白雪姫「女同士入れ替わりと、女同士の憑依が好きです。


by irekawari
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

妖魔バスター イクセリオン 第27話「お姉ちゃんの意志はあたしが継ぐ!甦るイクセリオン」

人間界は妖魔界の妖魔大帝・ラー=ザウラー率いる侵略軍によって攻撃を受けていた。
妖魔は非常に強力で、人間の持つ武器はほとんど通用せず、高等攻撃魔法を何十発を浴びせて、ようやく倒せる、といった有様だった。
侵略軍の度重なる攻撃で、その高等魔法を使える魔術師もほとんどが殺され、人間側の対抗手段はもはや無いと思われた。


しかし、人間界でただ一人、古代の力を研究していたプロフェッサー・シバは、ある一人の人間の少女が、超古代で同様の妖魔界からの侵略を退けた、「イクセリオン」の力を受け継いでいることを発見。
「イクセリオン」の力は強力で、「神の力」と呼ぶにふさわしかった。
通常武器や高等魔法でも傷ひとつつけることすら困難な妖魔を、一撃の元に葬り去ることが出来た。
プロフェッサー・シバはその少女と接触、少女は眠っていた力を目覚めさせ、人間界に侵攻していた侵略軍の第一陣を瞬く間に殲滅させた。
妖魔バスター・イクセリオンの誕生である。






妖魔バスター イクセリオン
第27話「お姉ちゃんの意志はあたしが継ぐ!甦るイクセリオン」



妖魔大帝・ラー=ザウラーによって第2の人間界侵略軍攻撃隊長に選ばれたマンサー=ネクロは、イクセリオン打倒のため、卑劣な作戦を企てた。
イクセリオンは、第1の行動隊長であったバルドスとの決戦時に、驚異の防御力を誇るエンペラー・アーマーを手に入れており、イクセリオンの武器である、妖魔を一撃の元に葬ることができるエンペラー・ブレードと共に、イクセリオン打倒の障害の1つになっていた。

マンサー=ネクロはイクセリオンと正面きって戦うことをせず、暗黒呪術を用いてイクセリオンの身体と魂を分離させ、魂を妖魔界のさらに奥に存在する冥府界へと追放させた。
魂を奪われた肉体は、当然動くことすら叶わない。
人類の希望・イクセリオンは、生きる屍となってしまった。
人間界侵攻の最大の障害を取り除いた妖魔軍は、これを機に一気に人間界への侵攻を強めた。






シバ研究所。
ここはプロフェッサー・シバの研究所であり、人間の希望の存在・イクセリオンの本拠地兼、生活の場でもあった。
しかし今この研究所は悲しみの空気に包まれていた。
エリー「お姉ちゃん!お姉ちゃん!どうしてこんなことに・・・」
研究所の中のとある一室、ベッドの上に眠る少女に泣きすがる、もう一人の少女。
ベッドに眠っているのは、イクセリオンとして戦っていた人間の少女・クレア。
そのクレアに泣きすがっているのが、クレアの実の妹・エリーだ。
クレアは16歳、エリーは10歳。
彼女達は6歳年の離れた、姉妹だ。

シバ「すまないエリーくん、私がもっと早く、古代遺跡でこの宝具を入手していれば、君のお姉さんをこのような目に遭わせなくて済んだのに・・・」
エリー「謝らないでください、プロフェッサー。その宝具を手に入れる旅だって、命懸けのことだってことは、あたしも知っていますから。両親がいないあたしたち姉妹に声をかけてくれて、姉だけでなく妹のあたしまで育ててくれたことには感謝しています。人間のために妖魔と戦ってくれているお姉ちゃんももちろん好きだったけど、人類を救うためとかそんな壮大な目的だけじゃなくて、普通に朝起きて、ごはん食べて、お姉ちゃんとお話して笑って・・・ただただ、お姉ちゃんと一緒に居られればそれで良かった」
身動きひとつしない姉の身体に長い間顔をうずめていたエリーは、ようやく顔を上げ、プロフェッサー・シバのほうを振り向き、自らの思いを語った。
その目からは、幾筋もの涙がこぼれていた。
シバ「エリーくん・・・」


