白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
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妖魔バスター イクセリオン 第52話(最終回)「最終決戦!!お姉ちゃん、やっと逢えた・・・」

あれから6年。16歳の少女だったクレアは、22歳の大人の女性になっていた。

新たなイクセリオンとなったエリーは、姉の身体で奮戦。
エリーは姉に比べて年齢的に幼いため、精神面の弱さを突かれて苦戦することもあったが、プロフェッサー・シバの的確なサポートもあり、次第に精神面も成長、いつしか、姉のクレア以上の能力を発揮するようになる。
妖魔大帝・ラー=ザウラーが送り込む、第3の行動隊長ケフレン、そして第4の行動隊長にして第1の行動隊長の兄・バレンドスをも粉砕。
完全に人間界の妖魔を掃討したイクセリオンは、悪しき元凶を絶つため、遂に妖魔軍の本拠地・妖魔界へ単身乗り込む。
人間界に送り込まれた第1~第4の行動隊長をも上回る能力を持つ上級妖魔に苦戦し、傷つくも、なんとかこれらも撃破、その戦闘の最中、冥府界への入り口を発見するエリー=イクセリオン。
冥府界に突入したイクセリオンは、そこで遂に姉のクレアの魂を発見、解放に成功する。
これで、後は妖魔大帝・ラー=ザウラーを倒せば、全てが終わる。
冥府界から妖魔界へ戻ったイクセリオンは、妖魔大帝に最後の決戦を挑んだ。
しかし、妖魔大帝は、イクセリオンには決して倒せない存在であった・・・。





妖魔バスター イクセリオン
第52話(最終回)「最終決戦!!お姉ちゃん、やっと逢えた・・・」








クレア「そんな・・・妖魔大帝が2人居るなんて」
相次ぐ連戦で体力を極限まで消耗しているイクセリオンは、肩を上下させ、荒い息を吐きながら、驚愕の表情を浮かべている。
その身体は深く傷つき、白銀のアーマーは、自身の血であちこちが紅く染まっている。
ザウラー「クハハハハ。我は二人で1つの存在。我を倒しても、我の分身が我を蘇らせる」
ザウレン「そして、我が分身を倒しても、我の本体が我を蘇らせる。我はこうして、妖魔界で唯一無二の存在として君臨してきたのだ」

つい先程、満身創痍のイクセリオンは、最後の力を振り絞り、一瞬の隙をつき、妖魔大帝ラー=ザウラーにイクセリオン・ファイナル・スラッシュを放った。
その一撃で、確かに妖魔大帝は断末魔を上げながら消滅した。
だがしかし、直後、ラー=ザウラーそっくりのもう一人の妖魔大帝が現れ、謎の光線を放つと、その光線はやがて1つの姿を形作り、妖魔大帝・ラー=ザウラーとなった。
イクセリオンの最後の力でようやく倒したかに見えた妖魔大帝は、そっくりそのままの姿で蘇ってしまった。

妖魔大帝ラー=ザウラーには、ザウレンという、自分の分身ともいえる存在があった。
ザウレンは、ラー=ザウラーと同じく、闇のような漆黒の体躯から昆虫の足のような無数の触手が生えており、顔には能面のような不気味な表情の白い仮面が1つ、ついていた。ラー=ザウラーと決定的に違うのは、身体の表面が金属のような、固い装甲で所々覆われている点である。
ラー=ザウラーはザウレンと1つの命を共有していた。
ラー=ザウラーが倒されば、ザウレンがラー=ザウラーを蘇らせる。
ザウレンが倒されば、ラー=ザウラーがザウレンを蘇らせる。
妖魔大帝を完全に滅ぼすには、ラー=ザウラーとザウレンを同時に倒す必要があった。
だがしかし。

ザウラー「我を攻撃できるのはイクセリオンの力を持った者のみ」
ザウレン「しかし、イクセリオンの力を持つ者はたった一人、貴様だけだ」
ザウラー「貴様一人では、我と我の分身を同時に倒すことは出来まい」
ザウレン「これで最後だ、イクセリオン」

ザウラー「6億万年前にも、イクセリオンの力によって我は妖魔界に追いやられた。その因縁も、今回で完全に断ち切ってやろう。イクセリオンの力を受け継ぐ者よ、貴様はここで消滅するのだ。貴様を消滅させた後、再び人間界へ攻め込む。我さえ存在していれば、軍団などまたいくらでも造ることができる・・・」



クレア「せっかく・・・お姉ちゃんの魂を解放できたのに。あたしがやられちゃったら・・・お姉ちゃんの身体をなくしちゃったら、どうしようもないよね。ごめん、お姉ちゃん、あたし、最後まで頑張れなかった・・・」
クレアの目から、敵を倒せない悔しさと姉への懺悔の涙が流れる。
剣を握っていないほうの拳は硬く握られ、爪が自分の手のひらに食い込むほどであった。
今までに妖魔から受けた傷で、もう手足の感覚もない。絶大な防御力を誇ったエンペラー・アーマーも、今はあちこちが砕け、その隙間からクレアの白い裸身を晒していた。唯一原型を留めているエンペラー・ブレードも、その刀身からはかつての輝きは消え失せている。本当に、今のイクセリオンは全ての力を使い果たしていた。


