白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
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新妻・渡会吹雪

第1話「今晩の約束」





瀬川吹雪(せがわ ふぶき)と渡会啓介(わたらい けいすけ)は共に23歳。
現在、二人は新婚さん状態である。

吹雪と啓介は共学の高校で知り合い、そこで付き合い始めて、高校卒業後も一緒の大学に進学し、大学4年の冬に啓介が吹雪にプロポーズ、そして今年の春、大学卒業と同時に二人はついに結婚、瀬川吹雪は渡会吹雪となった。
啓介はとある商社に就職。
吹雪は家庭に入り、主婦をすることになった。
新婚生活にあたり、とある住宅街に新居を構えることにした。一戸建てで、ローンもかなりのものだが、二人で頑張って返していこうということで、購入を決意した。
そして新婚生活が始まって1ヶ月を過ぎた、5月のとある日。




ここは閑静な住宅街。
朝の早い時間ながら、朝練に向かう学生や電車通勤の会社員など、通りを行き交う人々は結構多い。
そんな住宅街の中のとある一軒家の玄関からスーツ姿の男が一人出てきて、エプロン姿の女性が一人、後から追うように出てきた。
エプロン姿の女性はスーツ姿の男に、包みに入った弁当を手渡している。
吹雪「啓介さん、はい、これ今日のお弁当」
啓介「うん、ありがとう吹雪」
吹雪「忘れ物はない?」
啓介「うん、ないよ」
吹雪「それじゃあ、これはいつもの・・・」
そう言って吹雪は膝を少しだけ曲げて背を低くし、自分の顔の高さと啓介の顔の高さを合わせる。
そして両手の細くしなやかな指で啓介の両頬を包み、吹雪は自分の唇と啓介の唇に重ねた。
朝からラブラブな行為をしている二人は、通りからでも目立つ。
通りを歩く人からの視線が二人に突き刺さる。
しかし吹雪は周りからの視線など気にしていない様子で、十数秒間、自分の唇を啓介の唇に重ね続けた。
一方、キスされている啓介は顔を真っ赤にして、かなり動揺している風に見える。
十数秒間経ち、吹雪は自分の唇を啓介の唇から離して、啓介の頬を覆っていた両手も啓介の顔から離し、自分のお腹のところで指を組み、天使のような笑顔で
吹雪「行ってらっしゃい、啓介さん」
と、見送りの言葉をかけた。
啓介「う、うん、吹雪、行ってくるよ」
啓介の返事は声が少しうわずっていて、まだキスの動揺の後が伺える。顔もまだ赤い。
吹雪と啓介は長い付き合いなので、当然セックスなども何度も経験している。それなのに、なぜさっきのような「キスをするのは今日が初めて」みたいな反応をしているかというと、二人がいい意味で「純」な性格で、二人の関係も夫婦というよりは、付き合い始めたばかりの恋人同士のプラトニックな関係を今でも続けている、といったほうが近い。
なので、新婚生活を始めて以来、仕事に行く日は毎日してもらっている吹雪の「行ってらっしゃいのキス」に対して、啓介は未だにああいう反応をしてしまうのだ。

吹雪「あっそうだ啓介さん、美智子さん、明日の朝早くにこの街を発つらしいの。今日の夕方美智子さんと会う約束をしているから、お別れの挨拶してきますね」
啓介「ああ、あの高校生の横田美智子ちゃん・・・だったよね、先週の日曜日もうちに来てたあの子。たしか引っ越し先は・・・」
吹雪「九州ですね」
啓介「遠いなあ。俺は1回しか会ってないし、あんまり仲良くもなれてないけど、吹雪はここ二週間ぐらい、毎日会っていたみたいじゃないか。寂しいんじゃないか?」
吹雪「寂しいし、九州は遠いけど、絶対会えないわけじゃないですからね。正直、今のうちの台所事情だとすぐに美智子さんに会いに行くことはできないけど、また機会をみつけて、会いに行きたいと思ってるわ。美智子さんは私がこの街に来て出来た、大切な友達ですから」
啓介「うん、そのときは俺も一緒に行くよ。俺も、今度こそちゃんと美智子ちゃんと友達になりたいしね」
吹雪「啓介さん、ありがとう」
感謝の気持ちを込め、吹雪は啓介に軽く抱きついた。
吹雪は啓介に対しては、好意をそのまま行動で示すことが多い。

