白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
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世界格闘大会 ~プロレスラー・ティナと劈掛拳・エレナの入れ替わり

世界格闘大会。
年に一度開催されるこの大会は、文字通り世界中の格闘家が集まる世界一規模の大きな大会である。
ゆえに世界からの注目度も高く、この大会で優勝したり、または好成績を収めた者が世界的に脚光を浴びることも多い。

ティナ、16歳。
彼女もまた、この大会に夢と希望を抱いて参加していた。

彼女は女優志願だったが、プロレスラーとして一度は世界の頂点に立ったこともある父親の教育方針により、ティナは幼い頃からプロレスを叩き込まれてきた。もちろん、女優なんて軟弱なものはもってのほか。
実際、ティナはプロレスの素質があり、国内の大会で優勝できるほどの実力を身につけていた。
しかし、自分の本当の夢を果たすため、ティナはある日家を飛び出した。

優勝者には賞金を始め、あらゆる栄誉が与えられる、世界格闘大会。
これに出て優勝すれば、全世界から注目されて、さらには映画界からお呼びがかかるかもしれない。
そんな目論見もあって、ティナは世界格闘大会にエントリーした。

ティナ「とぉりゃあ!!」
ズドーーーーン!!
必殺のバックドロップが決まり、ティナの勝利が確定した。
ティナ「よーしいい感じ!強そうな人あんまりいなさそうだし、よーし絶対優勝するぞー!」

ティナ「えーと、次のあたしの相手は・・・あのエレナって人かー。あたしも人のこと言えないけど、女の人でこの大会に出てるなんて珍しいなー。あー、あの服いいなー、大人っぽくて素敵☆格闘するには不向きそうだけど、動きからは全然不自由さを感じないし・・・うう、こりゃ強敵かも?でも、あたしは負けないからね!」


エレナ「手加減はしなくってよ」
ティナ「望むところ!さあ、かかってきなさい!」
審判「試合開始!」

二人の実力はほぼ互角だった。
戦いは持久戦の様相を呈していた。

エレナ「はぁはぁ、しぶといですわね」
ティナ「負けられない・・・負けられないんだ!」

試合場の端のほうで乱戦状態の二人。
ティナはステージの上から追い出されるように、エレナの蹴りをくらってしまった。
この大会にリングアウトはないが、ステージの下までにはけっこうな高さがある。
ティナは落ちる直前、伸ばしたままのエレナの足を掴んだ。
エレナ「きゃあああああ!」
ティナ「わああああああ!」
そのまま二人は一緒にステージ下まで落下してしまった。


エレナ「うう・・・いたたた」
ティナ「う・・・油断していましたわ」
二人は気を失っていたが、ほぼ同時に目を覚ました。
立ち上がりながらお互いに相手を見た二人は、驚きのあまり叫んでいた。
エレナ「え・・・なに!?あたしがいる!?」
ティナ「わ、わたくしがいますわ!」

ティナもエレナも、自分の身体を手で触ったり、腕や脚を上げたり、腰を捻ったりして、自分の身体を見た。
エレナ「きゃーーーっっ!か、身体が入れ替わってる!?」
ティナ「そ、そんな、こんなことが・・・」

実況「ステージ下に落ちてしまったエレナ選手とティナ選手、なにやら叫んでいますね、落下時に特にダメージを負ったようには見えなかったですが・・・。遠すぎて、なにを言っているのかもよく分かりません」

ティナ「わたくしの身体を返してください!」
エレナ「そ、そんなこと言っても、あたしのせいじゃないし」
エレナに対し猛攻をかけるティナ。それを受けるエレナ。しかし二人とも、慣れない他人の身体になってしまったために、うまく攻めることができない。
ティナ「ううっ、この方の身体もかなり鍛えられているみたいですけど、やっぱり違和感ありますわ。リーチも微妙に短いですし。は、早くこの身体に慣れないと」
エレナ「この人の身体・・・あたしの身体より動きやすい!その分パワーが若干劣るけど・・・だいぶ慣れてきた!必殺の一撃を決めれば・・・勝てる!」