ザシュッ。
妖魔大帝ラー=ザウラーの触手の1つが伸び、イクセリオンの右の太ももを貫いた。
イクセリオンの身体に、絶大な痛みが走る。
クレア「・・・・・・・・・・・・・・・・・っっっっ!!」
もはや声を出す力さえ残っていないイクセリオンは、身体をくの字に折り、苦悶の表情を浮かべ、声にならない叫び声をあげた。
ザウラー「もう少し楽しませてくれると思ったが・・・ここまでのようだな」
ザウレン「消えろ、イクセリオン」




妖魔大帝ラー=ザウラーの触手が、今度はイクセリオンの頭部めがけて伸びる。
直撃すれば、触手によってイクセリオンの顔から後頭部まで貫かれ、即死は間違いない。
目前に迫る触手を見ながら、イクセリオンは、クレアは、エリーの魂は、死を覚悟した。










あたりがやけに静かだ。
あたしは死んだのか。
死んだのなら、これでようやくまた、お姉ちゃんに会える。
もう一緒にご飯食べたり、一緒に遊んだりできないけど、ずっと、ずっと一緒に居られる。
プロフェッサーは、元気かな。
あたしが妖魔界に来てけっこう経つけど、自分で食事ちゃんと作れているかちょっと心配。
お姉ちゃんとプロフェッサーの結婚式に、あたしも出たかったな。

音の無い静かな世界で、これまでの人生、そしてこれから叶えたかった夢など、エリーはいろんなことを思っていた。






「エリー、私の代わりによくここまで頑張ったわね」
お姉ちゃんの声が聞こえた。
「今までありがとう。だから・・・あともう少し、お姉ちゃんと一緒に頑張ろう」
お姉ちゃんの声がはっきり聞こえる。あともう少しって?

エリーは姉に問い掛けてみた。
「お姉ちゃん?おね・・・」










クレア「お姉ちゃん!?」
クレアは目を覚ました。全身に激痛を感じる。自分はまだ生きている。
1秒か、2秒か、10分か、1時間か。とにかく自分は、意識がない状態だった。
でも目覚めた。
誰かが声を掛けてくれたから。
この、太陽の光も差さない、地獄の闇のような妖魔界で、自分以外の、誰があたしに!?

ザウレン「ぐぅあああああああああああ!!」

驚くことに、妖魔大帝の分身・ザウレンが断末魔を上げて消滅しかかっていた。
そして、自分と妖魔大帝ザウレンとの間に、後ろ姿を向けて空中に浮かんでいる一人の少女が見える。
その少女が、ゆっくりとイクセリオンに向かって振り向いた。
???「エリー、私の代わりによくここまで頑張ったわね」
その少女は、エリーが先程夢の中で聞いたのと全く同じ台詞を口にした。
その顔は、自分がすごく知っている顔のようで、知らないようで。
でもその慈愛に満ちた、優しい笑顔は、たしかにエリーがよく知っている、エリーが一番愛するその人のものだった。
エリー「今までありがとう。だから・・・あともう少し、お姉ちゃんと一緒に頑張ろう」
クレア「・・・お姉ちゃん!!」






クレア「お姉ちゃん、お姉ちゃん!!逢いたかったよぉ!!」
クレアはエリーの胸に顔をうずめながらエリーの身体をしっかり抱き、泣きじゃくっていた。
その状況は、かつてクレアの魂が冥府界へ捕らわれたときの、シバ研究所のベッドの上で起こった状況と重なる。
だがしかし、あの時と違うのは、その涙が悲しみによるものではなく、6年という長い時間をかけ、やっと姉に再会できた嬉しさによるものだ、ということだ。
エリーはそんなクレアを片手で優しく抱きしめ、もう片方の手で、母が幼い我が子をあやすように優しく撫でた。
エリー「うん、私もエリーに逢いたかった。今、私がこうしていられるのも、エリーのおかげ。本当に、ありがとうね」
胸にうずめていた顔を上げ、真っ赤な目でエリーをみつめるクレア。
エリーも、そんなクレアの目を見つめ返し、不意に、クレアの頬に軽くキスをした。
姉の不意のキスを受け、クレアは目だけでなく顔全体も真っ赤になってしまった。
クレア「お、お、お姉ちゃん・・・・は、恥ずかしいよ」
エリー「あはは。昔はよくやってたじゃない。エリーったら、いつまでたっても反応が可愛いんだから♪」
クレア「もう、お姉ちゃんったら・・・」
クレアは、口では不満を言いつつも、満更ではない(?)様子だ。

