白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

狙われた少女

虎美「終わりだ」
ガスッ!
虎美の回し蹴りが四葉に決まる。
かなり手加減しているので、大したダメージではないのだが。
四葉「きゃああーーーっ!椿隊長~やられちゃいました~」
椿「四葉!あんたもうやられたの!私みたいにすこしは持ちこたえなさい!」
椿が懐から何十枚ものカードを取り出し、虎美に投げつける。
ただのカードではない。人間の皮膚ぐらい簡単に切り裂けるぐらいの鋭い切れ味を持ったカードだ。
しかし、それらを持ち前の素早い足運びで難なく避ける虎美。
虎美「攻撃がワンパターンだ」
椿「なにっ!しまっ・・・」
ドスッ
虎美の重い一撃が決まる。

四葉「うえ~ん、隊長だって一撃だったじゃないですか~」
椿「うるさい!お前がもう少しもちこたえていれば、今回こそあの娘を拉致できたんだ!とりあえず撤退するぞ!」
四葉と椿はワーワーわめきながら逃げていった。

菜々子「やったーーー!今回もあたし達の大勝利ーーー!!」
詩乃「菜々子さん、貴女は何もしていませんでしたけどね。今回もほとんど虎美さんが一人で退治したようなものですわ」
虎美「わたしは・・・大したことはしていない・・・」
霞「ううん、虎美さんも詩乃さんも、菜々子ちゃんも全力で私を守ってくれていたよ。本当にありがとう」
菜々子「うんうん、霞ちゃんが無事でホントよかったよ!」
詩乃「霞さん・・・あんまり菜々子さんを褒めたら調子に乗りますわよ?」
菜々子「えー、詩乃ひどーい!ちゃんと虎美ちゃんを応援してたじゃん!それにあたしだってあの四葉って人に跳び蹴り決めたもん!」
詩乃「避けられたじゃないですか!なに勝手に当たったことにしてるんですの!」
菜々子「ちゃんと狙ったのにな~。やっぱり全員で名乗りポーズ決めていないから気分が盛り上がらないんだよ」
詩乃「なんですの、またお得意のヒーローものですの・・・頭痛いですわ」
虎美「しかし・・・こうまでして連中が霞を狙う理由はなんなんだろうな」
詩乃「そうですわね。容姿端麗、文武両道で家柄も良いわたくしが、わたくしの美貌や身代金目当てで狙われるのならまだ分かるのですが・・・」
菜々子「詩乃のスッピン見たら誰も誘拐する気なんて起こらないよ。それより霞ちゃん、誘拐される心当たりある?」
詩乃「ちょっと菜々子さん!貴女なにさりげなく暴言吐いてるんですか!!」
霞「え・・・私は・・・何の取り柄もないし・・・心当たりなんて・・・」
菜々子「やっぱり謎のままか~、ま、大丈夫だよ!次にあいつらが襲ってきても、またあたし達が霞ちゃんを守るから!」
詩乃「相変わらずノーテンキな思考の持ち主ですわね・・・」




狙われた少女




ここは人間が住む人間界とは別の次元にある、魔界。
魔界を統べる王・魔王長の理央(りお)の謁見の間で、隊長の椿と一般戦闘員の四葉が今回の任務の報告をしている。
椿「魔王長さま、申し訳ございません、今回もあの霞という人間の娘の拉致に失敗してしまいました・・・」
四葉「も、もうしわけございません~」
理央「人間ひとりさらってくるのに、いつまで手間取っている」
椿と四葉が居るところより数段高いところに玉座があり、その玉座に一人の女性が座っている。
髪は薄い茶色で背中までの長さがあり、こめかみから耳の前を通って前に2本垂らし、背中に流している髪も2本に分かれており、それぞれの先で布で縛っている。
胸元の開いた黒いドレスを着ており、袖は肩のところで広がっている、パフスリーブになっている。
ドレスの上からさらに黒いマントを羽織っていて、マントには大きく三角形に広がっている襟がついている。
耳が三角に尖っていて、頭から2本の角が生えているのは椿や四葉と同じだが、その角が巻き貝のごとく1回転分ねじれた後に、天に向かって伸びているのが、特徴的だ。
理央は部下の失敗に対して特に怒っている風でもなく、ただ、冷ややかな視線を二人に向けている。
椿「はっ、人間にもかなり手練れた者がおりまして・・・つ、次こそは必ず!」
理央「ふん。もうよい、下がれ」
椿「は、ははぁっ!」
四葉「し、しつれいします~」
理央「四葉。」
四葉「は、はいぃっ!?な、なんでございましょう、魔王長さま!?」
理央「お前に話がある。後で我の部屋に来るがよい」
四葉「えええっっ!?わ、私ごときが魔王長さまの部屋にですか!?」
椿「いい機会だ。魔王長さま直々に、たっぷりお仕置きされてこい」
四葉「ええええーーー!た、隊長~、そ、そんな~」
理央「夜10時に来い。遅れるなよ」
それだけ言って、魔王長は謁見の間から出て行った。
四葉「うええーん、痛いのはイヤです~」



