白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
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狙われた少女 その9

狙われた少女 その9




四葉「四葉、さっきまでの勢いはどうした?我に代わって、この魔界の王として君臨するのではなかったのか?」
四葉は立ったまま冷ややかな口調で、足元に倒れている理央に言葉を投げかけた。
理央「ひっ、ひぃ・・・」
理央はすっかり怯えていた。

椿「な、なにが起こってるんだ?」
階下にいる椿には、階段の上の玉座周辺にいる四葉と理央の様子はよく見えない。
だが、身体が別人になっても、さすが王たる者の風格からか、四葉の声は謁見の間全体によく響き、遠く離れていても会話の内容はよく聞こえる。
聞こえる限り、四葉は格別怒気を含んだような声で怒鳴っているわけでもないし、しゃべり方は至って普通、それに纏っているオーラだけで相手を圧倒するような、そんなピリピリした空気も感じない。
見たり、肌で感じる限り、四葉はさっきまでと同じ、余裕のある落ち着いた雰囲気のままだ。
だが、声を聞く限り、理央はなにやら怯えているようだ。なにが、そこまで理央を怯えさせているのか、椿には見当がつかなかった。

理央は、四葉が持つ魔王長としての風格に圧倒されていた。カリスマと言い換えてもいい。
入れ替わる前の四葉はポケポケした性格と、ニブい一面もあったので、魔王長の直属の部下でありながら、魔王長・理央のそういった偉大さを全く感じていなかったのだが、理央と入れ替わり、理央の鋭敏な感覚を持っている今、以前よりはっきりと魔王長の風格を肌で感じている。
それに、理央は魔王長という、魔界での最高の実力者の身体を得ていながら、下っ端兵士の四葉に対してなにもできず、今は文字通り手も足も出なくされている。
魔界の頂点に立てるかもしれない、という野望を持っていたが、今は完全に奈落の底に叩き落とされたような形だ。その精神的ショックも、今理央が怯えている理由の1つになるかもしれない。

理央は、目に涙を浮かべながら、あることを自分の肌ではっきりと感じていた。
「この御方には私は一生かなわない」、と。

理央「ひぃ・・・うっ」
四葉「泣いているだけでは分からぬであろう?」
四葉が、足で踏みつけている理央のスカートを、さらに足でグリグリと踏みつけまわす。
理央「ひゃぁっ!」
身体を踏まれたわけでもないのに、たったそれだけのことで理央は軽く悲鳴をあげた。

四葉「そう簡単に戦意喪失されてもつまらんな・・・ではこうしよう」
四葉は手首のスナップをきかせて右手自身を捻りながら、右手の親指と中指をこすり合わせ、パチンと指で音を立てた。
理央「きゃっ」
ばたん。
その途端、理央の身体を拘束していた光のロープが消え、外に向かって力を込めていた手や足が、床に投げ出された。
四葉「今、お前の身体にかけていた拘束術を解いてやった。今のお前は魔力が使えるようになっている。ほら、今すぐ我になんでもいいから術を叩き込めば、ひょっとしたら勝てるかもしれんぞ?もっとも、今度お前が我に攻撃をしかけてくるようであれば」
四葉はすっとしゃがみこみ、片方の膝を立てたまま、床に倒れている理央の頬に片手を当て、スリスリとさすりながら言葉を続けた。
四葉「我も、我の全力をもって、お前を叩くぞ」
四葉は、まるで諭すような穏やかな笑みで言ってのけた。
理央「ひっ・・・くぅ・・・う・・・」
四葉「ん?」
理央「うわあああああああん!!」
四葉「ぬおっ!?」
理央は大量の涙を流しながら体を起こし、四葉の足にしがみついた。
理央「ごめんなさああああああい!!つい出来心だったんですぅーーーーーーっっ!!もうしませんから、どうかお許しをををををををををを!!」


椿「本当に・・・子供か、あいつは」
階下で理央のわんわんわめく泣き声を聞きながら、椿は呆れた風に溜息をついた。





続く。
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by irekawari | 2007-07-21 23:51 | 女同士入れ替わり