啓介「そうだ吹雪、俺からもひとつ言い忘れていたことが・・・」
吹雪「なんですか啓介さん?」
啓介「こ、今夜、あ、あれ・・・いいかな?」
啓介が、さっきのキスのときほどではないが、顔を少し赤くして吹雪に尋ねる。
そして今度は、啓介以上に吹雪の顔が真っ赤になった。
顔も恥ずかしさのためかやや俯き加減になっていたが、やがて顔と視線をはっきり啓介に向け、やや恥じらいながらも笑顔で返事をした。
吹雪「は・・・はい、私はいつでもいいです・・・よ」
普段から落ち着いていてマイペースな吹雪だが、夫から「求められた」ときはさすがに赤面し、動揺するようだ。
啓介「あ、ありがとう。あ、でも今日美智子ちゃんと会うとか言っていたから、夜遅くなったりするのかな?だったら、やっぱり今日はやめておいたほうが・・・」
吹雪「いえ、美智子さんと会うといっても、そんなに遅くならないと思いますよ。啓介さんが帰ってくる頃には、私も家に居ると思いますよ」
啓介「そ、そう。俺も最近は落ち着いてきてそんなに忙しくないから、早く帰ってこれると思うけど、あんまり遅くなるようなら電話するよ。こ、今夜のこと、楽しみにしてるよ。それじゃ、行ってきます!」
吹雪「ふふっ、私も楽しみにしてます。啓介さん、行ってらっしゃい」







ここは啓介が勤めている、とある商社。
最近は忙しくなかったが、啓介は急な仕事を押しつけられ、残業をしないと片づかない羽目になってしまった。
残業のことが分かってから、啓介は家に居る吹雪に一度電話したが、なぜか電話には吹雪は出なかった。
啓介「まだ美智子ちゃんのところにいるのかな?」
その後も2,3回電話してみたが、やはり吹雪は電話に出なかった。
吹雪が電話に出ないことも気になったが、とりあえず仕事を終わらせないといけないので、これ以上の電話はあきらめ、仕事に専念することにした。
幸い、同じ部署の同期の友人・三崎が残業を手伝ってくれたため、それほど遅くない時間に、仕事を終えることができた。
三崎「今夜は吹雪さんとお楽しみなんだろ?さっさと帰ってやんな。俺が今日暇でよかったな。ま、この礼は社員食堂のA定一週間分ってことで」
一週間分は多すぎだろ、と啓介は思ったが、これだけの仕事をこの短時間で終えることができたのは三崎のおかげだ。やはり持つべきものは友達思いの友人である。
三崎に感謝しつつ、啓介は会社を退出して、自宅への帰路を急いだ。






啓介は帰りの電車の中で、ひとり、そわそわしていた。
今夜久しぶりに吹雪とセックスできることの、嬉しさからである。
啓介と吹雪は結婚しているのだし、一戸建てに二人だけで住んでいるのだから、別に毎日セックスしてもいいのだが、肉体関係においても、啓介と吹雪は「純」であった。吹雪は啓介と一緒にいられるだけで満足している感があるので、吹雪のほうから啓介を求めることは滅多にない。なので、セックスするときは啓介から吹雪に対して「求める」ことになる。
二人が四月に新婚生活を始めてから、二人がセックスした回数はまだ2回。まだまだ若い、愛し合う男女としては驚きの少なさだ。
啓介も多分にプラトニックな傾向があり、吹雪を「求める」ことはそう多くないのだが、そこは啓介も若い男。ときには、無性に愛する吹雪を抱きたくなるときもある。それが今朝だった。
二週間以上ぶりになる吹雪とのセックスを楽しみにしていて、1分1秒でも早く家に帰りたい啓介は、電車に乗っている時間が、今日はいつもより長く感じられた。



