白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

お姉ちゃんは心配性 ~妹LOVEな姉と、最近彼氏ができたっぽい妹との入れ替わり~

お姉ちゃんは心配性






各務美幸(かがみ みゆき)24歳、
各務司(かがみ つかさ)16歳、
二人は年は離れているが姉妹である。

6年前、美幸が18、司が10歳のとき、両親が二人とも事故で亡くなった。
それ以来、美幸は司の姉としてだけでなく、両親の代わりとして司を支え、共に生きてきた。
美幸は高校を卒業してすぐに就職、家計を支えている。
今年、司は高校に無事入学、今は一年生だ。特にグレたりひねくれたりせず、まっすぐな心を持つ、姉思いの素直な子に成長した。

年が離れているし、今や唯一の家族なので、美幸は司を猫可愛がりしている。
美幸は、司が年頃になってきたので、司の、男性の交友関係をかなり心配し始めた。

最近、司の行動が怪しい。
美幸に隠しごとをするようになった。
携帯のメールの音がよく鳴るようになった。
特に部活をしているわけでもないのに、帰りが遅くなることが多くなった。
休日は姉妹一緒にいることが多かったが、最近、司がひとりで出かけるようになった。

つ、司に彼氏が!?
美幸はそう思った。

とある休日、悪いと思いつつ、出かける司の後をつけたことがある。
駅前で待ち合わせをしている司の元へやってきたのは、司と同学年っぽい、一人の男だった。
美幸はショックを受けた。
隠し事をしていることよりなにより、愛する可愛い妹を、見知らぬ男に取られた、という思いが大きかった。


小夏「司ちゃんに彼氏ね~、めでたいじゃない」
美幸「でも、でも司がわたしから離れていってしまうかと思うと・・・うっうっ」
小夏「こっ、こんなとこで泣かないでよ!」
美幸「しくしく、つかさ~」
美幸は親友の源小夏(みなもと こなつ)と一緒にファミレスに来ていた。
司に彼氏ができ、しかもそのことを自分に内緒にしていることを相談するために。
小夏「で、要はその彼氏とやらが、司にふさわしい男かどうか知りたいわけね?」
美幸「そうなのですが・・・いい方法ありますでしょうか?」
小夏「あたしにいい案があるわ。美幸が司になって、その彼氏に会ってみればいいのよ」
美幸「わたしが司になる・・・って、言っている意味がよく分からないのですが」
小夏「論より証拠。この薬飲んでみて。はい、水。あたしも同じのを飲むから」
美幸「こ、こうですか?ごくん」

小夏「きゃーーーーーーーーっっ!!」
美幸「こ、こら、こんなところで叫ぶな!!」
美幸がテーブルの上に身を乗り出し、反対側の席にいる小夏の口を手で押さえた。
昼間で客の少ない時間帯だが、それでも遠くの客数人と店員が、美幸と小夏のほうを怪訝な目で見ている。
小夏「わ、わたしが小夏の身体に・・・!」
美幸「ね、ほんとだったでしょ。今度司ちゃんがその彼氏と会うときに、これを司ちゃんに飲ませて、美幸が「司として」その彼氏に会いにいけばいいのよ」
小夏「小夏、ほんとうにありがとう。後でなにかお礼をしますわ、なにがいいでしょうか?」
美幸「んー、じゃあ、美幸との一日デート権」
小夏「?小夏、女同士で遊びに行くのは普通、デートとは言わないのでは?」
美幸「やっぱり気付かないか・・・鈍感」
小夏「小夏、なにか言いました?」
美幸「なんでもなーい。んじゃ、今度またここでお昼でもおごってよ」
小夏「そんなのでいいんですの?」
美幸「この薬、あたしのおじいちゃんが趣味で作ったやつだから、あたしは何もしてないしねー。そんなに恩を感じることもないよ。んじゃま、がんばってきな」
小夏「その前に、わたし達の身体、元に戻してほしいのですけど・・・」
美幸「あーごめんごめん、美幸の身体、居心地いいから馴染んじゃってたわ~」
美幸は頭をポリポリとかきながら屈託のない笑顔で答えた。



