは沙希にホレ薬をプレゼントした。

沙希はデビルベアからもらったホレ薬をゆり絵の飲ませ、彼女と恋人同士になり、さらには肉体関係をも持ってしまおうと計画していた。
沙希はゆり絵の家を訪問し、出されたコーヒーにホレ薬を入れ、ゆり絵に飲ませようとした。しかし、ふとしたトラブルで、沙希はホレ薬を自分で飲んでしまった。身体が火照り、興奮してしまう沙希。沙希はもうこうなったら、ゆり絵と一線を越えてしまおうと決心した。
沙希は再びゆり絵に自分の思いを告げて、ゆり絵を抱いた。ゆり絵も沙希の勢いに飲まれ、このまま女同士のセックスをしてしまおうとしていた。
そこへ、突然岡下瑠香が乱入してきて、沙希を止めた。
実は瑠香は沙希のことが好きで、沙希も瑠香のことが好きだった。僚達が通う桜井坂高校は、女子高時代に、先輩後輩の仲で姉妹の契りを交わす、姉妹制度があった。共学となった今ではその制度はなくなっているが、瑠香と沙希はその廃れた風習に則り、姉妹の契りを交わしていた。
瑠香は僚に告白し、沙希はゆり絵に告白し、お互いにレズではないノーマルな道を歩もうとしていたが、しょせんそれはごまかしだった。瑠香と沙希は愛し合っているというお互いの気持ちを再確認し、また以前のような濃密な関係に戻った。ゆり絵の家の中であるにもかかわらず、瑠香と沙希は情事を初めてしまった。
そんな二人を見て、どっと疲れてしまうゆり絵だった。

ゆり絵は瑠香と沙希に振り回され、もうヤケになっていた。ゆり絵は、もうゆり絵の身体のままでいいと思っていた。
一方、僚も、健康な僚の身体のままがいいと思っていた。

デビルベアは、完全に最悪な状況になってしまったため、一発逆転の、ある作戦を実行することにした。

瑠香と沙希は仲良く二人で登校していた。そして遠回りになるが、倉庫街を通って行くことにした。
しかしその倉庫街には、沙希に告白して振られ、沙希に恨みを持っている、桜井坂高校の不良の男子三人組が待ちかまえていた。不良三人はデビルベアがそそのかし、ここまで連れてきたのだ。
不良三人にからまれてしまう、瑠香と沙希。女二人では、男三人には勝てない。
そこへ、偶然僚が通りかかる。むしゃくしゃしていた僚は、不良に戦いを挑む。意外なことに僚の身体はケンカが強く、不良三人をあっという間に倒してしまう。
そこへたまたま、僚の後を追っていたゆり絵も到着する。
沙希と瑠香は、不良をあっという間に倒した僚に惚れてしまう。これがデビルベアの作戦だった。
沙希と瑠香に僚を惚れさせ、それを見たゆり絵が嫉妬の炎を燃やすことを期待していた。深い嫉妬が、恋愛のゴールインになると考えているのだ。僚は、口ではなんだかんだいってもゆり絵のことが好きなので、僚のことは特に気にしないでいた。
この作戦がうまくいけば、僚とゆり絵はラブラブになるはずだった。
実際、ゆり絵は僚を好きだという、自分の気持ちをようやく自覚し始めていた。

深夜、二人は一緒の部屋で寝ていた。
ゆり絵は一人で起き、僚の寝顔を見ていた。
デビルベアはわざと部屋の置物を落下させた。それを見たゆり絵は、地震だと思い込む。慌てて僚に覆い被さるゆり絵。目が覚めた僚は、自分に覆い被さるゆり絵を見て、自分をレイプしようとしていたと勘違いする。それが原因で僚とゆり絵はケンカを始めてしまう。

あまりにも自分の思い通りにならないデビルベアは取り乱し、ついうっかり、僚とゆり絵の入れ替わりを解いてしまう。

ゆり絵は怒りのあまり、家を飛び出した。そこへ、昼間の不良達が車に乗ってやってきた。昼間の仕返しにやってきたのだ。ちなみにこれはデビルベアの仕業ではない。不良達が自主的に行動している。不良たちはゆり絵を誘拐し、車で逃走してしまった。

僚はゆり絵を追いかけることにした。デビルベアも僚に協力する。

ゆり絵はとある倉庫に連れてこられていた。レイプはされていない。そこへ、ゆり絵を助けるため、僚がやってきた。
前回は不良はデビルベアに操られていたが、今回は正気のため、かなり強い。しかし、なんと僚はケンカで不良達を圧倒した。僚は元々、高い運動能力を持っていた。身体の弱いゆり絵の身体に入っていた反動で、自分の身体の実力を発揮できるようになっていた。
僚が不良を恐れず単身自分を助けに来てくれたことを知り、ゆり絵はついに僚に好きだと告白する。僚もまたゆり絵に好きだと伝え、二人はようやく恋仲になった。
デビルベアも、これでようやく魔界に帰ることができると喜ぶ。
しかし、ゆり絵は二週間後に検査入院が控えていた。僚との約束で、検査入院のときだけ、僚とゆり絵は入れ替わり、僚がゆり絵の代わりに検査入院をすることになっていた。ゆり絵は検査入院のことはデビルベアに伝えたが、二週間後ということまでは教えなかった。
ちなみに、今度魔界に帰るチャンスがあるのは、明日である。