啓介が家に着いたのが夜の9時。
いつもは7時ごろに帰宅していることを考えると、今日は2時間ぐらい遅いことになる。
しかも、今日は遅くなることを、啓介は吹雪に電話で伝えていない。
しかし、遅くなったとはいってもたったの2時間だ。吹雪なら普通に笑って許してくれる・・・というか、そもそも全く気にしないだろう。
朗らかで穏やか、いつも笑顔の吹雪は、怒るということをしない。
啓介も、つきあうようになってからは、吹雪が怒ったところを見たことがない。
多少遅くなったけど、玄関の扉を開ければ、今日も吹雪が笑顔で自分を迎えてくれるだろう、と啓介は思っていた。





だが、今日は、いつもとは違っていた。





啓介「吹雪、ただいまー・・・・って、あれ?」
啓介が扉を開けて中に入っても、そこに吹雪の姿はなかった。
啓介「吹雪、帰ったよーーーー」
啓介が、家の中のどこかにいるであろう吹雪に声をかけてみるが、それでも吹雪は姿を見せない。
家の中はところどころ明かりがついているし、玄関には吹雪がいつも履いている履き物もあるから、吹雪は家に居ることは居るようだ。
啓介は、ひょっとして調子が悪くなって、どこかで休んでいるのかな?と思い、毎晩二人一緒に寝ている寝室へ向かってみた。

寝室の扉を開けると、いきなり酒の匂いがした。
そしてベッドの周りに散乱する、酒の空き缶。
そしてベッドの上には、吹雪がいた。
下着姿という、あられもない格好で。
そしてぐがーーーーという大きないびきをかいて、彼女は、寝ていた。
啓介「ふ、吹雪!?大丈夫か?どこか・・・調子悪いんじゃないのか?」
啓介は吹雪をゆさぶってみる。
吹雪は顔が赤いが、まわりに漂う酒の匂いからして、これは酒を飲んで顔が赤いのだろう。
しかし啓介が知る吹雪は、酒はほとんど飲まないはずだった。
啓介の大きな声と、身体をゆさぶられていることで、吹雪はようやく、少しだけ目を開け、啓介を見た。

吹雪「あたし・・・眠いから・・・もう寝る・・・お腹減ってんなら・・・台所のテーブルの上・・・」

それだけ言って、吹雪はまた眠りについた。大きないびきをたてながら。




啓介が1階の台所に行ってみると、テーブルの上には、カップラーメンやらなんやらの、インスタント食品が置かれていた。

啓介「ふ、吹雪・・・やっぱ怒ってるのかな・・・」






続く。


後書き。

あれ、ギリギリ間に合ったと思っていたら、4分ほど過ぎていた・・・(汗)
毎日投稿を心掛けていたのですが、途切れてしまいました(悲)。
このままではなんだか悔しいので、今日はなんとかしてもう1回別の話を投稿したいです。



吹雪の名前は、「無敵看板娘N(ナパーム)」に登場する「吹雪マリ」より。
元ネタだと「吹雪」が名字なのですが、私の話の中では名前のほうにしてみました。
私の頭の中では、見た目のイメージもほぼ元ネタの「吹雪マリ」の通りで考えています。
あと話の中で特に説明していないのですが、吹雪は「誰に対しても丁寧な言葉遣いをする」という設定です。なので、夫である啓介に対しても、「さん」付けだったり、丁寧な言葉遣いをしています。


この話は2006年12月ごろに思いついた話で、元々は「私の身体を返して!」に投稿しようと思っていた話でした。途中まで文章書いていたのですが、今になって読み返してみると、現在、私の頭の中で思い描いているのとちょっと違ってきていたので、新たに1から全部書きました。
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by irekawari | 2007-05-04 00:04 | 女同士入れ替わり