そして決行の日。この日は美幸の仕事も司の学校も休みだ。
前の晩、司は美幸に、明日友達と遊びに行くと言ってきた。司はあくまで女友達と遊びに行く、という感じで言ってきたが、美幸はそれは嘘で、例のあの彼氏とデートに行くのだろうと判断した。
この世でたった二人の家族なのに、嘘をつかれているのは辛い。辛いが、司が幸せになれるのなら、応援したい。しかし、相手がどんな男かは見極めたい。ギャンブルにおぼれているようだったり、女の子を食い物にしているような奴だったり、乱暴だったり、逆に軟弱だったり、オタクだったり・・・そんな男には大事な司はやれない。
司は普通に常識ある子だし、そういう輩と付き合うとも思えないが、今の世の中、なにがあるか分からない。この目で確かめておくに越したことはない。
小夏にもらった入れ替わりの薬は、朝食の中に混ぜておいた。前日に入れ替わってしまっては、司が今日彼氏と会う約束をとりやめるかもしれない。それを阻止するために、朝入れ替わる必要があった。当日、約束の時間が迫っているのに、急に約束をとりやめることはしないだろう。
薬はちゃんと効果を発揮し、美幸と司は身体が入れ替わった。
当然、慌てふためく司。

美幸「ど、どうしようお姉ちゃん、私がお姉ちゃんになるなんて・・・」
司「そうね、大変ね、これからどうしようかしら」
美幸「お姉ちゃん、あんまり困っていないように見えるよ」
司「そ、そう?つ、司と入れ替わってしまって、困ってしまったわー。そういえば、今日、お友達と会う約束があるって言ってわよね?安心して、お姉ちゃんが司の代わりにそのお友達と会ってあげるから」
美幸「え!?お、お姉ちゃんが行くの?」
司「なにを驚いているの?司のお友達なら、家に遊びに来たときにわたしも会っているし、今日一日ぐらいなら司の代わり、きちんとできると思うのだけど」
美幸「え・・・とその、お姉ちゃんごめん、実は友達は友達でも、男の子の友達なんだ・・・。わたしと同じクラスの吉水って名前の人で、ちょっと前に学校の行事であたしの仕事手伝ってくれて、今日はそのときのお礼も兼ねて、一緒に遊ぼうってことになっているの」
司「まあ、そうだったの。でもそういう事情ならなおさら、約束はきちんと守らないといけないわね。安心して、今日一日、わたしがきちんと司の代わりをしてあげるから」
美幸「う、うん、お姉ちゃんがそう言うなら・・・」



まだ少し不安そうな司・・・の心が入った美幸に見送られ、美幸・・・の心が入った司は、その「男のお友達」との待ち合わせ場所・駅前に向かった。

駅前には、既に相手の男が来て待っていた。
司(時間には正確・・・まずは合格といったところでしょうか。でもまだまだこれぐらいでは司をお任せすることはできません)
美幸は早くも「値踏み」モードに入っていた。
相手の男は上が吉水(よしみず)、下は稔(みのる)というらしい。外見はまあ普通、とりたてて男前や美形というわけでもないし、とりたてて体格が立派、というわけでもない。普通に、今時の男子高校生っぽい感じだ。
稔「各務、今日はスカートなんだな。この後ボーリングに行く予定もあるし、ズボンで来るかと思ったけど」
司「そうだっけ、でも特に問題ないよね、吉水くんってこういうの、嫌い?」
稔「いや、そんなことないよ。ちょっと大人っぽいかな、と思うけど、うん、似合ってて可愛いと思う」
司「あ、ありがとう」
実は今日なにをするかは、美幸は事前に司に聞いて知っていた。ボーリングのことも聞いていたので、稔の言うように、運動をするならズボンのほうがよかったのだが、美幸はあえて無理を言ってスカートにした。
これは稔のスケベ度を測るためであった。短めのスカートでお色気を漂わせておいて、その色香に惑わされ、もしうっかりエッチなことをしようものなら、即刻「司の彼氏・不合格」の烙印を押してやるためという、これも美幸の作戦の一つだった。
稔との会話内容については、姉妹だけに、司がどんなしゃべり方するのかはよく知っていたし、出かける前に、できる限りの情報は司に教えてもらっていた。そのためか、特に稔が不審がるようなことはなかった。

二人して電車に乗り、何駅か先の街へ到着。
最初に映画を見て、ファーストフード店で映画の話をしながら食事、少し休憩したあとボーリング、何ゲームか遊んだ後、デパートや商店街で特になにを買うでもなく、ウインドウショッピング。
と、ここまで実に健康的なデートコースを辿っている。
稔の、司への接し方も実に紳士的なものだった。
もう何回もプライベートで会っているみたいだから、手をつなぐのは当たり前、それどころか肩や腰に手を回して来たりするのかと身構えていたが、そんな気配もない。というか、手すら繋いでいない。
もう二人は既にラブラブだと思っていただけに、美幸は少し意外に思った。
かといって稔は素っ気ないわけでもなく、話題が途切れないように積極的に話しかけてきてくれたし、電車の中では痴漢対策のためか、さりげなくかばってくれるような立ち方をしていたし、ベッタリベタベタ甘えてきたりはしないが、とにかくあらゆることに気をつかってくれている。美幸は稔とは初対面だというのに、稔と一緒に居ることに心地よさを感じてしまっていたりした。
ボーリング場では、稔にみせつける目的でわざとスカートが気になるような立ち振る舞いをしてみたが、稔は下品にスカートの覗こうとするような視線を投げかけたりもせず、純粋に、司と遊んでいることを楽しんでいるように見えた。

