白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
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バレンタイン大決戦!! ~恋のライバル同士の入れ替わり~

2月14日、バレンタインの日。
女子が男子にチョコレートをプレゼントし、それと共に男子に愛の告白ができる、まさに女子にとっては一大イベントの日。
バレンタイン当日を迎え、ここ私立館林高校にも、とある一人の男子への告白に向けて、愛の炎を燃やしている、二人の少女がいた。



2月14日、早朝。
まだ登校する生徒もまばらな、朝の早い時間帯。館林高校への通学路で、学校へ向かって全速力で駆け抜けている一人の女子がいた。
沙枝「うー、朝まで徹夜でチョコ作っていたからちょっと眠いよー、でも、いそがないと他の女子に先を越されちゃう!とくに、あの女には負けたくないし・・・」
後ろで三つ編みにしている一本のお下げを上下に揺らしつつ、館林高校一年生の古川沙枝は、今朝完成したばかりの手作りチョコが入った紙袋と学生鞄を抱えつつ、全速力で駆けていた。
髪は黒で、後ろで一本の三つ編みのお下げにしていて、顔も可愛いことは可愛いが、美人というほどでもなく、パッと見は地味。スカートの長さも、膝上ぐらいで普通。全速力で走っているが、特に人並み以上に速いわけではない。ただ、セーラー服の胸のところの2つのふくらみはやたら大きかった。Dカップはあろうか。

パッパー。

学校へ向かって駆けている沙枝の後ろから、車のクラクションが鳴る。
そしてゆっくりと、人が走るぐらいの速さで、黒塗りの高級車が沙枝の後方からやってきて、沙枝の横に並んだ。
沙枝「げっ、この車は」
沙枝はその車に見覚えがあった。
美麗「おーーーーほっほっほ。そんなに走っていては、せっかくのチョコもグチャグチャになってしまいませんこと?そのようなものを沖浜先輩に差し上げようなんて、やっぱり庶民の方は礼儀というものを心得ておりませんね」
車の後部座席のウインドーが開き、中から、金髪縦ロールの髪型の女性が、高笑いをあげつつ、優雅に微笑みながら沙枝に話しかけてきた。
神条美麗、神条財閥の一人娘である彼女も、沙枝と同じ、館林高校に通う一年生である。
沙枝「出たわね美麗、ふーんだ、あたしのは中身が動かないようにがっちり固定しているから、大丈夫なのよ!それにあんたもバレンタインの朝ぐらい、自分の足で歩きなさい!」
美麗「勝手に人を呼び捨てにするんじゃありませんわ!貴女とわたくしはライバルであって、友達でもなんでもないのですから!それに高貴な身分の者は自分の足で歩くなんてことはしないものです」
沙枝「なによ、同級生でタメなんだからいいでしょ別に!それより、あたしより先に学校に行って沖浜先輩にチョコ渡そうとしてもそうはいかないわよ!」
美麗「おーーーーほっほっほ、勝負は勝てばよろしいのよ。それでは、ごきげんよう」
車がさらにスピードを上げ、車と沙枝の距離が開くにつれ、美麗の高笑いがだんだん小さくなっていく。
沙枝「ひきょー者!ライバルを自称するなら、正々堂々勝負しなさいよ!ちょっと、待ちなさーーーーい!」
息を切らせつつ、沙枝も、学校への足をさらに早めた。



沙枝も美麗も、館林高校で現生徒会長を務める二年生の沖浜政志に恋をしていた。
二人は沖浜政志をめぐってなにかと対立しあい、いつしか、二人はお互いをライバルだと思うようになっていた。
そしてバレンタインの日を迎え、今日こそはライバルを出し抜き、自分こそが沖浜先輩に愛を告白しようと思っていた。
まあ、告白したからといって必ずしもOKがもらえるわけではないが、まずは、ライバルより先に告白することが優先だ。