エリーは意を決して立ち上がり、シバに身体の正面を向け、強い口調で告げた。
エリー「プロフェッサー、あたしも戦います!お姉ちゃんの意志を・・・あたしは継ぎたいんです!姉妹なんだから、あたしにだってイクセリオンの力は使えるはずですよね!?」
シバ「エリーくん、過去に何度も君の身体を調べさせてもらったが、君からはイクセリオンの力は検出されなかった。いくら姉妹でも、イクセリオンの力はクレアくんにしか発現しない。残念だが、ただの人間である今の君では妖魔には立ち向かえない」
エリー「そんな・・・」
姉の仇すら討てない。
エリーの顔に、悔しさと悲しみの表情が広がる。


シバ「だが・・・たった一つだけ、君がイクセリオンとなって戦える方法がある」
エリー「ほ、本当ですかプロフェッサー!!」
シバの衝撃の発言に、瞬く間にエリーの顔に希望の色が広がった。
シバ「率直に言おう。その方法は・・・」











妖魔軍攻撃隊長マンサー=ネクロは、人間界の南方における最大の王国・サウスウッド王国への攻撃の指揮をとっていた。
ネクロ「ふははははっ、殺せ、殺せ!イクセリオンのいない人間共なぞ、恐るるに足りんわ!」

部下A「ね、ネクロ様!た、大変です!て、敵が一体、ここに向かって凄い勢いで迫ってきているそうです!立ち向かった味方軍は、ことごとく全滅させられています!」
ネクロ「なんだと?敵?今の人間共に、我々に刃向かう力など・・・」
部下A「あっ、あれは・・・たっ、助けてくださいネクロ様!ぐ、ぐぎゃああああああ!!」
ネクロ「ど、どうした、なにが起こっている!?」


気が付けば、ネクロの周りを護衛していた部下達は全滅していた。
部下の妖魔達は、全て剣のようなもので真っ二つに斬り捨てられていた。

???「お久しぶりね、妖魔軍攻撃隊長・マンサー=ネクロ」
ネクロ「な・・・に!?その声は・・・」
ネクロが振り向くと、そこには白銀の華麗なアーマーを身に纏い、長い黒髪を風になびかせている、一人の人間の少女が立っていた。
クレア「冥府から・・・舞い戻ってきたわ」
ネクロ「ば、馬鹿な!!お前は・・・イクセリオン!!」
目の前に、居るはずのない人間が立っているのを見て、ネクロは衝撃を受けていた。
ネクロ「お前は、お前の魂はワシの呪法で確かに冥府界へ葬ったはず、なぜ、なぜ貴様がここに居る!!??」
クレア「決まっているわ、お前を倒すためよ」
クレア=イクセリオンは、腰の鞘に収めていた剣を抜き放った。
自ら刀身に淡い光を放っているその剣の名は、エンペラーブレード。数々の妖魔や、第1の行動隊長・バルドスさえも葬ってきた剣だ。


ネクロ「どうやって蘇ったは知らぬが・・・ならば、もう一度冥府へ送り返してやるわ!」
ぼろぼろの紺色のローブをはためかせ、持っていた杖を振りかざしたネクロは、高速で呪文を詠唱した。
突然イクセリオンの周りに現れた黒い霧が、まるで実体を持つかのように彼女の手足を拘束する。
クレア「こ、これは!?」
ネクロ「二度も同じ術にかかるとは、愚かなり、イクセリオン。今度こそ、確実に冥府界へ貴様の魂を送ってやるわ!」
ネクロがかざした杖の先から、紫色の暗黒の波動が放たれ、イクセリオンの全身を包み込んだ。
ネクロ「ふはははは、愚かな人間の女よ、冥府界で苦しみ抜いて死ね!」
クレア「愚かなのはお前のほうよ」
ネクロ「なに?」
キィィィィィィィィィィィン!!
イクセリオンの毅然とした発言のあと、突如、イクセリオンを中心に光があふれ、一瞬、あたりを包み込んだ。
そしてその光が消えゆく中、光の中から二本の足でしっかりと大地を踏みしめ、刀身煌めくエンペラーブレードを構え、鋭い視線でネクロを見据える、イクセリオンの姿がそこにあった。