エレナはティナの一瞬の隙をつき、ティナの背後をとった。
エレナ「ごめんね、あたし、どうしても勝ちたいんだ!」
ティナ「きゃあああああああ!」
エレナはティナの腰を両腕でつかみ、背中をのけぞらせ、バックドロップの体勢に持って行った。
しかし、ティナよりやや非力なエレナの身体では、ティナの身体を完全に持ち上げられないでいた。
エレナ「こんなところで、あきらめられない・・・あたしは勝つんだ・・・あたしの夢のために・・・!うおりゃあああああああああ!!」
エレナはさらに渾身の力を込め、ティナを抱きかかえたまま後方に跳躍、放物線を描くように跳び、ティナの頭部をステージの固い床に叩きつけた。
素早く起きあがるエレナ。
ティナは脳震盪を起こしたのか、全く動く気配がない。
審判「勝者、エレナ選手!」
観客「わーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!」
実況「エレナ選手、まるでティナ選手のお株を奪うかのようなバックドロップで試合を決めました!あえて相手の得意技を使用して勝つ!以前の繊細な戦法とは違う、大胆な作戦で見事はまったといえるでしょう!」
エレナ「やった・・・勝ったんだ!!」
エレナは右手を高く上げ、ガッツポーズをした。


試合後、選手達の控え室では。
すっかり意識を回復したティナが、エレナにくってかかっていた。
ティナ「どうしてくれますの?貴女の身体になってしまっただけではなく、試合にまで負けてしまって、責任とってくださる!?
エレナ「ご、ごめんなさい、貴女には悪いと思うけど、入れ替わっちゃったものは仕方ないし、あたしはどうしても勝ちたかったし」
ティナ「納得できませんわ、わたくしだってここで負けるわけにはいきませんのよ。さあ、早くわたくしの身体を返してくださいまし、今、元に戻れば、わたくしが勝ったことになるのですから」
エレナ「そ、それは困るよ」
ティナ「わたくしも困っているのです!どうやら落下時に頭をぶつけたのが原因みたいですから、また強く頭をぶつければまた入れ替わるはずですわ。さあ、元に戻りましょう」
エレナ「い、いやあ、や、やめてぇ!元に戻りたくない!」
ティナ「往生際が悪いですわ、さあ、いきますわよ」
ティナはエレナの頭を両手でつかみ、動けないようにしている。そして自分の頭をのけぞらせ、今まさに、勢いよくエレナに頭をぶつけようとした、そのとき。

控え室の扉が大きな音と共に壊れそうな勢いで開き、身長2メートルはあろうかという大男が入ってきた。
エレナ「ぱ、パパ!?」
ティナ「だ、誰ですの!?それに・・・ここは女子更衣室ですのよ!?」
男の名はバース。ティナの父親で、プロレスラーとしては現在、世界最強といっていい実力を持っている。
バースはつかつかとティナの元に歩いてくると、いきなりティナの頬にビンタをくらわせた。
ティナ「いたっ、な、なにをするんですの!?」
バース「なにをするんですの、じゃねえ!軟弱な言葉使いやがって!家と飛び出してなにをしているかと思えば、またこんな大会に出場して!お前は女子プロで頂点に立つんだ!分かったら、さっさと帰るぞ!」
バースはいきなり大声でまくしたてた。
ティナ「ちょ、ちょっと待ってください、わたくしはティナさんではありません。試合中、身体が入れ替わってしまったんです。あちらにいるわたくしが、本物のティナさんなのです」
バース「なに言ってるのはよく分からねえが、そんな見え透いた嘘つくんじゃねえ!ティナは、目の前のお前しかいねえじゃねえか!試合にも負けたみたいだし、もうこんなところに用はねえだろ。さあ、帰るぞ」
ティナ「い、いやあ!ち、違うんですってば!わたくしはティナさんじゃありませんーーーーっ!!」
バースは嫌がるティナの腕を掴み、ムリヤリ控え室から連れ出していった。
しばらく、通路の向こうにティナの叫ぶ声が聞こえていたが、それもしばらくしたら聞こえなくなった。

控え室に一人残されたエレナは、ぽかんとしていた。
エレナ「あーそっか、今のあたしはあたしじゃないんだよね。パパ、エレナさんをあたしだと思って連れてっちゃたったよ・・・」
しかしすぐにエレナは笑みを浮かべ、拳を握りしめてガッツポーズをとった。
エレナ「でもこれって無茶苦茶ラッキーじゃない!?もうパパにあれこれ言われなくてもいいし、試合にはまだ勝っているし、このままいけば優勝も目指せる!」
エレナは控え室の中にある大きな鏡の前に立った。
エレナ「それにエレナさんってあたしより綺麗だし・・・これだけ綺麗だったら、女優にだってなれるよね!うふふ、そ。う思ったらこの身体、とても気に入ってきたわ」
エレナは両腕で自分の身体を抱き締め、鏡の中の新しい自分をみつめて笑みを浮かべながら、つぶやいた。
エレナ「エレナさんには悪いけど、この身体、使わせてもらうわ。うふふ・・・今日からあたしはティナじゃなくてエレナよ」





完。
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by irekawari | 2007-06-23 23:54 | 女同士入れ替わり