沖浜政志はいつも学校に来るのが早い。今なら、生徒会室にいるだろうか。
冬なのに汗を流しつつ校門を通りすぎた沙枝は、校庭に美麗が乗ってきた黒塗りの高級車が止まっているのが見えた。
沙枝「美麗、もう着いちゃってるよ。こうなったら、先輩が居そうなところを先回りするしか・・・」
そう思い、沙枝は急いで校舎の中へ駆けていった。

美麗「えーっ、沖浜先輩、教室にはいらっしゃいませんの!?」
美麗が沖浜政志のクラスで、クラスメイトに沖浜の行方を尋ねると、生徒会室のほうへ行ったと教えてくれた。
美麗「回り道してしまいましたわ、ひょっとしたら古川さんがもうそちらに向かっているかも・・・急ぎませんと!」
クラスメイトの者にお礼を言い、美麗も、生徒会室へ向かって早足で歩き始めた。

美麗は、人のいるところでは早足だったが、人のいないところでは、つい気が焦って走り出してしまった。
あと1階分階段を上がって、廊下を曲がればそこが生徒会室だ。

沙枝は、校舎の外にある非常階段を駆け上がっていた。校舎の中を通るより、こちらのほうが生徒会室に着くのが早いためだ。非常階段を、生徒会室がある階まで登り切り、校舎の中に入った沙枝は、その勢いのままダッシュで廊下の角を曲がろうとした。
そして、沙枝が廊下の角を曲がりきったその先に、校舎内の別の階段から上がりきって、今まさに生徒会室に向かって走り出そうとしていた神条美麗の姿が見える。
沙枝「えっ、美麗!?」
突然目の前に現れたライバルの名を口にする沙枝。
突然声を掛けられ、思わずそちらを振り向く美麗。
美麗「ふ、古川さん!?きゃ・・・」
お互いに走り始めていた二人は、急には止まれず。

ごーーーーーん。

激しく、お互いの頭と頭をぶつけてしまった。

その勢いのまま、重なるようにして廊下に倒れ込む沙枝と美麗。
手に持っていた、チョコレートの入った紙袋が沙枝のと美麗のと、それぞれ二人から離れたところに落ちる。
美麗「いたたたた・・・」
沙枝「い、痛いですわ・・・」
頭をぶつけた痛みのためか、二人とも頭を手で押さえている。
沙枝「ちょっと古川さん、いつまでわたくしの上に乗っかっているつもりですか?早くどいてくださいまし!」
美麗「ご、ごめん美麗・・・」

美麗は、自分の上に覆い被さっている沙枝の顔を見た。

沙枝「え?わ、わたくし?」

美麗の顔のすぐ上には、なんと自分の、美麗の顔があった。


美麗「え?な、なに?」

まだ痛みのため頭をさすっていた沙枝は、自分が乗っかっている、美麗の顔を見た・・・が。

沙枝「あ、あたし・・・の顔!?」

そこには、驚きの表情の、自分の、沙枝の顔があった。


二人は上体だけを起こし、廊下に座り込んだまま、お互いの顔に両手を当てた。
沙枝「わ、わたくしがいますわ・・・」
美麗「あ、あたし・・・よね?」
沙枝「あ、貴女どなたですの!?」
美麗「あ、あんた誰よ!?」

沙枝「わ、わたくしは高貴なる神条財閥の一人娘、神条美麗ですわ!」
美麗「あ、あたしは古川沙枝よ!」

沙枝「・・・・・・・・・・・・」
美麗「・・・・・・・・・・・・」

二人はお互いの顔に両手を当て、ぼうぜんとした表情のまま。

沙枝「いやああああああああああ!!」
美麗「うわああああああああああ!!」

沙枝「か、身体が入れ替わっていますわ!」
美麗「か、身体が入れ替わっている!?」




沙枝と美麗は、お互いに強く頭をぶつけたショックで、お互いの心と身体が入れ替わってしまっていた。




二人はひとしきり叫んだ後、立ち上がって離れ、お互いの身体を手で触ったりして確認し始めた。
美麗「あ、あたしの髪、縦ロールになっちゃってるよ・・・」
美麗が、視界の端に映る、金髪の綺麗に巻かれた縦ロールをおそるおそる手で触ったりしている。