司(弱りましたね・・・ずいぶん礼儀正しい、良い少年じゃないですか・・・)
司に彼氏がいるというだけで、頭ごなしに「反対!」の態度をとっていただけに、いざ会ってみてその彼氏が問題無しの好青年だと分かると、それはそれでなんだか悔しい、という思いが湧いてくる。
司(しかし・・・まだ分かりません!最後に、まだ試させていただきます・・・!)


日もだいぶ傾いてきて、そろそろお開き、という頃、美幸は稔に切り出してみた。
司「あのね吉水くん、私、ちょっと寄りたいところがあるんだけど、いいかな」
稔「いいよ、まだ時間あるし。どこ行きたいんだ?」
司「えーとね、こっち!」
美幸はいきなり稔の片腕にしがみつき、稔を引っ張るようにして歩き出した。稔の腕に、自分のふくよかな胸を押しつけながら。
稔「うわっ、か、各務!?」
司(ごめんね司、でもこれも・・・これも貴女のためなの!)
男の人に自分の胸を押しつけるなんて、自分でもやったことないだけに、美幸は顔から火が出そうなほど恥ずかしかったが、これも妹のため、と思い我慢した。

人通りの多い繁華街を通り抜け、美幸は稔の腕にしがみついたまま、とある建物の前で立ち止まった。
稔「え?まさかここなのか?」
稔が少し驚いた表情でその建物を見上げる。
二人はなんとラブホテルの前に来ていた。
司「吉水くん・・・私なんだか疲れちゃった」
美幸はいったん稔の腕から離れたかと思うと、まるで貧血でも起こったようにわざとらしく体をフラフラさせ、倒れかかるように稔に抱きつきた。
稔「ちょ・・・各務!」
司「私・・・吉水くんになら・・・いいよ」
俯き加減だった美幸は顔を上げ、頬を紅潮させ、瞳をウルウルさせながらお願いするように稔を上目遣いでみつめた。体は可能な限り稔に密着させ、胸もぎゅうぎゅうと押しつけるようにしている。
司の体の柔らかい感触と、女の子特有のいい香りが稔の五感を刺激する。
こんな大胆攻撃をしているが、美幸は美幸で、心臓バクバクものの心境であった。
司(うう、恥ずかしいです、でもこれで参らない男の子はいないでしょう・・・!も、もしこれで、まだ未成年の司にうっかり手を出そうものなら、ビンタの一つでもお見舞いして、二度と司に近づけないようにしてあげますから!)
司の中の美幸は決意に燃えていた。

稔「各務」
司「ひゃあっ、はっ、はいっ!?」
稔も司の目をまっすぐみつめ返して、さらに声をかけてきた。
司(や、やっぱり司の身体が目当てだったのですね!えと、まずビンタくらわせて、そのあと逃げて・・・で、でも足が震えて、動きません!)
男性経験皆無の美幸は、いざそのときが来てしまうと極度に緊張してしまい、体がガチガチに固まってしまっていた。
稔「行くぞ」
司「ひゃっ!?」
司(い、行くって、ほ、ホテルの中ですよね!?だ、ダメ、でも緊張しちゃって・・・抵抗できません!肩を強く抱かれてしまっていて身動きとれないですし・・・このままじゃ司の身体が!ごめんなさい司、お姉ちゃんがこんな馬鹿なことしてしまったから・・・)
美幸は頭の中で最悪の事態まで想定していた・・・が、司の肩を抱いた稔はホテルには入らず、通りをスタスタと歩き始めた。
司「ど、どこへ行くのでしょう!?」
稔「とりあえずここを離れましょう、お姉さん」


