白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
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女忍者ユズハと女プリーストミリィ 第3回

「はっ」
ユズハは目を覚ました。
頭がぼーっとする。
ずいぶん長いこと眠っていた気がする。
眠りすぎたためか、頭がうまく働かない。
まだぼーっとする頭をさすりながら、床に倒れていた状態から上半身だけをゆっくり起こす。
頭をさすると、自分の長い髪が指に絡まる。

えーっと、あたしはダンジョンの一番奥まで来て・・・

そうだ、ミリィを探しに来たんだ!!

ユズハは一番肝心なことを思い出した。
ミリィを探して、ダンジョンの一番奥の真っ暗な部屋に入って・・・あの、人間の女性型のモンスターがいたんだ。
黒いドレスを着た、白い肌の、心臓が動いていない、「もう死んでいる女」。
そういえばあの女になにかとんでもないことを言われた気がするけど、なにを言われたんだっけ。
「痛っ」
思い出そうとすると、頭痛がする。
ユズハは思わず、もう片方の手を頭に添えて、両手で頭を押さえた。
だいぶ意識ははっきりしてきたのに、頭の奥にもやがかかったように、「ここでなにがあったか」がうまく思い出せない。
ミリィに関することも聞いた気がするんだけど・・・

ユズハは不意に、黒いドレスの女にキスされたことを思い出した。
そして、湧き水があふれ出すかのように、「キスされた後」のことも次々と思い出してきた。
「キスされて舌入れられて、あたしかなり気持ちよくなって・・・あ、あたし、そのうち自分から舌絡めたり胸押しつけたりしていたような・・・うわっ恥ずかし、あたしったら何やってんだろう」
自分の痴態を思い出したユズハは、恥ずかしさのあまり、頭を押さえていた両手を離し、空いた両手で今度は自分の頬を押さえた。恥ずかしさで真っ赤になっているであろう、自分の顔を隠すために。

あれっ。

ユズハは違和感を感じた。自分は今たしかに「恥ずかしい」と思っているのに、顔がちっとも熱っぽくなっていない。自分の顔が赤くなっていない。
むしろひんやりと、冷たい感触がする。
この冷たい感触は、ついさっきまで自分の肌を通して感じていた気がする。
自分がさっき出した声にも違和感があった。
あたしってこんな低い声だっけ。
ユズハは自分の頬を押さえていた両手を離してみた。
手首に、ゆったりした布の感触がする。
サラリ
衣擦れの音がする。
自分の手首に、三角形に広がった、姫袖と呼ばれる形状の袖が見える。色は黒。袖の先には、たっぷりとしたフリルがついている。
あたしの服じゃない。
ユズハは瞬時にそう思った。
ユズハの着ていた忍者服はフリルなんて華美な装飾はないし、ノースリーブなので袖はないはずだ。そもそも忍者服の色はユズハの髪と同じ青色で、このような黒ではない。
この服はあたしの服じゃない。じゃあ、あたしはいったい誰の服を着ているの?
眠っている間に、誰かに着替えさせられた?
ユズハはさらに手首を上げて、自分の目の前に持ってきてみた。

「はぁっ!?」

白い。
自分の手が異様に白い。
さっきは服に気をとられていて気付かなかったが、ユズハは、自分の手がまるで石膏で出来ているかのように白いことに気付いた。
「な、なにこれ」
白いというより、むしろ青白い。
まるで血が通っていないかのようだ。
明らかに、正常な人間の手ではない。

この白い手。フリルのたくさんついた、ドレスのような服。
それらのキーワードから浮かび上がる、ある一つの存在。
そうだ、あたしは「それ」をよく知っているじゃないか。
最初は恐怖を感じ、怯え、失禁までしたその存在。
もやがかかっていたユズハの思考が、どんどんはっきりとしたものになっていく。