沙枝「いやですわ、わたくしが、庶民の身体になってしまうなんて!」
沙枝が、身をくねらせてイヤイヤをしている。
沙枝「わたくしの自慢の髪も、こんな枝毛だらけの質素な髪になってしまって・・・」

美麗「枝毛なんて無いわよ!なに勝手にねつ造してんのよ!庶民だからって偏見で見ないでよね!」

二人はしばらく口げんかしていたが、はたと、大事なことを忘れていることに気づく。
美麗「そうだった!」
沙枝「チョコレートですわ!」
美麗と沙枝は、慌てて廊下の床を探す。お目当てのチョコレートは、二人から1~2メートル離れた廊下の床に落ちていた。
美麗は「沙枝の持ってきたチョコレート」を、
沙枝は「美麗が持ってきたチョコレート」を、それぞれ手に取る。
美麗「だ、大丈夫そうね。そんなに汚れてもいないし」
美麗が、自分が徹夜して作ったチョコレートの包装についたわずかな汚れを、手で丁寧に払う。
沙枝「もう、もし割れでもしていたら、どうしてくださるんですか!?」
美麗「わ、悪かったわよ。でも、美麗だってあのときかなりスピード出してたじゃない。なによ、高貴な者は自分の足で歩いたりしないんじゃなかったの?」
沙枝「そ、それは、わたくしも焦っていたんですのよ!」

とりあえずチョコレートが無事そうなことに安堵した美麗と沙枝。

沙枝「それでは、ごきげんよう。沖浜先輩への一番乗りは、わたくしがいただきますわ」
美麗「ああっ、ここまできて抜け駆けする気!?ちょっと待ちなさい!」
沙枝「抜け駆けなんて、人聞きの悪い!勝負は勝った者が偉いのですわ!」
美麗「行かせるかーーーっって、ちょっと待って!」
美麗も沙枝に続いてまたも走りだそうとしたが、急に沙枝の服の端を掴み、立ち止まった。
沙枝「きゃっ、な、なんですの!?」
美麗に急に服をつかまれ、転びそうになる沙枝。
沙枝「危うく転びそうになるところでしたわ。古川さん、力づくで止めるなんて、はしたなくてよ!」
美麗「そうじゃなくて」
美麗は片手の平を前につきだして、「ストップ」のジェスチャーをする。
美麗「なんかよくわかんないけど、美麗とあたしが入れ替わっちゃってるんでしょ?今はあたしが神条美麗で、美麗が古川沙枝になってる」
沙枝「そのとおりですわよ?それが何か?」
早く沖浜先輩にチョコを渡したい沙枝は、身体が入れ替わっていることすら、今はあまり重要ではないらしい。
美麗「だから、今美麗があたしの身体で先輩に告白して、もしも、もしも先輩がOKしてくれたら、美麗じゃなくて『あたし』が先輩とつきあうことになるでしょーが」
沙枝「あっ・・・・」
沙枝は怪訝な表情だったが、ようやく納得したようだ。
沙枝「そ、そういえばそうですわね」
美麗「逆に、あたしが先輩にチョコ渡しても、美麗が先輩とつきあうことになっちゃうじゃない。つまり、今のこの身体が入れ替わった状態じゃ、先輩にチョコ渡せないんだよ!」
沙枝「そ、それは困りますわ!」
美麗「あたしだって困るよ!とりあえず・・・なんとかして元の身体に戻らないと!」









後書き。

バレンタインの日に、同じ男性を好きになっている、恋のライバル同士が入れ替わったら困るだろうな~と思って、勢いで書いた話。
勢いで書いたので、この後の展開は考えていません、とりあえずこの話はここでおしまいです。

あと「金髪縦ロールのお嬢様」を入れ替わらせてみたかったので、恋のライバル同士二人のうち一人を、金髪縦ロールのお嬢様にしてみました。
縦ロールの部分とか、もうちょっと詳しく書きたかったです。
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by irekawari | 2007-05-11 23:50 | 女同士入れ替わり