白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
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狙われた少女 続き

椿「よ、四葉・・・あなた、やればできるじゃない」
椿がすっかり感心した表情で、霞を拘束している四葉のもとへ歩み寄っていく。

四葉「椿。我はこの人間の娘を連れて先に魔界へ帰る。お前は引き続きそれまでの間、そこに居る人間どもを足止めしておけ」
椿「なっ!?ちょっと四葉、隊長の私にむかってなにそんな偉そうな・・・」
自分の部下であるはずの四葉に「命令」されて椿は怒り爆発になりそうになる・・・が。
四葉が自分を見据える視線をみていると、ビクッと、椿の背筋に悪寒が走った。
椿「な、なに、あの刺すような視線・・・そしてこの溢れ出てくるようなオーラは・・・これってまさか・・・」
今の四葉の目には、椿が昨日謁見の間で見た、ある人物と同じ暗い光が宿っている。

椿「ま、まさか、魔王長さま!?な、なぜこのようなところに・・・」
四葉「やっと分かったか。説明不足だったことは詫びよう。でも、こうでもしないとその人間たちの油断を誘えなかったのだ。さっきも言ったとおり、我がこの者を連れて行く。椿はあの者たちを足止めしていろ」
椿「で、ですが、申し訳ございませんが私にはもう武器が・・・」
四葉「これを使うがよい」
四葉は胸元から小さめの箱を1つ取り出し、椿に向かって放り投げた。
椿はそれをキャッチし、さっそく開けてみた。
椿「こ、これはカード使い憧れの、魔界の最高級品、天任堂製のカード!?」
どうやら椿がさっきまで使っていたカードよりさらに高級なものらしい。
四葉「椿は無駄打ちが多すぎる。1つ1つきちんと狙いを定めろ」
椿「ははっ!!魔王長さま、ありがとうございます!」
椿は体が折れるほど深く、四葉に向かってお辞儀した。

四葉「では行くぞ、娘。私についてこい」
霞「きゃ・・・み、みんな」
四葉はいつの間にか霞の手を体の後ろで紐で縛り上げていた。
そしてそのまま、霞を連れて立ち去ろうとしている。

菜々子「あっ!霞ちゃんがさらわれちゃうよ!」
詩乃「なんだかよく分かりませんが、あの四葉って子、いつものチャランポランしたのとは別人みたいですわ!まともにいっても、敵いそうにありませんわよ!」
菜々子「でも!誘拐されてるんだよ!追いかけないと!」
詩乃「分かっていますわよ!でも、虎美さんもさっきの攻撃で・・・」
虎美「わたしは大丈夫だ・・・みんな、早く霞を追いかけるんだ・・・」
虎美が、痛みをこらえながらなんとか立ち上がる。
シュン!
シュン!
シュン!
菜々子「わっ」
詩乃「きゃあっ」
虎美「うっ!?」
突然、菜々子たち3人の腕に鋭い痛みが走る。
見ると、痛みを感じるところの服が刃物で切ったように綺麗に切れている。服の切れ目には赤い線が走り、そこから赤い血がツツ・・・と垂れている。
椿「うふふふ・・・どこへ行くのかしら?貴女たちの相手はこの私よ」
椿が両手の指の間にカードを差した状態で菜々子たちに迫る。
椿「魔王長さまからいただいた新しいカードの切れ味、貴女たちで試させてもらうわ!」




霞「はぁっ、はぁっ、わ、私をどこまで連れて行くの!?」
霞は四葉に引っ張られるように、四葉に腕をつかまれてずっと走らされていた。
ずっと走っていたため、あまり体力のない霞は早くも息があがっている。
四葉「ふむ・・・まずはこのあたりで休むか。」
人気のない空き地で立ち止まった四葉は、霞の腕を縛っていた紐を解いてやった。
霞「え?私を自由にしてくれるの?」
四葉「解放したりはせん。ただ、ここまで来ればもうお前は逃げられない。わざわざ腕を縛る必要がなくなっただけだ」
霞は四葉から少し離れ、四葉に気になることを質問してみた。
霞「あ、貴女は誰?見た目はいつもの四葉って人みたいだけど、今日は雰囲気が全然違う。それに、なんで私をさらうの?私みたいな、何の取り柄もないのを・・・」
四葉「ふっ、さすがにそれぐらいは分かるみたいだな。そうだ、私は四葉ではない。お前たち人間が住むこの世界とは別の次元にある魔界を統べる王・魔王長の理央だ。今はとある術を使って、四葉と我の身体を入れ替えている」
霞「か、身体を入れ替える・・・そんなことが・・・」
四葉「まあ、それはどうでもいい。重要なことでもない。お前が2番目に質問したことが、お前にとっても我にとっても重要なことだ」
霞「な、なんですか重要なことって・・・」
四葉「我は回りくどいのは嫌いだ。単刀直入に言うぞ。」
霞「は、はい・・・・・・・・・・・」