ネクロ「ば、馬鹿な!我が呪法が・・・」
クレア「その術は、もう効かないわ」
無表情に冷たく言い放つイクセリオンの首もとには、淡い光を放つ紺碧の宝石のついた首輪がはめられていた。
これこそが、プロフェッサー・シバが古代遺跡で発掘してきた、妖魔からのあらゆる精神攻撃を防ぐ宝具であった。
クレア「今度は、こちらの番ね」
イクセリオンが剣を構え、ネクロに向かって突進する。


ネクロ「ぐばぁっっ!!」
イクセリオンの放った一撃が、ネクロの片腕を切り飛ばした。
ネクロ「お、おのれぇぇぇっ!ワシの、ワシの呪法は完璧じゃった!このようなことがあっていいはずが・・・」
完全武闘派だった第1の行動隊長・バルドスとは正反対に、第2の行動隊長・マンサー=ネクロは完全な頭脳派だった。肉弾戦において、もはやネクロがイクセリオンに適うはずもなかった。
自らの魂を冥府界へ葬ったネクロ。そのネクロを目の前にしても、イクセリオンの表情は激しい怒りを表すわけでもなく、静かだった。
それは、今はもう取り戻せない「何か」を悟っているかのようであった。
クレア「これで、やっとお姉ちゃんの仇が討てる・・・」
剣を構え、ネクロへの距離を再度詰めるため歩みを進めるイクセリオンが、ふと、ポツリとつぶやいた。
そのつぶやきはとても小さなものだったが、ネクロは、そのつぶやきをはっきりと耳にした。
ネクロ「お姉ちゃん・・・姉だと?たしか・・・イクセリオンには年の離れた妹がいると、諜報参謀のやつが言っていた・・・ま、まさか」
ネクロが驚愕の表情を浮かべて叫ぶ。