美幸と稔はさっきのラブホテルからかなり離れた、人気のあまりない公園に来ていた。
司「い・・・いつからわたしが司じゃないって気付いていたんですか!?」
稔「最初に会ったときから、いつもの各務じゃないなと思っていたんですが、さっきのあれで、あ、完全に別人だな、と分かりました。各務は、間違っても俺にあんなことしませんし」
司「あれはさすがにやりすぎでしたか・・・でもわたし、ホテル行く前でも、完全に司になりきったつもりだったのですが。それに、司じゃないって分かっても、中が姉のわたしだということまでは分からないのでは?」
稔「しゃべり方とかはさすがお姉さんだけあってそっくりだと思いましたけど、やっぱり微妙に違うところはあるし、他にも仕草とか、細かいところで普段の司と違うところがありましたし」
司「よく見ているのですね、司のこと」
稔「え、ええ、まあ」
頭の後ろに手をやり、顔を赤らめて恥ずかしがる稔。
司(なぜそこで顔を赤くするのですか!)
彼氏なのだから司のことをよく見ているというのは理解できるのだが、どうしても嫉妬の気持ちが沸き起こってきてしまう。

稔「それに司はいつも自分のお姉さんのこと、話題にしていましたし、司本人じゃないなら、じゃあ一番親しいお姉さんかなと思いまして。確信があったわけじゃないですが」
司「そうだったのですか・・・」
稔「でもどうしてこんなことを?あ、いや、答えにくいことならいいですが」
司「いえ、吉水さんにもご迷惑をお掛けしましたし、全てお話します。司はこの世でたった一人の大切な家族ですし、可愛い妹だから、司の彼氏である稔さんがどんな人なのか、知りたかったのです。それには、わたし自身が司になれば、ありのままの吉水さんを知ることができると思い、わたしの友人に入れ替わりの薬をもらい、今朝司と入れ替わって、今、ここにいるわけです。吉水さんを試すようなことをしてしまい、本当に申し訳ございませんでした」
稔「えっと、お姉さん、だいたいの事情は分かりましたが、ちょっと待ってください。俺が司の彼氏って・・・」
司「吉水さんのようなしっかりした誠実な方なら、安心して司を任せられます」
稔「お姉さんそれは誤解で・・・」


美幸「お姉ちゃん!」
司「きゃあ!?」
声をかけられ美幸が振り向くと、そこには自分が、いや自分の姿をした司が居た。
司「つ、司!?どうしてここに!?」
美幸「ごめんなさい、やっぱり心配だったから、朝からずっと二人をつけていたの」
稔「ひょっとして司・・・なのか?」
美幸「うん、稔くん、今はお姉ちゃんの姿だけど、私だよ」
司「朝からずっとってことは、さ、さっきわたしがホテルに入ろうとしていたところも見ていたの?」
美幸「うん、あれはさすがにびっくりしちゃった。一瞬、止めなきゃ、って思ったけど、なんともなくて良かったよ」
司「司・・・ごめんなさいね、お姉ちゃん、勝手なことしてしまって。お姉ちゃん、司の彼氏さんの本当の姿を知りたかったの」
美幸「お姉ちゃんが私と入れ替わった理由も、さっき聞かせてもらったよ。お姉ちゃん、私を心配してくれてたんだよね、私のほうこそ、最近お姉ちゃんに隠し事していてごめんなさい。やっぱり少し恥ずかしくて、なかなか言い出せなかったの」
司「いいのよ、司は謝らなくても。姉妹でも、言い出しにくいことってあるでしょうし。お姉ちゃん、今日一日吉水さんと一緒に居て、とても誠実でよい方だって分かったし、司の彼氏が吉水さんなら、お姉ちゃんも安心だわ。吉水さんも、これからも司のことをよろしくお願いします」
美幸は稔に向かってペコリと頭を下げた。
稔「つ、司のお姉さん、ちょっと・・・」
美幸「お姉ちゃん、それ違うの!私の話を聞いて!」
司「え?」
頭を上げた美幸は目をぱちくりさせた。