クレア「ねえ、お姉ちゃん、聞いていい?」
エリー「ん?なに?」
クレア「それって、あたしの身体だよね?」
クレアは、さっきから疑問に思っていたことを素直に姉に聞いてみた。
エリー「うん、そう。エリーが冥府界から私の魂を解放してくれた後、時空間通信で、プロフェッサーに連絡してくれたでしょ?あの後すぐ、プロフェッサーは例の儀式で私の魂をエリーの身体に移してくれたの」
クレア「やっぱり、そうだったんだ。でも、なんで?今さっきお姉ちゃん、ザウレンを攻撃していたよね?あたしは、あたしの身体はイクセリオンの力を持ってないんじゃなかったの?」
エリー「あははー、それそれ。ちょっと聞いてよ、エリー。イクセリオンの力って、16歳にならないと発現しないらしいのよ」
エリーは実にあっけらかんと言ってのけた。
クレア「16歳って・・・ええええ!!??そ、そうだったの!!??」
エリー「私もびっくりしたわー、そういえば私がプロフェッサーと出会って、イクセリオンの力に目覚めたのも、ちょうど16歳の誕生日だったのよねー」
なんという驚きの事実。イクセリオンの力には、なんと年齢制限があったのか。
でもこれで全てに納得がいく。
エリーが10歳のとき、どんなに渇望しても、イクセリオンの力を得られなかった理由が。

あれから6年が経ち、魂が無い状態で16歳になったエリーの身体は、イクセリオンになる条件を満たしていた。
冥府界の呪縛から解き放たれたクレアの魂はプロフェッサー・シバによってエリーの身体に移され、その秘めたる力を覚醒させ、第2のイクセリオンとなったのだ。





ザウラー「お、おのれぇぇぇぇ!まさか、イクセリオンが2人現れるなど!!」
姉妹の水入らずの会話も、妖魔大帝の怒号によって中断された。
エリーの攻撃で消滅させられたザウレンは、既にラー=ザウラーによって復活していた。
だがしかし、ラー=ザウラーにもザウレンにも、先ほどまでの圧倒的な自信は消え失せ、怒り、焦りといった感情がその身を支配していた。
自らを滅ぼす存在が、そこに二人揃っていたから。
悠久の時の流れを生きてきた妖魔大帝に、初めて死への恐れの感情が生まれた。
ザウラー「我は・・・不滅の存在だ!!」
ザウレン「下等な人間など、滅ぼしてくれる!!」

エリー「エリー、姉妹の感動の再会のシーンは、一旦おしまいのようね」
クレア「うん、お姉ちゃん」
エリー「エリー、実は私の今の身体・・・エリーの身体は、6年間ずっと魂が無い状態で眠っていたから、かなり弱っているの。さっきザウレンの奴に食らわせた攻撃で、かなりいっぱいいっぱいみたい。あともう1回、ファイナルスラッシュを食らわせるぐらいしか、力残ってない」
クレア「うん」
エリー「エリーも、身体ボロボロで辛いだろうけど、あともう1回、なんとか力を振り絞って。私とエリーの攻撃で、同時に奴らを倒す。絶対に外せない・・・でも、これで全てが終わる」
クレア「うん、やろう、お姉ちゃん!一緒に!!」

クレア「人間界に帰ったら、プロフェッサーにあたし達の身体、元に戻してもらわなきゃだね」
エリー「私はこのままでもいいかな、6年分若返るわけだし、魂だけになっていた分が、ちょうどチャラになるわけだし♪」
クレア「えー、そんなずるいよお姉ちゃん!あたしだけ年とるなんてー」
エリー「あはは、冗談冗談」
クレア「もー、お姉ちゃんったら。それに、いつまでもあたしの身体だったら、プロフェッサーに告白するとき、困るでしょ?」
エリー「えっ、エリー、なっ、なにを言って・・・」
クレア「もー、お姉ちゃんもプロフェッサーも、あたしが気づいていないとでも思ってたの?帰ったら、すぐに言うこと!分かった?」
エリー「ちょ、ちょっと待ってよ、私はまだ心の準備が・・・って、んー・・・・・・・・そうね。帰ってプロフェッサーに伝えたいことあるし、エリーと一緒にご飯作りたいし、みんなで、またどこか遊びに行きたいしね」
クレア「うん、だから・・・あいつを倒して・・・」
エリー「一緒に帰ろう、二人で!プロフェッサーが、みんなが待ってくれてる、あの場所へ!」


ザウラー「イクセリオォォォォォォォォォン!!」
ザウレン「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!」
妖魔大帝ラー=ザウラーとザウレンが、地獄の亡者のような邪悪な叫び声をあげながら、二人に迫り来る。
白銀と深紅、それぞれの色のアーマーに身を包んだ二人のイクセリオンが、妖魔大帝を迎え撃つ構えをとる。
エリー「よーしエリー、行くよ!これが、私たちの最後の決戦だ!」
クレア「うん、お姉ちゃん!!」

激しき激突が数度繰り返された後、無限に続く妖魔界の闇の中、二人の姉妹の声がこだました。
クレア・エリー「妖魔殲滅!!!!」









完。




後書き。

第27話だけで終わらせても良かったのですが、書いているうちに、やっぱり姉と妹を再会させてあげたいなーと思ったのと、たまにはハッピーエンドの話を書いてみたいなーと思って、続きの話を書いてみました。
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by irekawari | 2007-04-08 05:14 | 女同士入れ替わり