次の日、手を繋いで仲むつまじく一緒に学校に登校している、僚とゆり絵の姿があった。
そこへ現れるデビルベア。検査入院が二週間後ということをようやく知り、ゆり絵の非道さに嘆くが、悪魔のような性格のゆり絵に逆らうこともできずに、結局は泣き寝入りすることになってしまう。デビルベアが魔界に帰ることができるのはまだまだ先になりそうだ。

そこへさらに沙希と瑠香が乱入してくる。二人は倉庫街で僚が不良を圧倒した姿を見て、共に僚に惚れてしまった。さらに、僚が好きな相手・ゆり絵のことも、好きだと伝える沙希と瑠香。ついには、四人一緒で愛し合おうと迫る。

たまらなくなり、逃げ出す僚。怒りながら僚を追いかけるゆり絵、黄色い声援をあげながら僚とゆり絵を追いかける沙希と瑠香。さらに、空中では「合わせ鏡してつかあさい」とゆり絵に頼みながらみんなの後をおいかける、デビルベアの姿があった。


というお話。





感想。

発売前に表紙の絵だけを見て、その表紙の絵がとても気に入りました。
向かって右のゆり絵は、ツインテール&機嫌悪そうな顔&腕組みポーズと、むちゃくちゃ典型的な分かりやすいツンデレ少女。
向かって左のゆり絵は、一転しておとなしそうになっているので、たぶん入れ替わった後なんだろうと想像。
正統派ツンデレ少女が入れ替わるような話ってあんまりなかったと思うので、まずそこで期待高まりました。
で、イラストの絵柄がすごく私好み。黒をメインに、白いセーラーカラーの制服というのも、セーラー服が好きな私の好みに直球ストライク。
実際に小説を買う前に、表紙絵だけで私、満足していました。

そして発売日が過ぎ、実際に本屋で購入して中を見てみると・・・表紙以外のイラスト全てが、なんか妙に幼くなっている(汗)。表紙だと等身もそれなりに高く、高校生でツンデレ少女という設定にかなり合っていると思います。
しかし、表紙以外のカラーページや挿絵のイラストは妙に縦につぶれているような印象で、表紙に比べてロリキャラ化してしまっています。子供よりは大人っぽいほうを好む私にとっては、表紙以外の、低年齢化してしまっているイラストが、とても残念でなりませんでした。
イラストそのものも、表紙以外はグッとくるような、燃えるものが無いのも、物足りないところ。

話そのものは、僚とゆり絵の恋愛に重点を置いていて、最後には入れ替わりが解けて両思いになってハッピーエンド、という展開はすごく良かったです。

デビルベアがかなりかわいそう。僚とゆり絵が両思いになれたのは、デビルベアが裏であれこれ工作してくれていたからです。デビルベアがいなければ、二人は結ばれることはなかったかも。でも結局魔界にも帰らせてもらえず、ひたすら不幸。

冒頭、ゆり絵が鏡を見ながら、ツインテールのしすぎで、髪の分け目が大きくなってきて、一言でいえばハゲてきているのを気にしているシーンがリアルだと思いました。
あと、1回ぐらい、僚がゆり絵の身体になっているとき、ツインテールの髪型にしてほしかったです。

僚とゆり絵の入れ替わりに、緊張感があまりないと思いました。入れ替わりはデビルベアの意志でいつでも行うことができるみたいだし、特別な条件もいらないですし。入れ替わっている当人も、なにか特に大きく困ることもないですし。
入れ替わりを実行しているデビルベアは、自分が魔界に帰るために仕方なくやっているとはいえ、基本的には僚とゆり絵の味方ですし、デビルベアは別に二人を困らせてやろうとして、入れ替わらせているわけではありません。ゆり絵が変な意地はらないで、さらにデビルベアを許してあげれば、いつでも二人は元に戻れるので、「もしかしたら元に戻れないかも!?」という、入れ替わりもので常につきまとう要素も、ほとんど感じられないぐらいになっています。
入れ替わりが解けるのが、デビルベアの「うっかりミス」で解けるというのも、ちょっとあっさりしすぎていて、ますます入れ替わりの重要性が薄れている気がします。入れ替わりもので入れ替わるシーンというのはやはり一番の見せ場だし、入れ替わりが解けるシーンは、もうちょっとグッとくるような、ここぞ!という場面で解けてほしかった気がします。
とはいえ、入れ替わりが解けるシーンはあそこで元に戻っていなかったらまた話はややこしいままですし、ストーリーの流れとしては、自然だったと思います。
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by irekawari | 2007-08-09 23:53 | 入れ替わり作品の紹介・レビュー