美幸「私と稔くんは付き合っていないの。稔くんは彼氏じゃなくて本当にお友達なの。今は・・・だけど」
最後の一言は、ほとんど聞き取れないぐらい小声だった。
司「ええっ!?それじゃ司とは、遊びだったのですか!?」
美幸「お姉ちゃん違うよぉ!稔くんとは一緒に遊びに行ったりするぐらい仲いいけど、告白とかはまだしていなくて・・・み、稔くんが彼氏だったらいいなぁって、わ、私は思っているけど、稔くんは・・・私のこと、本当にただの友達としか思っていないかもしれないし・・・って、ひゃあああ!わ、私、なに言ってるんだろう、み、稔くんごめん、私、勝手にいろいろ口走っちゃって」
司は稔のほうを見た後、顔を真っ赤にしてうつむいた。
稔「司」
美幸「ひゃっ、なっ、なに?」
稔に両手で肩をポンと掴まれた司は顔をあげると、そこには真剣な眼差しでこちらをみつめている稔の顔があった。
稔「こ、こんなときに言うのもなんだけど、俺は司のことが好きだ。最初は仲のいい友達ぐらいにしか思っていなかったけど、今は一人の女の子として、司のことが好きなんだ。お、俺と付き合ってくれないかな」
美幸「・・・・・・・・・・・・・」
稔「や、やっぱりだめかな、ごめん、突然こんなこと言って」
美幸「ううん、そんなことない、嬉しすぎて、言葉が出なかったの。わ、私も稔くんのことが・・・す、好き・・・」
好きと言った時点で司の顔は耳まで真っ赤になった。
それでも視線は稔をしっかりみつめており、笑顔には喜びの感情が溢れている。
美幸「こ、こんな私で良かったら・・・稔くんの彼女にさせてください」
稔「つ、司・・・」
稔は司を思わず抱き締めた。
美幸「稔くん・・・」
司も、最初はためらっていたが、やがて自分も稔の背中に両腕を回した。

司「ご、ごほん」
美幸はわざと咳払いをしてみた。
稔「あ・・・」
美幸「お、お姉ちゃん」
司「いい雰囲気のところ、申し訳ないのですけど、それ、わたしの身体ですので・・・」
稔「あっ」
美幸「きゃっ、そ、そうだった」
二人は慌てて体を離した。

司「これで二人は恋人同士というわけね。司、良かったわね。吉水さん、いえ、稔さん、わたしからも司のこと、宜しくお願いします」
美幸「お姉ちゃん・・・ありがとう」
稔「お姉さん、ありがとうございます、司は、俺が必ず幸せにします」

司「司の身体も早く元に戻してあげたいのだけど、あの薬、家に置いてきてしまったから、一旦帰らないと元に戻れないの」
美幸「いいよお姉ちゃん、別にそんなに急ぐことでもないし」
司「そう、それじゃ、今日はもう帰りましょうか。稔さん、それでは失礼します」
稔「はい、お姉さんもお気を付けて」
美幸「稔くん、明日にはまた元の私に戻ってるから、また明日から、よろしくね」
稔「ああ、また明日な」



美幸「ね、お姉ちゃん、明日の朝までお姉ちゃんの身体のままでいていいかな」
司「?構わないけど、司は早く元に戻りたいんじゃなかったの?」
美幸「エヘヘ、こうしているだけでお姉ちゃんに包まれているみたいでなんだかあったかくて気持ちいいし、私よりちっちゃいお姉ちゃんってのも可愛くて新鮮だし」
司は歩きながら、今は自分より身長が低くなっている姉に後ろから抱きついた。
司「きゃあ、司、もういきなりなんだから」
美幸「お姉ちゃん、私、稔くんと付き合うようになってからも、ずっとお姉ちゃんの妹だからね。大好きだよ、お姉ちゃん」
司「・・・うん、わたしもよ、司」



小夏「ふーん、じゃあ上手くいったんだ、未来の義理の弟もできたわけで、めでたしめでたしじゃない」
ここは以前、美幸が小夏から入れ替わりの薬を受け取ったファミレス。
今日はあのときのお礼としてお昼をおごるという約束を果たすため、美幸は小夏と一緒にまたここに来ていた。
美幸「それはたしかにめでたいのですけど、司が稔さんに会っているときはわたしは一人になってしまいますし、そういうときはやっぱり寂しくなってしまいます。ああ~つかさ~」
小夏「もー、それじゃ前となんも変わってないじゃん!いいかげん妹離れしたら?」
美幸「うう、そうは言いましても・・・」
小夏「うーん、ここはその稔くんを見習って、あたしもちょっと積極的になろうかな・・・」
美幸「?小夏、なにか言いました?」
小夏「よーし美幸、デートしよう!今からあたしとデート!いいわね?」
美幸「え、だから女同士で遊ぶのはデートとは言わないのでは」
小夏「いいから!あたしがデートと言ったらデートなの!妹さんと同じくらい、いやそれ以上にあんたのこと想っている人がいるってこと、教えてあげるから!」
美幸「え?え?どういうことですか?こ、小夏、ちょっと待ってぇーーー!」
会計を済ませ、美幸を引きずるようにしてファミレスを出る小夏。

外は、照りつけるようないい日差しが降り注いでいた。



完。
[PR]
by irekawari | 2007-06-22 23:13 | 女同士入れ替わり