そして夜10時。
コンコンと、魔王長の私室のドアをノックする音がする。
四葉「し、失礼します。魔王長さま、四葉です~」
理央「時間どおりだな。よし、入れ」

四葉「え、えーと、罰は、掃除とか洗濯ならいくらでもしますから、痛いのだけはご勘弁していただけないでしょうか~」
理央「なんだ、痛いのとは」
四葉「え?わたしがいつも仕事でドジしてるから、魔王長さまお怒りになって、わたしにいろいろお仕置きとかされるために呼ばれたのではないのでしょうか~」
理央「違う。そんなことなら椿を通してやらせる。私がお前をここへ呼んだのは、お前にあるものを貸してもらうためだ」
四葉「か、貸す?わたし、お給料少ないからお金あんまり持ってないんですが・・・」
理央「金ではない。なに、すぐ分かる・・・では、いくぞ」
四葉「え・・・わ・・・きゃあっ!!??」








次の日。
ここは人間界、菜々子・詩乃・虎美・霞が通っている、私立青雲高校。
菜々子がいるクラスに、転校生がやってきた。
朝のホームルームで、その転校生が自己紹介をしている。
あかね「ウチは高槻あかね(たかつき あかね)いいます!趣味は発明!なにか困っていることがあったらなんでも言うたってや!ウチの発明で万事解決してみせるで!」
菜々子「詩乃、詩乃!ねえねえ、転校生だよ転校生!新しい仲間の予感だよ!あの子って、絶対5人目の仲間だと思わない!?」
詩乃「なんですの、5人目って・・・戦隊ヒーローの見過ぎですわ」



そして放課後。
菜々子「あれ~、ねえねえ詩乃、今日転校してきたあのあかねって子、知らない?」
詩乃「知らないですわよ。知っていたとして、どうなさるおつもりでしたの?」
菜々子「もちろん、あたし達の仲間になってもらうの!これで5人揃うよ!5人揃ったら、みんなの色決めなきゃね!あ、赤はあたしの色だから、詩乃は別の色にしてね!」
詩乃「色なんて決めません!ヒーローものから離れてなさい!」


菜々子「でね、でね、今日あたしのクラスにあかねって名前の転校生が来てね、発明好きらしくて、これはもう絶対仲間になってもらわなきゃ、って思ったわけよ!」
霞「菜々子ちゃん、そのあかねって人とまだお話もしていないのよね?ちょっと急すぎなんじゃ・・・」
虎美「そうだな。菜々子がヒーローに憧れるのはいいが、いきなり仲間、ではその人も訳が分からないだけだ」
詩乃「まったく、菜々子さんは考えなしなんですから・・・」
今日も今日とて、4人は一緒になって下校していた。