ユズハは床に手をつき、ゆっくり身体を起こしながら、立ち上がった。
ふわりと、ユズハが着ている服の裾が広がる。
「こ、これは・・・」
首元から肩、胸、腰、お尻、足。身体のあちこちを両手でせわしなく触ってみる。
チョーカー代わりに首に巻かれた革のベルト。
胸元が大きく開いていて、あとはほとんど身体を覆っている衣装。
スカートは大きく広がっているが、引きずっているためか、裾がボロボロに破れている。
太ももから足先まで黒のストッキングを履いているが、靴は履いていない。裸足だ。
そして髪。
自分の頭から伸びている髪をかき寄せ、手でつかんで目の前に持ってくる。
色が青、というのはたしかに自分の髪の色だが、この髪はもっと色が薄い。そして、自慢ではないが、あたしの髪はここまでサラサラではなかったはずだ。
頭の上をさわると、頭頂部からやや額寄りのところに、なにやら尖ったものが乗っている。さわった感触からして、ティアラのようなものが頭に乗っかっている。

これはいったいどういうことなのか。
自分が、あの女のドレスを着ていて、髪や肌の色まで、あの女と同じになっている。
いや、あたしがあの女とそっくりになっているというよりは、
むしろ、あたし自身が・・・


「なに!?なに!?まさか・・・・・・」
その考えに至ったとき、あまりの事態に手足が震えてきた。
「あ、あ、あたしの身体、どうなってんの!?」
顔だ。
自分の顔は今どうなっているのか。
今一番、自分の顔が見たい。
ぺたぺたぺたぺたぺたぺた。
両手で、自分の顔を押さえては離し、押さえては離しを繰り返すユズハ。
しかし、そんなことをしても、自分の顔が今どうなっているのかは、はっきりと分からない。
ただ、自分の顔も、顔を押さえている両手そのものも、氷のように冷たいのははっきりと分かる。
「不安」なんて生易しいものではない。
「自分」が、「自分」じゃないモノになっているかもしれないという、言いしれぬ恐怖。
ユズハは自分の顔を両手で押さえたまま、頭を前後左右に振り、長い髪を振り乱して叫んだ。
「なに!?なに!?なに!?あたしの顔は!?どうなってんのよ!?いったい、あたしは誰になってんのよ!?」





「貴女は私と入れ替わったのよ、ユズハ」






「は」

後ろから声をかけられ、ユズハは間の抜けた声を出し、顔を両手で押さえた状態のまま、声のしたほうへ振り返った。
最初、あの黒ドレスの女が現れたのだと思い、ユズハは身体を硬くし、身構えた。
しかし、顔を押さえている自分の指の間から見えるその人物は、黒ドレスの女ではなく、もっと、自分がよく知っている人物だった。

そこには、自分が・・・ユズハが居た。




「あ・・・あたし!?」
ユズハが、自分の顔を覆っていた両手をゆっくり下げながらつぶやく。
ユズハから2~3メートル離れて立っているもう一人の「ユズハ」は、両手で自分を抱きしめるようなポーズのまま、にこやかに微笑んでいる。
「なに!?なんで!?あたしが・・・そこに居るの!?」
目の前にいるもう一人の「ユズハ」は、本当にユズハそっくりだった。
東方の民族衣装である「キモノ」を使用した、特徴ある形状の忍者服を着ている。1枚の布だけで構成されていて、それだけで胸から腰・お尻までの、胴体を覆っていて、腰の帯で縛っている。胸元は大きくはだけていて、形のよい豊かな乳房が半分ほど露出している。
脚は太ももの中ほどから黒のニーハイソックスを履いていて、足先は「ワラジ」という、これまた東方の履き物を履いている。
忍者服には袖がなく、二の腕が丸々露出している。肘から先、手の甲まで「小手」と呼ばれる防具をはめている。
髪は快晴の青空のような青で、頭の後ろで簡素な紐で縛ってボニーテールにしている。
首もとには地面に着くぐらいの長さの、マフラーのような赤い布を巻いている。





まだ続きます。
完結まで書いていると・・・まだあと3回ぐらいかかるかも・・・(汗)
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by irekawari | 2007-05-15 23:53 | 女同士入れ替わり