イクセリオンが、ネクロ隊に攻撃を仕掛ける少し前。
ここはシバ研究所。
シバ「率直に言おう。その方法は・・・君の魂を、お姉さんの身体に移す。君がお姉さんとなって、イクセリオンとして妖魔と戦うのだ」
エリー「わ、私の魂を・・・お姉ちゃんの身体に!!??」
シバ「私は、古代遺跡でこの、あらゆる精神攻撃を防ぐ宝具を発見したとき、もうひとつ、とても興味深い資料をみつけた。それが・・・人間の魂を、別の人間の身体へ移す術だ」
エリー「魂を・・・ですか」
シバ「超古代人が、なんの目的でこのような術を考案したかまでは分からない。分からないが、今言えるのは、この術を用いて君がお姉さんに、イクセリオンになることが、君のお姉さんを救う唯一の方法だということだ」
エリー「プロフェッサー、あたし・・・」
エリーは、わずかに顔を伏せた。
シバ「だがエリーくん、私は強制はしない。もしこの術を用いるとしても、実験もなにもない、ぶっつけ本番になる。失敗すれば、君の魂は、お姉さんと同じく冥府を彷徨うことになるかもしれない・・・いや、冥府以外の、我々の知らない世界で、生きることも死ぬこともできないまま、魂だけの存在となって、未来永劫苦しまなければならなくなるかもしれない。
それに、もし儀式が成功しても、今度は君の身体が、魂の無いカラッポの状態になってしまう。魂は無くても身体は生き続けるだろうが、魂の無い身体はいずれ弱って、やはり死に至るかもしれない。たとえ儀式に成功しても失敗しても、君の命は保証できない。・・・エリーくん、私は君を、お姉さんと同じように、自分の娘のように思っている。君には、静かで平穏な生活を送ってもらいたいんだ。妖魔の攻撃がまだ及ばない、どこか遠い地へ行けば、まだしばらくは平和な生活が送れるだろう・・・」
シバは、あくまで優しい口調で、エリーへ説得の言葉をかけた。
だが、しかし。
エリー「あたし、戦います!!」
一瞬だけ、一瞬だけ顔を伏せたエリーは再び顔を上げ、まっすぐにプロフェッサーの目をみつめ、決意を言葉を発した。
その瞳には、確かな意志の力が感じられる。
それは、かつてエリーの姉・クレアの瞳からも感じられた力だ。
目の前の妹に、かつての姉の姿を重ねたシバは、もはや説得は不要と理解した。
シバ「分かった、エリーくん。私からは、もう何も言うことはないよ。それでは、さっそく儀式を始めたい。実は、もう準備も出来ている・・・構わないかね?」
エリー「はい、構いません。プロフェッサー、宜しくお願いします」
シバ「よし、それじゃさっそく始めよう」
エリー「ちょっとその前に、プロフェッサー、さっきの言葉の中に、1つウソがありますよね」
シバ「え!?わ、わたしはウソなんか・・・」
エリー「お姉ちゃんのこと。あたしは娘だとして・・・お姉ちゃんは、娘じゃなくて、一人の女性として、見ていますよね?」
シバ「そ、そそそそそそそれは。え、エリーくん」
普段冷静なプロフェッサー・シバが、珍しく顔を真っ赤にして慌てている。
エリー「いいじゃないですが、隠さなくても。これだけ長い間一緒に生活していたら、イヤでも分かります。年の差が20ぐらいありますけど、別にそんなの珍しくもないし。」
シバ「そそそそそそ、そう・・・か」
エリー「お姉ちゃんもきっと、プロフェッサーのこと、好きですよ」
エリーは再び目を伏せて、淡々と語る。
エリー「あたし以上に、お姉ちゃんのこと救いたいはずなのに、あたしのことまでこんなに気を遣ってくれて・・・プロフェッサー、いい人すぎますよ。いつか、お姉ちゃんを救い出して・・・絶対、お姉ちゃんと幸せになってもらわなきゃ、困ります」
シバ「エリーくん・・・」
エリー「はい、この話はここでおしまい!プロフェッサー、儀式のほう、宜しくお願いしますね!」
シバ「あ、ああ。私も、全力を尽くすよ」










再び、時間は戻る。

クレア「妖魔殲滅」
イクセリオンが言葉を発すると、エンペラーブレードの刀身の輝きが一段と増した。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。
エンペラーブレードからは、輝きだけでなく、強力な波動も放たれている。その波動を受けて、大地が唸りをあげる。
ネクロ「まさか、お前はぁっ!!」
クレア「消え去れ!イクセリオン、ファイナル・スラッシュ!!」
ゴッ
イクセリオンが大上段から剣を振り下ろすと、剣から大質量の光の波動が放たれ、ネクロの身体を、全身を貫いた。
次の瞬間には、妖魔軍行動隊長・マンサー=ネクロは跡形もなく消滅していた。



クレア「お姉ちゃん、ネクロは倒したよ。今からあたしがお姉ちゃんの代わりに、お姉ちゃんの身体でイクセリオンとなって、妖魔と戦う。妖魔を全滅させて、必ず、お姉ちゃんの魂を助けに行くから。それまで、それまではもう泣かないから・・・あたしを見守っていて、お姉ちゃん」
涙で真っ赤になった目を片手でぬぐい、夕日に染まったオレンジ色の空を見上げながら、クレアの身体のエリーは、決意の表情を浮かべながら、遠い世界にいる愛しい姉にむかって誓いの言葉を捧げた。








後書き。

プロフェッサー・シバが古代遺跡でみつけてきた、あらゆる精神攻撃を防ぐ「宝具」を戦闘シーンで使うのを忘れていたので(汗)、ネクロとの戦闘中にその宝具を使うシーンを追加してみました。
[PR]
by irekawari | 2007-04-07 23:39 | 女同士入れ替わり