四葉「我はお前の母だ」

霞「えっっっ!!!」
四葉「そして霞、お前は魔界人である我と人間の男との間に生まれたハーフだ。我はずっとお前を探していた。そしてやっとみつけた。我と共に魔界で暮らそう」
霞「そ、そんな・・・あなたが私の・・・お、お母さん!?それに、私が・・・魔界人とのハーフだなんて・・・」
四葉「すぐには信じられないだろう。しかし、お前は今の両親が『本当の両親』ではないことぐらい知っていよう」
霞「それは・・・直接聞かされたわけじゃないですが、薄々分かっていました・・・でも、そんな・・・私のお母さんが人間じゃないなんて・・・」
四葉「心配するな。魔界は人間界より住みやすい。お前もすぐに魔界を気に入るだろう」
霞「い、いやあっ!私、行かない!あなたが私のお母さんだってまだ信じられないし、私には、大切な友達がいるの!」
四葉「まあ、すぐに全部を信じてもらえるとは思っていなかったが・・・少しだけ悲しいな。我は、十何年ぶりに霞に会えてとても嬉しいのだが、霞は、我と会えたことを喜んでくれないのだな・・・」
霞「そ、そんな・・・こと・・・急に言われても・・・」
突然、四葉が霞を抱きしめた。
四葉よりやや背が低い霞は、抱きしめられると、自分の顔がちょうど四葉の胸にうずもれる格好になる。
全身を包み込むこの感触。そして頬から、顔全体から伝わるこの暖かさ。
それは、霞自身はもうはっきり覚えていないが、幼い頃、霞が母に抱いてもらっていたときに感じた、母のぬくもりであった。






椿「ほーーーーーーほっほっほ!ほらほら、どうしたの人間!さっきまでの勢いはどこへ行ったの!?」
虎美「くっ・・・まずい、攻撃が激しくなってきている」
詩乃「いやーーーーーーっっ、わたくしの玉のお肌に傷がぁーーーーーっ」
菜々子「よっ、ほっ、はっ」
詩乃「って菜々子さん、なんで貴女だけほとんど無傷ですの!?」
見ると、菜々子は腕に1回攻撃を受けたぐらいで、あとは全然ダメージを受けていない。
菜々子「うーん、あたしって生まれつきラッキーだからかな?」
詩乃「そ、そうでしたわ、菜々子さんが宇宙一といっていいぐらい幸運の持ち主ということを忘れていましたわ」
椿「ちょっ・・・!あんた、大人しく私のカード攻撃を食らいなさい!」
菜々子「べーだ。あたしには効かないもんねー」
詩乃「なんか理不尽ですけど・・・これはチャンスですわ」
虎美「そうだな、こいつは私と詩乃でなんとかする!菜々子は、霞をおいかけてくれ!今なら、まだ間に合うはずだ!」
菜々子「うん分かった!虎美ちゃん、詩乃、あとよろしくね!」
椿「あ!こら!そこの小娘、待ちなさい!」
霞たちを追ってこの場から去ろうとする菜々子を、後ろから椿のカード攻撃が襲いかかるが、全て、紙一重のところでかわされ、当たらない。

詩乃「まったく、このわたくしが菜々子のバックアップだなんて・・・」
虎美「まあいいじゃないか、今はとにかく霞のことが第一だ」
詩乃「そうですわね、虎美さん。わたくしも、ただキャーキャー言うだけのお嬢様でないことを、この者に教えてあげなくてはね」
椿「ふん・・・なあに、そっちの縦ロールの子も、攻撃に参加するってワケ?でも、魔王長さまからいただいたこのカードがあれば、私は無敵よ!お前たちを片づけて、さっきの小娘も始末してあげるわ!」








そのころ、魔界では。
魔王長の理央に、半ば無理矢理お互いの身体を入れ替えられた四葉は、理央の代わりに理央として、魔王長の仕事をこなしていた。
今日は基本的に中の仕事ばかりで、他の次元の使者と会うというような、来客の相手をするようなことがないため、今のところは周りに入れ替わりがバレないで済んでいる。
だいたい仕事にも一区切りがつき、今は休憩時間である。
理央の身体の四葉は理央の私室に戻ってきて、椅子に腰かけ、机に突っ伏して休息をとっている。
理央「はぁ~、疲れた~。魔王長さま、いつもこんなにたくさんお仕事しているのか~大変だな~」
理央は上半身を起こして肩をトントンと叩いた。デスクワークのしすぎで肩が凝っている。
理央「今日は『たつや』の新作スィーツ発売の日だったのにな~。人間界に行ったときはいつも『たつや』に寄ってスィーツ買って帰るのが楽しみだったのに、今日は魔王長様と入れ替わっちゃってるから『たつや』行けないよ~、あーあー、食べたかったなー」

理央「うーん、でも、会う人会う人、みんなから『魔王長さま』って呼ばれるのは気持ちいいなー。みんな私に向かってペコペコするもんねー。」
そう言って、椅子から立ち上がった理央は、今度は壁に掛けてある、全身が映るほどの大きさの鏡の前に立った。
理央「顔はこーんなに美人だし。胸だっておっきいし。髪はサラサラだし、ドレスは素敵だし。言うことなしだよねー。もうずーーーっと、魔王長のままでいたいなー・・・、なーんて・・・」

理央「ん?待てよ?」

理央「ずーーっと、魔王長のままか・・・私が・・・魔王長・・・それもいいよね・・・うふ、うふふふふ・・・・・・」
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by irekawari | 2007-05-24 23:50 | 女同士入れ替わり