虎美「ん・・・危ない、みんな伏せろ!」
虎美が瞬間的に霞をかばう。
カカカッ
虎美の足下に、いくつものカードが刺さっている。
椿「ほっほっほ、今日こそその娘をいただきますわ」
近くの塀の上に、見慣れた女性二人組が立っている。
頭に角が生えていて、一目で人間でないと分かる。
四葉「きょ、今日こそリベンジなのです~とあっ!」
四葉が塀から飛び降り、虎美に向かってまずは先制の一撃を加えようとする。
四葉「きゃうん!」
虎美「まだまだだ」
虎美の正拳突きが決まり、四葉は速攻で膝をつき、倒れ込んでしまう。
椿「四葉!またあんたは速攻でやられて!!ったく、またあたしが踏ん張らなきゃいけないじゃない!」
椿はまた懐からカードを取り出し、虎美や菜々子、詩乃たちに狙いを定める。
菜々子「よーし今日こそ名乗りポーズを決めるんだ!」
詩乃「菜々子さん、貴女この非常時になにしようとしてるの!」
戦闘能力を持っていない菜々子と詩乃はカミソリのような切れ味のカード攻撃を避けるのに精一杯だ。
虎美「霞、安全なところに離れているんだ!」
霞「は、はい」
虎美は霞に離れているよう指示し、自分は遠くへ移動し、できるだけ椿をひきつけようとした。
椿「ふっ、私もそう何度もやられなくてよ!」
椿が、いつもより倍以上のカードを取り出し、虎美に投げつける。
虎美「うおおっ!」

虎美と椿の一騎打ちが始まって数分。
椿はカードを打ち尽くしていた。
虎美「もう武器はなくなったようだな」
椿「ちっ、まだまだこれからよ!」
虎美が椿を仕留めようと、ダッシュで近づいていたとき。
ドォン!
突如、光の球が虎美を襲った。
虎美「ぐっ!?」
不意の攻撃をくらい、地面に倒れる虎美。
菜々子「と、虎美ちゃん!?」
詩乃「な、なにが起こったんですの?」

四葉「ふふふ、椿、よくその者を引き留めていてくれました」
霞「み、みんな・・・ごめんなさい」

菜々子「霞ちゃん!?」
詩乃「霞さん!?」
虎美「か・・・霞・・・」
椿「え!?四葉・・・あなた・・・」

見ると、四葉が霞の後ろに立ち、右腕で霞の首を押さえて、左手で、霞の腕を後ろで捻り上げている。
腕を捻られていることへの痛みか、霞の表情が少しだけ歪んでいる。
四葉「下等な人間たち。この娘の命が惜しければ、そこから一歩も動かないことね」
いつもの頼りない口調とは違い、今の四葉の言葉には、やけに冷酷な響きがする。
虎美「くっ・・・」
菜々子「え!?なに!?だるまさんが転んだやるの!?」
詩乃「あんたは黙ってなさい!」

椿「よ、四葉・・・あなた、やればできるじゃない」
椿がすっかり感心した表情で、霞を拘束している四葉のもとへ歩み寄っていく。







続く。





後書き。

劇中、特に明記していなかったのですが、理央は女性です。素っ気ないしゃべり方なので、男だと思った方がいるかも(汗)。というわけで、理央の外見に関する描写をちょっと付け足してみました。


名前の由来は

『菜々子』
『詩乃』
『あかね』

が、「未影」先生の漫画「イチロー!」より
「小西ななこ」
「紫詩乃」
「中澤茜」から。


『虎美』

が、格闘ゲーム「あすか120%」より
「北条虎美」から。


『霞』

が、格闘ゲーム「DEAD OR ALIVE」シリーズの「かすみ」・・・ではなく、コバルト文庫の「立原とうや」先生の「双貌の救世主 ダークサイド・ハンター」より、
「霞美(かすみ)」から。
邪悪な存在に身体を乗っ取られてしまう女性の名前なのです。気弱で大人しい性格で、ほおっておくとまさに存在そのものが霞んでしまいそうなぐらい儚げな女性で、名前と性格がぴったり一致しているので印象に残っていました。


『理央』

が、「まんがタイムきららキャラット」の2007年6月号で連載を終了した「蒼馬みずき」先生の「ご近所魔王。」より
「莉央(りお)」から。
「大魔王長」という役職に就いていたり、頭に角が生えていたりと、性格やしゃべり方以外の見た目は元ネタをほとんどそのまま使っています。


「椿」と「四葉」は元ネタ無し。
上司と部下という、関わり合いの強い二人なので、一応「植物関係」ということで統一感を持たせてみたり。
[PR]
by irekawari | 2007-05-23 23:53 | 女同士入れ替わり